189-衆-地方創生特別委 2015年03月27日 子ども医療費の無料化について質問 田村貴昭衆院議員

○田村(貴)委員
日本共産党の田村貴昭です。
子供医療の無料化について、子供医療制度の助成について質問します。
二〇一四年度補正予算で創設した地域住民生活等緊急支援のための交付金について、内閣府は、二十四日付で交付決定を発表いたしました。

地方創生先行型は千三百四十四億円とされていますが、このうち、少子化対策として交付決定となった事業数、事業費はどのくらいになっているでしょうか。また、その中で、子供の医療費助成や保育料の助成の活用に充てる件数、自治体数はどのような状況になっているでしょうか。教えてください。


○末宗政府参考人

お答えいたします。まず、地方創生先行型の交付金について、これは三月二十四日に交付決定したところでございますが、その中で少子化対策分についてでございますけれども、精査の結果、変更はあり得るわけでございますけれども、事業数にして二千五百二十七件で全体の約二一%、事業費にして二百三十四億円、全体の約一七%というようなウエートを占めております。
それから、少子化対策というくくりでございますけれども、これは、地方公共団体が地域の実情に応じて自主性を発揮して、いろいろ多岐にわたってやっております。結婚、出産、子育てということで、出会いの場づくり、結婚相談、不妊治療助成、保育料軽減、あるいは保育環境、子供医療費助成と、それぞれかなりの分野に分かれておりますので、医療費助成で申し上げますと、おおまかな傾向でいうと、全体の少子化対策の中で大体一割を下回るようなウエートというような感じになっております。

○田村(貴)委員
私も一つ驚いたんですけれども、地方創生先行型の少子化対策のメニューの中に、乳幼児医療とか子供医療の例がなかったんですね。この中で、自治体が手を挙げて、子供医療の拡充に乗り出すといったところであります。

結構な割合になったというふうにも伺っているんですけれども、この制度について、やはり私は周知徹底を図る必要があると思うんです。この少子化対策の中の
交付金を使って子供医療の拡充そして保育料の助成ができるのであれば、こうした自治体の申請をぜひ広く紹介していただきたいというふうに思います。
そこで伺いたいんですけれども、全国の子供医療助成制度の実施状況について、簡単でいいですので、説明をしていただきたいと思います。


○木下政府参考人
お答えいたします。

地方の単独事業として行っておられます乳幼児等の医療費助成についてでございますけれども、平成二十五年四月一日時点の実施状況を調査したところによりますと、自治体により対象年齢が異なっていましたり、あるいは所得制限、自己負担に係る助成の範囲に違いはございますけれども、全ての自治体において乳幼児等の医療費助成を実施されております。


○田村(貴)委員
四十七都道府県で見ますと、何らかの形で子供医療の助成制度に踏み切っている、今そういう状況でよろしいでしょうか。


○木下政府参考人
 そのとおりでございます。


○田村(貴)委員
資料もいただいたんですけれども、中学卒業まででは、通院で六七%、そして入院ではもう八二%まで広がりを見せているということであります。
子供医療費助成は、子供の健康と健やかな生育を図り、誰もが安心して子供を育てられる社会をつくるという重要な意義がございます。同時に、深刻化する少子化対策、人口減少対策の最もベーシックな施策であると考えます。
きょうは、少子化担当の赤澤副大臣にお見えになっていただいております。そこで、副大臣にお伺いします。
住民の願いに応えての子供医療費助成制度の全国的な広がり、そして自治体の努力についてどう受けとめておられるでしょうか。


○赤澤副大臣
委員御案内のとおり、子供は、本来であれば窓口負担三割のところを国費で二割にした上で、各自治体がいろいろと御努力をされ、今御質疑でもありましたように、全ての自治体が何らかの取り組みを行っているという状態でございます。

その前提でお話し申し上げますが、乳幼児医療費に対する支援について、それぞれの地方自治体において、他の子供、子育て支援策との優先度合いや地域の実情などを勘案して実施されているものと承知をしております。いずれにしても、子供を持ちたいという人の希望が実現できるよう、各自治体において、地域の実情に応じて、少子化対策にしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
政府としても、三月二十日に閣議決定した少子化社会対策大綱の中でも、切れ目のない支援ということで、結婚、妊娠、出産、子育て全てにわたっていろいろな支援をしていきたいという中でございますので、少子化対策は待ったなしの最重要課題と認識をしている中で、安心して子供を産み育てられる社会の実現に向けて、今後とも、関係省庁と連携しながら、総合的な少子化対策の充実強化に取り組んでいきたいというふうに考えております。


