日本共産党の田村貴昭議員は12月22日の衆院農林水産委員会で、有明海での海苔(のり)の色落ち被害対策、軽石漂流・漂着による漁業被害対策についてただしました。(質問動画はコチラ)
有明海では、秋芽の新海苔の出荷が始まっていますが、佐賀県西部の大浦、太良の漁場では収穫・入札を断念せざるをえない事態となっています。田村氏は、海苔養殖業者から「毎年の赤潮被害で網を張りこめない状況」「先々やめざるをえない」などの声があがっていることを指摘。有明特措法第22条では赤潮等による漁業被害の救済を明記しているとして「法を適用して損失補てんしないのか」とただしました。
金子原二郎農水相は「個別の事案ごとの漁業被害の状況を踏まえ適切に対応する必要がある」として、漁業共済などで対応するとの姿勢を崩しませんでした。田村氏は、過去の収入を基準として給付額を決める共済の仕組みでは、ずっと収入が減り続けている漁業被害を救済できないとして、「特措法22条を発動すべきだ」と述べました。
さらに、田村氏は、沖縄、鹿児島で深刻な漁業被害を生んでいる軽石漂流・漂着被害について、政府は漁業共済による支援だけで何の支援メニューも示していないことを指摘。沖縄県の調査では、共済加入率が3割程度しかないこともあげ、そもそも政府は、漁業者の共済加入率をつかんでいるのかとただしました。
金子農水相は「経営体ベースの加入率は把握できていない」などと答弁。田村氏は「不漁・漁獲減とは全く性質が違う災害だ。漁業者は漁に出られない漁民への休業補償を求めている」と述べ、政府による支援策の検討を求めました。(しんぶん赤旗 2021年12月26日)