大軍拡 国民は拒否 財源法案 衆院を通過/自公強行 田村衆院議員が反対討論

5年間で43兆円にもおよぶ大軍拡を進めるため「防衛力強化資金」を創設する軍拡財源法案が5月23日、衆院本会議で、自民、公明両党などの賛成で可決されました。日本共産党の田村貴昭議員は反対討論に立ち「大軍拡のために現在と将来の国民に新たな負担を押し付けることは絶対に認められない」と主張。立憲民主党、れいわ新選組も反対。採決日程に協力していた日本維新の会、国民民主党も反対しました。同日、国会前では「総がかり行動実行委員会」などの団体が、同法廃案を求める緊急行動に取り組みました。43兆円の大軍拡には、世論調査(共同)で約6割が反対するなど、国民の多くは拒否しています。法案の参院での審議は24日から始まります。

反対討論に立ち田村貴昭衆院議員=5月23日、衆院本会議  (1) 日本共産党の田村貴昭議員は衆院本会議での討論で「憲法9条を踏みにじり、国民の命を危険にさらす大軍拡を認められない」と強調。違憲の敵基地攻撃能力は、米国の先制攻撃戦略「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」に基づき、米国の指揮統制下で運用されると指摘し、「米国の戦略につき従い、米軍の矛の役割まで肩代わりし、日本に戦火を呼び込む危険な大軍拡計画は撤回すべきだ」と迫りました。 反対討論全文はコチラ 質問動画はコチラ
 
 また、同法案で「防衛力強化資金」に流用する国立病院機構などの積立金は「施設の改善や医療従事者の待遇改善に使うべきで、軍事費流用は認められない」と強調しました。
 
 東日本大震災の復興財源の軍事費転用に関し、被災者から批判が巻き起こっていると指摘。世論調査で「防衛増税」を「支持しない」が8割に上っており、「国民の暮らしを追いつめる大軍拡・大増税はやめるべきだ」と迫りました。
 
 また、戦後初めて自衛隊艦船などのための建設国債発行に踏み切ったと指摘。「防衛力強化資金」は軍事費を無期限にためこみ活用する仕組みで、第2次世界大戦中、戦争終結まで一度も決算せずに軍事費膨張の原因となった「臨時軍事費特別会計をほうふつとさせる」と述べ、「侵略戦争のために国の財政と国民生活を破綻させた痛苦の歴史を思い起こすべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2023年5月24日)