都合の悪い論文削除 農薬安全審査 田村貴昭氏が告発 衆院農水委

4月27日 農水委 日本共産党の田村貴昭議員は4月27日の衆院農林水産委員会で、農薬製造企業が農薬の安全性審査を申請する際、ネオニコチノイド系の殺虫剤などで都合の悪い学術論文を恣意(しい)的に除外している実態を告発しました。(質問動画はコチラ)
 
 2018年の農薬取締法改正では、既に登録されている農薬については、3年ごとに形式的な書類審査で再登録されていたものを15年ごとに最新の科学的根拠に照らして安全性などの再評価を行う制度に改められました。必要な場合には登録を却下する仕組みです。
 
 田村氏は「科学性を担保する学術論文を、審査される側の農薬製造企業が集め、提出する仕組みになっている」と指摘。森健・消費安全局長は「(論文選択の)一貫性、透明性は確保されており、評価に重要な文献は網羅されている」と強弁しました。
 
 田村氏は「事実、ネオニコチノイド系クロチアニジン、製剤名『ダントツ』の再評価で、住友化学は、行動試験の異常や発達神経毒性を示した研究を削除。トキやコウノトリの繁殖を妨げているとの研究も削除した」と告発。「奥原正明元農水事務次官も、毎日新聞の取材に『由々しき問題。これでは制度を変えた意味がない』と語った。第三者委員会による論文の選択が必要だ」と主張しました。
 
 野村哲郎農水相は「(論文の)選択のガイドラインの検証も行われている。事務方に検討させたい」と答弁しました。(しんぶん赤旗 2023年4月30日)