○田村(貴)委員
日本共産党の田村貴昭でございます。
初質問です。よろしくお願いします。
二〇一四年度補正予算案、そして政府の緊急経済対策の目玉政策の一つの地方向けの交付金、地域住民生活等緊急支援のための交付金について質問をいたします。
この交付金は二つの型があります。その目的について、創生本部の説明資料によれば、まず、地域消費喚起・生活支援型二千五百億円については、「地方公共団体が実施する、地域における消費喚起策やこれに直接効果を有する生活支援策に対し、国が支援」とされています。もう一つの、地方創生先行型千七百億円については、「地方公共団体による地方版総合戦略の早期かつ有効な策定と、これに関する優良施策等の実施に対し、国が支援」とされています。
最初に、地域消費喚起・生活支援型について伺います。
例示メニューの一つとして、低所得者向け灯油等購入助成が挙げられています。灯油購入費の助成は、各地の自治体が、ぬくもり助成金、老人家庭等福祉灯油代支給事業、福祉灯油見舞金等々の名目で、自治体の独自の努力で行われています。
総務省に伺います。
総務省は、この間、原油高騰にかかわる特別交付税措置を行っていますが、その年度について及びその算定額の実績について説明をお願いします。
○佐藤政府参考人
総務省におきましては、平成十九年度、二十年度、二十五年度に、生活困窮者に対する灯油購入費等の助成など、地方団体が実施する原油価格高騰対策に要する経費について特別交付税措置を講じております。これは、地方団体が支出した額の二分の一を特別交付税で措置するということにしております。
各年度の算定額は、平成十九年度は三十六億三千二百万円、平成二十年度は八十一億三千七百万円、二十五年度は十億九千百万円となっております。
○田村(貴)委員
答弁にありましたけれども、二〇一三年度、平成二十五年度の特別交付税は、都道府県分それから市町村分を合わせて十億九千百万円とのことでありました。
では、この二〇一三年度でもいいんですけれども、四十七都道府県では何件となっていますか。教えてください。
○佐藤政府参考人
道府県は二十一団体でございます。
○田村(貴)委員
自治体の灯油購入助成に対しては、原油高騰時の各三年度において国による特別交付税が措置されました。今、二〇一四年度もされるということの話でありますけれども、残念ながら、この特別交付税は一定の基準にならないと措置をされません。つく年とつかない年があるわけです。一方、灯油を必要とする人が、この年は灯油を買わなくていいなんて年はないわけなんです。
高市総務大臣にお伺いします。
低所得者等を対象とした灯油購入助成を行う自治体にとって、安定した財政支援がない今の現状をどのように受けとめておられるでしょうか。
○高市国務大臣
原油価格に対応する形で、先ほど財政局長からお答えしたとおり、平成十九年、二十年、二十五年度、生活困窮者に対する灯油購入費助成などの対応をしたわけです。特別交付税措置を講じました。
また、平成二十六年度におきましても、やはり地方への好循環拡大に向けた経済対策の一環として、原油価格により影響を受けている生活者や事業者を支援するために、地方公共団体が実施する原油価格対策に対しまして特別交付税措置を講じることとしています。
従来から、この原油価格対策につきましては、原油価格高騰に伴って生活者等に与える影響が大きくなってきた際に措置を講じてきたところですので、今後とも、やはり原油価格の動向ですとか、それからその価格が生活者等へ与える影響などを踏まえて、その必要性を検討すべきだと思っております。恒久的なものということではなく、動向を見ながらということになります。
○田村(貴)委員
原油高騰云々があるんですけれども、灯油の価格自体が高いという問題をちょっとお話ししたいと思うんです。
価格が少し下がったとはいえ、灯油は非常に高い。とりわけ、生活困窮者にとっていかに厳しい負担になっているか。私の地元の福岡県で、灯油の価格と生活困窮者の状況を少しお伺いしました。
十八リットル、一缶で大体千五百円から千七百円。これに配達料が加えられ、二百円から三百円上乗せされる。一缶を買うのに二千円は覚悟をしなければならない地域もあります。まさに、二の足を踏む価格であります。
年金暮らしのお年寄りは、唯一の収入を年々削減されている。医療や介護の負担はふえるばかりである。しかも、今政府は、来年度から生活保護費のこの冬季加算を削減しようとしているわけであります。
社会保障の問題は別の機会で述べるとしても、政府が今回、交付金活用の例示メニューとして自治体の灯油購入助成の支援をしようとするのであれば、安定的、恒常的な財政支援を措置すべきではありませんか。
高市大臣に再度お伺いします。
地方は安定的な財源を求めています。住民の暮らしを守るため、そして地方自治体の努力を応援する立場から、検討をされるべきではありませんか。お願いします。
○高市国務大臣
灯油は必要なものでございますけれども、そのほかにもやはり生活者にとっての安心を確保するために必要な物資というものはたくさんございます。
