農業基本法改定案 自給率向上 明記せよ 田村貴昭氏が追及

4月2日 農水委① 日本共産党の田村貴昭議員は4月2日の衆院農林水産委員会で、食料・農業・農村基本法改定案の質疑に立ち、政府が食料自給率の向上を投げ出していると批判しました。(質問動画はコチラ)
 
 田村氏は、生産者や消費者から今回の改定で自給率向上の転機にとの期待の声が高まっていると強調。現行の食料自給率38%を引き上げるのかと迫ると坂本哲志農水相は消費面での変化が食料自給率低下の要因だとし、「食料自給率が確実に上がると言い切るのは困難だ」と強弁。田村氏が、自民党は2022年の参院選公約で、食料の安定供給の確保を国家の最重要責務とし、食料自給率向上に努めると掲げていたと迫りましたが、坂本農水相は食料自給率の向上を明言しませんでした。政府は改定案15条で「食料自給率」を「食料安全保障の動向に関する指標」に格下げしており、田村氏は「食料自給率の向上を投げ出しているではないか」と指摘。「自給率を高めると国民に宣言し、文言を法文に明記することが法改定の一丁目一番地だ」と求めました。
 
 さらに田村氏は、同法案に国連食糧農業機関(FAO)の定義である「栄養ある食料を入手するため合法的、政治的、経済的社会的な権利」を導入していながら、食料を「国民一人一人が入手できる状態」を「権利」として同法案に規定していないのはなぜかと追及。農水省の杉中淳総括審議官は「国や関係者が行うべき取り組みを示したものだ」などと述べ「権利」と明言しませんでした。
 
 田村氏は、FAOの定義を盛り込んだとしながら権利としないのは「矛盾している」と批判し、権利として規定するよう求めました。(しんぶん赤旗 2024年4月3日)