日本共産党の田村貴昭議員は4月17日の衆院農林水産委員会で、食料・農業・農村基本法改定案の根本問題をただし、食料自給率向上に向け、政府が本気で目標達成に取り組むよう迫りました。
同改定案は、現行法で唯一の目標としてきた「食料自給率の向上」を投げ出し、「食料安全保障の確保に関する事項の目標」の一つに格下げするもの。田村氏は、1965年の73%から38%まで低下した食料自給率の具体的な数値目標をただしましたが、岸田文雄首相は「適切な目標を設定すべく議論を進める」としか答えませんでした。(質問動画はコチラ)
田村氏は、4日の参考人質疑で安藤光義東大教授が「食料自給率の低下は1961年の農業基本法下で米国の農産物を輸入したことが原因だ」と発言したと指摘。自民党政権はその後も次々に輸入自由化を行ったとして、「輸入依存からの脱却を目指すのであれば、こうした輸入自由化路線、わけても米国の食料戦略への追従を見直さなければならない」と述べました。
改定案は依然として兼業農家や自給的農家を農業の担い手と位置付けていません。田村氏は2010~20年に全体の経営体数が約3分の2に減少した中で、耕地面積は専業農家で変わらず、兼業農家で約145万ヘクタールから約110万ヘクタールに減少した実態を指摘。「農地の大規模化が進む一方で、兼業農家が離農した土地を専業農家が吸収しきれていない」「兼業農家はもとより、専業農家であっても農地を支えられないところにきている」とただしました。
坂本哲志農水相は「担い手以外の多様な農業者についても生産を通じ(農地の)保全管理を行うことは重要だ」と答弁。田村氏は「兼業農家や自給的農家なども担い手と位置付け、小規模農家が成り立つよう政府が財政措置を行うべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2024年4月18日)