日本共産党の田村貴昭議員は11月19日の衆院厚生労働委員会で、2013~15年にわたる国の生活保護基準の大幅引き下げを違法とした最高裁判決の対応について、原告らに直接謝罪し、利用者全員の減額分を全額補償するよう求めました。(質問動画はコチラ)
田村氏は、最高裁は当時の厚労相の判断の過程・手続きに過誤、欠落があると断じたと指摘。「最低限度の生活の需要を満たせない状況を強いられてきた原告と被害を受けた人たちに直接会っておわびすべきだ」と訴えました。
厚労省の専門委員会が17日にとりまとめた報告書案は、原告には全額支給し、原告以外の利用者には別方法で引き下げ、差額を支払う案や、全利用者に再度減額改定する案など複数の見解を併記しました。
田村氏は、新たな減額改定をすれば、原告団は再度訴訟も辞さない構えで、再び違法と判断される可能性も高いと指摘。「紛争の蒸し返しを想定しているのか。それでは解決には至らない。減額改定して支給する案を採用すべきではない」と求めました。上野賢一郎厚労相は報告書案で再度改定することは生活保護法第8条第2項の規定に沿うとされているとして、採用しないとは明言しませんでした。
田村氏は、敗訴当事者の厚労省が基本合意への協議を求めていた勝訴当事者を無視し、一方的に専門委員会を設けて蒸し返しの議論を行い、減額改定案を出したことは「最高裁判決を踏みにじるものだ」と批判。「減額分を全額補償すべきだ」と強く求めました。(しんぶん赤旗 2025年11月20日)