特にこれは、原油価格の動向を見ながら、そしてまた、今は下がっておりますけれども、それが反映されるに当たりましてタイムラグもございますので、灯油、ガソリン、それから、みずから農業や漁業を営んでいる方々の燃油、いろいろなところで影響が出てくるものでございます。
これはやはり原油価格の動向を見ながら、そしてまた実際に使うものへの反映を見ながら措置をしていくべきものであり、そのほかにも生活必需品というのはたくさんあるわけでございますから、殊さら灯油にだけ必ず恒常的にお金をつけるといった種類のものでもないと考えております。
○田村(貴)委員
大臣、今、外の気温は一度です。きょうは雪も降っています。全国的に本当にきょうは寒い一日であります。こういうときに、やはり灯油は命綱であるということをぜひ御認識していただきたいと思うんです。
福岡県の二級地の二という地域の生活保護者からの訴えを私は伺ってきたんですけれども、今の冬季の加算では灯油一缶しか買えない。冬季の加算が二千六百三十円。先ほど言いました一缶二千円は確保しなければならないので、一缶しか買えない。せめて一月に三缶は必要だ、最低でも三缶の福祉灯油を支給していただければ少しでも生活が楽になる、こういう訴えであります。
要保護者を冬季加算の打ち切りをもって不安に駆り立てている現状があります。真冬でも極力ストーブは使わずに、重ね着に重ね着で暖をとって、そして、日中は商業施設やあるいは公共施設で過ごしておられる方もおられます。夜は布団に入ったまま、まさに爪に火をともすような暮らしをされている、そういう人々がいます。そういうお年寄りや生活困窮者に対してやはり思いをはせるべきではないでしょうか。だからこそ、今自治体が財源を求めて頑張っているわけであります。
生活困窮者にとって、越冬対策は命そして健康にかかわる毎年の課題であります。今年度の補正計上で終わらせてはなりません。恒常的な財政措置を行うことを強く求めて、次の質問に入りたいと思います。
今、全国で住宅リフォーム助成制度を導入する自治体がふえています。住民の住宅等のリフォームに要する費用の一部を自治体が補助するものですが、住民の暮らしを応
援するものと同時に、地域の建設業者の仕事興しに大変大きな成果を上げています。まさに、地域消費の喚起と生活支援を両立させる制度であります。
きょうは、内閣府の平副大臣にお越しをいただいております。
そこで、お聞きしますけれども、この住宅リフォーム助成制度は、地域消費喚起・生活支援型の交付金として適用となりますでしょうか。
○平副大臣
お答え申し上げます。
本交付金は、各地域のニーズや生活事情に合わせた事業に設定をできるということでございますので、最大限の効果を得ることができる仕組みになっております。
住宅リフォームは、今回の交付金は消費に直接効くような形に特化をしたいと思っておりますが、消費喚起効果が高ければ、それは対象にすること自体は差し支えはありません。
ただ一方で、リフォームとなると一件当たりの金額が高くなりますので、広く薄く消費を喚起するということにはなりにくいので、そこは制度設計に工夫が要るかと思います。
○田村(貴)委員
重ねて平副大臣にお聞きしますけれども、既に住宅リフォーム助成制度を取り入れている自治体が、補助額を引き上げたり、戸建ての住宅に加えて商店等のリフォームに上乗せを図るなどの拡充をし、この交付金を活用したいとする場合も、これも当然交付対象となるでしょうか。
○平副大臣
繰り返しになりますが、この交付金は、消費に着目をしている、もっと言えば、消費者に着目をしている、目的とした事業でございますので、したがって、今御指摘の事業用資産となる建造物のリフォームについては、交付対象としては想定をしておりません。
○田村(貴)委員
ある自治体では、交付申請のその日にもう既に予算枠を使うような希望者が殺到したということでありますから、消費を喚起することは間違いないです。
その住宅リフォーム助成制度でいいますと、新規で立ち上げる場合、それから上乗せ、拡充ではちょっと条件がついていますけれども、適用になるとの話もありました。
そこで、例示メニューについて、その周知について伺いたいと思います。
今取り上げた住宅リフォーム助成制度、全国自治体の三分の一を超える六百以上の自治体で導入されています。経済波及効果、これは助成額に対する工事額なんですけれども、十倍から二十五倍、まさに経済波及効果がある制度であります。交付金の活用対象となり得るとの立場でありますので、これもメニュー例の一つに加えて周知を図っていただきたいというふうに思います。
なぜそれを言うかといいますと、各自治体にとっては、この交付金で一体どういう事業ができるのかよくわからないし、ぜひとも知りたいところではないかなというふうに思うからであります。こういう交付の例が紹介されているんですけれども、プレミアムつき商品券、丁寧に説明があります。しかし、その例は本当に十にも満たないということで、非常に少ないです。