○田村(貴)委員

その医療費助成制度なんですけれども、これは自治体独自の取り組みとして、かなりの年数をかけて全国に広がってまいりました。実施しているところと実施していないところとの地域差の問題がこれはおのずと出てまいります。だから、国の制度として子供医療の助成制度を実施してほしいという要求もたくさん出されてきているところであります。
石破大臣にお伺いしたいと思います。
全国市長会は、全国一律の子供医療費の無料化について、ナショナルミニマムとして、国の制度としてすべきであると繰り返し政府に要望をしてきています。昨年十月の国と地方の協議の場でも議題となりました。森民夫全国市長会会長は、人口減少問題については、特に弱い地域が人口の取り合いをすることや競争することについて、地方は少し警戒をしている、例えば子供医療費の無料化等でそのような現象があり、苦い経験をしてきている、全国に広がった子供の医療費の無料化等については、ナショナルミニマムとして位置づければ無駄な争いはなくなるという意見は多く出ていると訴えました。
この市長会の要望は、私は当然であると思いますけれども、石破大臣、地方創生担当大臣として、国と地方の協議の場に出席されておられたと思います。どのように受けとめておられるでしょうか。


○石破国務大臣
何をもってナショナルミニマムとするかということだと思っております。

時あたかも統一地方選挙でありますが、結局、候補者がみんな、無料化、あるいは限りなく無料化に近づけて、そういう公約を言う。Aがこう言えば、Bはもっともっと、Cはもっとだみたいなことで、もちろん、みんな負担は少ない方がいいに決まっているわけで、それが政争の具と化すことは本当にいいんだろうかと
いう問題意識もあるんだろうと思います。
一方において、では、それを行った場合に、この厳しい財政事情のもとでどのように考えるかという、検討すべき課題が極めて多いと思っております。だからやらないというふうに切って捨てるわけではございませんで、所管の厚生労働省におきまして、それを行うと一体どれぐらいの財政負担になるのか、それによってほかの政策効果にどのような影響が出るのかということを、これは国の財政事情もそうです、地方の財政事情もそうです、そこをよく勘案しながら、子供たちが安んじて医療が受けられるように、そしてまた御家族、御両親が安んじて子供を育てられるような環境をつくってまいることは必要だと思っております。


○田村(貴)委員
次の質問に移りたいと思います。
自治体が行う子供の医療費助成制度において、国によるいわゆるペナルティーという問題があります。現物給付を行って窓口負担を減らすなどの助成措置を行うと、国は、国民健康保険の国庫負担金と普通調整交付金を減額する措置をとっています。

(配布資料はコチラ)

そこで伺います。
今回の地域住民生活等緊急支援のための交付金、いわゆる地方創生先行型のこの交付金を活用して子供医療費の助成を行った場合も、国庫負担金等の減額措置となるんでしょうか。


○武田政府参考人
お答えをいたします。

まず、国民健康保険制度におきます国庫負担の現在の制度でございますけれども、乳幼児などに対する地方単独の医療費助成により窓口負担が軽減される場合につきましては、一般的に医療費が増加するということでございますので、国民健康保険制度におきまして、増加した医療費分の国庫負担を減額調整しているところでございます。これは、現行法令上、この減額調整措置の趣旨でございますけれども、国の負担金または補助金の交付を受けないで地方自治体が実施する医療の窓口負担の軽減のための事業について実施することとされているところでございます。
お尋ねのありました、地方創生先行型交付金を活用して子供の医療の窓口負担を軽減した場合の対応につきましては、今後、具体的な実施状況などをよく伺いつつ、減額調整の制度の趣旨を踏まえて検討する必要があると考えているところでございます。


○田村(貴)委員
この制度のもとで、国の負担金それから補助金の交付を受けた場合、受けなかった場合、これはどういうふうに変わるんでしょうか。省令があると思うんですよね。その省令をちょっと解説していただけますか。


