自給率向上 投げ出す 農業基本法改定案 田村貴昭議員が追及

3月26日 衆院本会議 (1) 農政の基本方針を定める食料・農業・農村基本法改定案が26日の衆院本会議で審議入りしました。
 
 日本共産党の田村貴昭議員は質疑で、自民党政権が米国の余剰農産物を受け入れ輸入自由化を進め食料自給率を1965年の73%から38%に落ち込ませた自民党農政の責任を厳しく批判。改定案で「食料自給率の目標」を「食料安全保障の動向に関する事項」に変え、「安定的な輸入を確保する」との条文を新設したのは、食料自給率向上の投げ出しだと指摘し、食料自給率に一言も触れない岸田文雄首相の姿勢を追及しました。岸田首相は「食料自給率単独では評価できない」などと居直りました。質問動画はコチラ) (質問要旨はコチラ
 
 「安全でおいしい食料を日本の大地から」―。田村氏は「これは農家だけではなく、国民の願いだ。そのためには、農家が農業で暮らしていける収入がなくてはならない」と強調。2022年の畑作経営の平均年収が補助金を入れても223万円、稲作経営の平均年収が1万円、酪農は年間49万円の赤字だと指摘し「この事態の抜本的な改善なくして農業と農村の再生はない」と強調。価格保障や所得補償を抜本的に充実し、政府の責務で基本法に明記すべきだと主張しました。
 
 田村氏は、「経営形態を問わず農村で暮らせる所得を国が保障することが必要だ」と強調。農業予算の抜本的拡充を求めました。
 
 改定案と同時に、提出された「食料供給困難事態対策法案」は「有事の際に農家に芋などを作ることを罰則で義務付ける異常なものだ。1941年につくられた国家総動員法に基づく農地作付統制令・臨時農地等管理令にうり二つだ」と指摘し、撤回を求めました。(質問要旨4面)(しんぶん赤旗 2024年3月27日)