日本共産党の田村貴昭議員は2月21日の衆院財務金融委員会で、資源エネルギー庁がインボイス(適格請求書)制度の導入で大手電力会社などに発生する損失を、電気料金の値上げで穴埋めする問題をただし、その額は同制度にともなう「経過措置」がなくなる7年後以降、年間580億円にも上ることを明らかにしました。(質問動画はコチラ)
電力会社が再生エネルギー電力を固定価格で買い取る制度(FIT)では、買い手の電力会社と売り手の再エネ業者が取引します。インボイスが導入されれば、売り手が免税業者の場合は仕入れ税額控除ができなくなり、電力会社に損失が発生することになります。
同庁の井上博雄省エネ・再エネ部長は17日の同委員会で、損失の補てん額が「2023年度は58億円」と答弁。田村氏はこの金額に言及し、23年度分はインボイス導入の10月から翌年4月の半年間のみで、1年に換算すると116億円だと指摘しました。
さらに、制度導入から6年間は免税業者からの仕入れ額の5~8割を控除する経過措置があるため、「7年後には、同じ条件ならば580億円程度の補てんが必要だ」と強調。「これだけの国民負担が生じる。しかもFIT制度だけこういう特例が与えられる。国民は納得しない」と追及しました。
鈴木俊一財務相は「それぞれ担当する省庁において対応策が考えられていくのだと思う」などと述べました。(しんぶん赤旗 2023年2月22日)