○武田政府参考人
恐れ入ります。
ただいま省令についての御指摘もございました。
国民健康保険の事務費負担金等の交付額等の算定に関する省令という、補助金の交付の算定に関する省令がございます。その中に、ただいま申し上げました国庫負担の減額調整措置の対象になる費用についての規定がございます。

具体的には、この省令の第四条第二号のところでございますが、「国の負担金又は補助金の交付を受けないで、都道府県又は市町村が年齢その他の事由により被保険者の全部又は一部についてその一部負担金に相当する額の全部又は一部を、当該被保険者に代わり、保険医療機関等に支払うこととしている措置」、こういう措置の対象の医療費につきまして減額調整の対象経費とみなすという規定でございますので、国の負担金、補助金の交付を受けた場合につきましてはその対象にならないというような省令がございます。
先ほど申し上げましたように、具体的な事例につきましては、よく実施状況などを伺って判断をしていく必要があるものと考えております。


○田村(貴)委員
しかし、その省令が厳としてあるわけなんですよ。

そして、今度の交付金というのは国の負担金または補助金の交付の中に入るわけですから、これを活用して子供の医療費無料助成制度あるいは保育料の助成制度に踏み切った自治体には、国保のこの操作をしてはだめですよ。これはすべきじゃないんじゃないですか、省令に基づいたら。どうですか。


○武田政府参考人
お答えをいたします。

先ほど申し上げましたように、私どもの省令としては、国の負担金または補助金の交付ということで判断をするというような規定になってございますけれども、
そもそも医療費が増加する場合における調整措置でございますので、例えば、現物給付で医療費の免除が行われている場合、後から支払われている場合といったその具体的な取り扱い、または、個々の補助金それから負担金、または交付金という名称もございます、また、それぞれの市町村での取り扱いについて私どもはまだ詳細を承知しておりませんので、そういった点も含めて、今後検討をさせていただきたいというふうに考えております。


○田村(貴)委員
それは検討するということになるんでしょうか。
だって、交付金を活用して、その額全額を子供の医療費の無料助成制度に使いますといったら、その原資はその交付金しかないわけなんですよ。そうした場合は国保の調整をしてはならないということになるんじゃないですか。ちゃんと答えてください。


○武田政府参考人
この省令の規定の趣旨でございますけれども、そもそも、地方単独事業により窓口負担が軽減される場合に増加した医療費分の国庫負担を減額調整している趣旨というものは、限られた財源の公平な配分の観点から行っているものでございます。

ただし、国の負担金または補助金を交付して実施する窓口負担の軽減につきましては、国が特別な財政支援を行うことを政策目的として決定したものであり、限られた財源の公平な配分という観点から支障がない場合として減額調整の対象外とするため、現行法令上、国の負担金または補助金の交付を受けないことを要件としているものでございますけれども、具体的に国の負担金または補助金の交付を受けないというところがどのような場合に該当するのかは、具体的な状況も含めまして、今後検討させていただきたいと考えているところでございます。


○田村(貴)委員
そうしたら、国民健康保険の事務費負担金等の交付額等の算定に関する省令、これを手を挙げた自治体にちゃんと周知していただけますか。その省令について、こういう決まりになっているということを交付金申請した自治体にちゃんと周知していただけますか。


○武田政府参考人
ただいま御指摘の点につきましては、そのように検討させていただきたいと思います。


○田村(貴)委員
福島県のお話をちょっとします。
福島県では、原子力災害から子供や住民の健康を守るために、国が原子力被災者・子ども健康基金を設置し、一部子供の医療費助成制度が行われています。国保の国庫負担金等の調整は、元来ある自治体の医療費助成との関係でどうなっているか、説明していただけますか。


○武田政府参考人

福島県におきましては、国の補助金などにより造成した福島県民健康管理基金を活用して、小学四年生から十八歳までを対象とする医療費助成を実施しているものでございます。この助成措置につきましては、国の補助金等の交付を受けて地方自治体が実施する医療の窓口負担の軽減のための事業に該当するとの考え方によりまして、国保の国庫負担金の調整措置の対象とは扱われていないわけでございます。
なお、小学四年生から十八歳までの事業についてはそのような扱いでございますが、小学三年生までにつきましては、通常の地方単独事業ということで、引き続き国庫負担金等の減額調整が行われている状況にございます。


