福岡市の警固公園内で3月1日、「派遣切り」にあった人たちなどのための「いのちとくらしの相談会」が開かれ約三百人がつめかけました。(関連記事「福岡・派遣村 “いのち助かった”/青年らが悲痛の訴え」)
この「福岡県版・一日派遣村」は、石村善治・福岡大学名誉教授や牧師、医師、弁護士ら六人が呼びかけ、民主団体などが結成した「なくそう貧困!福岡県民実行委員会」が取り組みました。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、田村貴昭氏ら衆院比例候補、仁比聡平参院議員が激励し、田村氏は専門家スタッフとともに相談にのりました。
「生活保護の再申請で受給を断られた」「ホームレスだが入院したい」「『派遣切り』を断るときの法的な対処の仕方は」などの相談が持ち込まれました。
「私の話を真剣に聞いてくれてうれしかった」と語ったのは熊本県出身の男性(五八)。
「百貨店の子会社が閉鎖され、五十歳以上は全員解雇に。『解雇通告』は食堂前の掲示板に張られた紙一枚で、社員の中には涙を流していた人もいた。相談の結果、明日(二日)の生活保護集団申請に私もいきます」と話しました。
名古屋市の派遣会社で解雇され、福岡市に仕事探しに来た男性(三九)は「派遣で三年たてば正社員になれると思っていた矢先の解雇だった。福岡でも仕事はなく、公園や駅でホームレス状態の生活をおくっている」と不安顔で話していました。
相談中に高血圧と脱水状態に陥り、急きょ救急車で病院に搬送された人も。
今回の取り組みを通じて、福岡市当局は「住居のない人でも生活保護申請の相談にのる」と、これまでの姿勢を一変。二日と三日、市独自の相談会場を設けることにしました。(2009年3月2日「しんぶん赤旗」)