日本共産党の田村貴昭議員は5月15日の衆院農林水産委員会で、輸入途絶などの不足の事態に際し罰則付きで農家に農産物の転換や増産を迫る食料供給困難事態対策法案について、平時の食料確保の施策こそが重要だと迫りました。(質問動画はコチラ)
田村氏は、9日の参考人質疑での平沢明彦農林中金総合研究所理事研究員が「(農業の担い手を増やすには)国境を開く以上、所得で補填(ほてん)していくしかない」と述べたと紹介。「政府として、経営が維持できる水準の直接支援が必要だ」として、「これこそ大臣が主張する『平素の施策の充実』ではないか」とただしました。坂本哲志農水相は「農業の持続には農業者の所得の確保が必要」としつつも、「生産性の向上や付加価値の高い農産物生産で収益性の高い農業を実現していく」と答弁。穀類の収益性の低下については答えられませんでした。
また田村氏は、田代洋一横浜国立大名誉教授が水田作の労務費がマイナスとなっているデータを示したと紹介。「平時に農業所得が確保されずに離農が進む中、不測時の生産促進などが本当にできるのか」と法案の矛盾を突きました。
田村氏は「食料供給困難事態には(既存の)緊急事態食料安全保障指針で対応できる」と指摘。「まず先んじるのは農家への命令でなく、自給率の向上を高く掲げ、国産増産を急ぐことだ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2024年5月16日)