日本共産党の田村貴昭議員は5月10日の衆院農林水産委員会で、諫早湾干拓事業の影響による有明海西南部のノリ養殖不作への対策として、水質改善と被害補償、開門調査を強く要求しました。(質問動画はコチラ)
田村氏は、赤潮で真っ赤になったノリ養殖場の写真を示し、「私の要求に応じて水産庁が現地(佐賀県鹿島市)の漁業者に聞き取りに行ったそうだが、対策をどうするのか」と質問。神谷崇水産庁長官は「(水質改善効果のある)カキ礁の造成、海底耕うんを行う」と答弁しました。
田村氏は「カキをつるし海底を耕うんすることは、長年ずっとやっている。有明海のノリ漁場では、将来に展望が持てず、廃業が続出している。本当に効果がある対策になるのかが問われる」と指摘。「水産庁の聞き取りはたった30分で終わったと現地から聞いた。(干拓地からの)汚水の排水をもっとこまめにやってほしいなどの現地の要望にしっかり耳を傾けるべきだ」と主張しました。
田村氏は「水産業の活性化を言うなら、廃業の危機にあるノリ漁業者に対して(漁業被害の補償を規定している)有明海特措法22条による損失補償を行い、潮受け堤防の開門調査をすべきだ」と迫りましたが、野村哲郎農水相は「今のところ漁業者は何とかやっていけている」と拒否しました。(しんぶん赤旗)