農林中央金庫(農林中金)を対象とする農水産業協同組合貯金保険法改正案が5月20日の衆院本会議で、賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。田村貴昭議員は同19日の衆院農林水産委員会で、農林中金の自主性を脅かし、本来のあり方から遠ざかると批判しました。(質問動画はコチラ)
法案は、JAバンクの全国機関である農林中金について、金融システムの安定にかかる国際基準に対応するため、金融危機などで混乱が生じる恐れがある場合、農水産業協同組合貯金保険機構が業務を監視し、資金貸し付けや資本増強などの措置を取るものです。
田村氏は「農林中金は本来、JA組合員の相互金融により営農と生活改善を図るものだ」と指摘。しかし、「総資産105兆円のうち、農家への貸し出しは2割にすぎず、大半が海外などの有価証券に投資されている」として、「こういう状況を招いたのは、1次産業に展望が見えないからだ」「長年続いた際限のない輸入自由化路線・競争力偏重路線の農政と表裏一体だ」と強調しました。
田村氏は「法案は自主的な協同組合金融であるはずの農林中金への政府の介入を許し、公的資金導入の仕組みを持ち込むものだ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2021年6月2日)