日本共産党の田村貴昭議員は4月10日の衆院財務金融委員会で、戦前の日本銀行の金融緩和政策が「財政ファイナンス(政府の財政赤字の穴埋め)」となって軍拡の道を開いたことへの認識を植田和男総裁にただしました。(質問動画はこちら)
植田氏は日銀が現在発行済みの国債の約50%を保有しているにもかかわらず、現行金融政策は「国債を引き受けていない」「財政ファイナンスでない」と否定。田村氏は、植田氏が過去に「中央銀行は一般に考えられているよりずっと弱い存在である。政治からの強い財政ファイナンス(赤字の穴埋め)圧力にはっきり抵抗できたケースはまれ」(「日経」2013年12月12日付)と述べていたことを挙げ、「政府や政治家からの圧力が今後あった場合、屈することはないと断言できるか」と追及しました。
植田氏は「過去に政府からの圧力で物価安定の重きを犠牲にした中央銀行があったのは歴史的事実だ」と認めつつ「今は圧力はない」と否定しました。
田村氏は、岸田政権は戦前のように大量の国債発行をあてにした軍事費の倍増計画を進めていると強調。防衛省の有識者会議が「為替変動、物価高、人件費の上昇が、装備品調達へ与える影響等も考えていくべき」とさらなる軍事費拡大を促しており、「国債引き受けでいったん規律を失うとどんどん圧力が高まる。戦前のような事例がすでに起こっている」と指摘しました。(しんぶん赤旗 2024年4月11日)