牛や豚などの畜舎の建築基準を緩和する畜舎などの建築・利用特例法案が4月22日の衆院本会議で可決され、参院に送付されました。日本共産党は「最低限の安全性を犠牲にする」として反対しました。
法案は、畜舎内の避難経路の確保などの計画を立て、都道府県が認定すれば建築基準法を適用せず、緩和した新基準で建築・増築できるようにするもの。
田村貴昭議員は4月21日の衆院農林水産委員会で、新基準が「震度6強から7の地震で倒壊する恐れがある強度」としていることを批判。「6強は、立って歩けないほどの揺れだ。避難経路は無意味だ」と述べ、「建築物の安全確保の思想とはかけ離れている」と批判しました。(質問動画はコチラ)
また、政府内の検討会で、建築士らが「これ以上緩和する余地はない」と繰り返したにもかかわらず、政府が無視したと指摘。「コストカット・規模拡大を促すため規制改革推進会議から出てきた法案で、結論ありきだ」「必要なのは、畜舎の安全性を確保し、人や畜産動物の命を守ることだ」と強調し、「耐震基準を後退させるのは本末転倒だ。建設費の負担に対しては、国が財政支援すべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2021年4月29日)