○田村(貴)委員

だから、省令どおりやっているじゃないですか。もともとあった医療費無料助成制度、小学校三年生までは、これはけしからぬ話なんだけれどもペナルティーをかけて、そして国の基金を活用した小学校四年生から十八歳までの分については調整をかけない。大臣、今こういう二つの状況があるわけなんですよ。
私は、これは、やはりこういう矛盾も出てくるんだから、国の減額調整というのをやめるべきだというふうに思います。原資が自治体の税金であろうと、それから国費であろうと、子供の医療費助成制度には変わらない、充実の方向は変わらないわけなんですよね。
大臣にお伺いします。
地方創生で少子化対策に交付金の活用を奨励する一方で、自治体の努力分には国庫を減らすやり方を残していく、これでは地方創生の道とは言えないというふうに思います。制度の矛盾をお感じになりましたでしょうか。
こうした国保の減額措置、ペナルティーは行うべきではない、内閣としてこの点について是正に取り組んでいただきたいと思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。


○石破国務大臣
先ほど来の議論を拝聴させていただきました。

これは地方団体からの御要望があるということはよく承知をいたしております。現行制度の趣旨、それと同時に、国保財政にどのような影響を与えるかというこ
とは勘案をしなければなりません。そういうことも勘案をしながら、厚生労働省で引き続き御議論をされるというふうに承知をいたしております。
地方創生という観点からどうだということの問題意識を委員がお持ちでいらっしゃいますので、この点は私もよく認識をしながら、主管は厚生労働省でございますが、地方創生という観点からどうなのかという意識は私自身強く持った次第でございます。


○田村(貴)委員
それでは、ちょっとまた数字をお伺いしますけれども、今行われている国保の調整額の実績は、直近の数字でいいですので、どのぐらいになっているのか、全体と、それから乳幼児、子供の分、その他の分類があったら教えてください。


○武田政府参考人
地方単独事業に係る市町村国保の国庫負担の調整措置でございますが、平成二十四年度で申し上げますと、乳幼児で六十七・七億円、高齢者で十八・一億円、障害者で二百二十三・四億円等、全て合計いたしまして三百八十三・六億円という規模になってございます。


○田村(貴)委員
六十七億七千万円、約七十億円ですよ。これが国保の調整として自治体からまた国に吸い上げられているということです。

政治決断すべきじゃないでしょうか。冒頭述べたように、少子化、人口減対策に自治体が取り組んでいます。そして、そのかなめの施策の一つが子供医療費助成制度、無料化制度であります。住民の強い要望を受けて大きく広がっています。政府は、頑張る自治体を応援すると言っているではありませんか。ここにペナルティーをかけるんですか。多くの地方自治体や市長会などが要望している、ここにしっかりと耳を当てて聞いていただきたいというふうに思っています。
子供医療は国の責任において実施してください。それから、自治体が行う子供医療費の助成制度に対して国保の国庫負担を減額しないこと、このことを強く求めたいというふうに思います。
最後に、全国組織である女性団体、新日本婦人の会から子供医療に対するたくさんの意見が寄せられて、私の方にも寄せられています。私は福岡なので、福岡の女性の方、それからお母さんの声を最後に紹介したいと思います。
現状では大丈夫ですが、子供がふえると少しでも助成をしていただくとありがたい。ここが大事だと思うんですね。現状はいいんだけれども、やはり医療費無料制度があったら子供をもうちょっとふやせるかなという声ですね。
近くの町では中学校卒業まで医療費の助成があると聞いたけれども、一方はお金がかかって一方は無料だというのはおかしいと思う。こういう矛盾が出ていますね。同じ福岡県でも医療費負担が異なるために、一律に無料にしていただきたいという声がある。もうたくさんあります。
鳥取県はないのかと聞いたら、鳥取県の新婦人の会からも来たので、大臣、聞いてください。
完全無料化をお願いします。三人兄弟で、一人が病院にかかるとほぼ三人とも同時にかかるので、窓口負担を無料にしてほしい。窓口負担を中三まで完全無料化にしてほしい。子供の歯科、弗素は病院によって違う。さまざまな声が届いています。
ですから、今の制度のもとではやはり自治体によってバランスがとれないところもありますし、それから、今度、交付金ということで国のお金が入ってきたというところの矛盾も出てまいりました。
その辺のところをしっかり解決していただきたい、そのことを強く申し上げて、私の質問を終わります。