今、政府におかれては、地方自治体とずっと合い議をされている。まち・ひと・しごと創生本部が自治体とやりとりをして、そこで、これはいいですよ、これならオーケーだとなり得る事業については積極的に例示メニューに加えて、そしてとりわけ頭を悩ませている市町村などにお示しされることがいいかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○平副大臣
先ほど逢坂委員からの質問にもお答えをしたんですが、このメニュー例は、国としてもさまざまなサポート体制を整備しているところでございまして、このメニュー例で自治体がやりたいといったときには我々がサポートをする体制をとっているところでございます。
先ほどのリフォームの例も、否定はしませんが、一件当たりの金額がかなり高くなるだろう。そうすると、広く消費を喚起するといったところでやはり工夫が要るんだと思います。
ですから、大変これはいい事例だということになれば、周知をすることは一生懸命したいと思います。しかし、メニュー例として、我々がサポート体制まで整えて直ちにメニュー例に入れるということは、現時点では考えておりません。
○田村(貴)委員
先ほどの例でいいますと、制度設計をして、そしてこれならいけるというふうになったら、ぜひメニュー例に加えていただきたいというふうに思います。
自治体にとっては、先ほども議論がありました、大変短い期間に作業をしなければならないわけであります。地方の意向を尊重した丁寧な対応が必要だと考えます。
ある自治体の市長さんから直接お話をお伺いいたしました。今回の交付金の手続について、こうおっしゃるわけです。新規の事業を組みたいのだけれども、補正予算に計上した方がいいのか、新年度予算に上げた方がいいのか、それなら足らない部分を起債すべきかどうなのか、実施計画の提出期限は迫っているし、一体どうしたものかと大変頭を抱えておられました。今月、年明けの九日に概要説明会が開かれたばかりなのに、二月の第一週には事前の実施計画を提出して、国と協議をしなければなりません。
この市長さんのほかにも、提出期間が短過ぎる、広く意見を聞く余裕がない、こういう声が上がっています。こういう日程では、結局、プレミアムつき商品券やふるさと名物商品券、旅行券といったところに走らざるを得ないのではないかな、そういう懸念を持っています。
平副大臣、地方公共団体が目的にかなう施策を実施できるというのであれば、国が示すメニューにとらわれない、そして、計画の提出、事前相談、交付決定に至るまで住民と自治体の発意を最大限に尊重する、そういう国のスタンスが今求められているのではないかと考えます。いかがでしょうか。
○平副大臣
交付金については、先ほど委員も御指摘をされましたが、二種類ありまして、地域消費喚起・生活支援型と地方創生先行型です。
地方創生については、本番は平成二十七年です、総合戦略をつくるのは。ですから、その総合戦略をつくるための支援をしましょうということになっています。
一方で、今御指摘のところは消費喚起のところかと思いますが、これも、やはり消費を下支えしなければいけないという緊急性に鑑みてこのたび補正予算でつけたところでございますので、日程はタイトでありますが、ぜひ、我々もしっかり
サポートをいたしますので、御協力をいただきたいと思います。
○田村(貴)委員
緊急経済対策だからといって、拙速にならないこと、画一的なものにならないこと、私はそういうふうに考えます。
次の質問に移ります。
内閣府地方創生推進室に伺いますけれども、今度の交付金の額、これは各自治体に内示をされているのでしょうか。
○末宗政府参考人
お答えいたします。
内示という行為ではございませんけれども、先ほど来副大臣からも答弁しておりますように、今回、消費喚起、あるいは地方創生に緊急に取り組むという観点から、補正の早期執行の必要性ということで、また、地方団体からも早期の情報提供の御要望がございます。そのようなことから、それぞれ個別の団体に、地方団体の予算の作業の参考ということでの試算額という形でお示しをしております。
○田村(貴)委員
試算額、内示という表現、どちらでもいいんですけれども、それは、都道府県はもとより、全ての市町村に対して試算額が内示されたということでよろしいんでしょうか。
○末宗政府参考人
お答えいたします。
今回の交付金、都道府県と市町村がそれぞれ対象になってございますので、それぞれ個別にお示しをさせていただいております。
○田村(貴)委員
その内示額は、地方消費喚起、生活支援型と地方創生先行型の両方の金額を示しているわけですか。
○末宗政府参考人
両方でございます。
○田村(貴)委員
わからないところが一つあるんです。地方創生先行型は基礎交付分千四百億円と上乗せ交付分三百億円に分かれていますが、地域先行型の三百億円はこの中に含まれているんでしょうか。
○末宗政府参考人
お答えいたします。
地方創生先行型の総額で申し上げますと、全体で千七百億円でございますが、今回は、そのうちの基礎交付分一千四百億円分についてお示しをしているところでございます。
○田村(貴)委員
地方創生先行型の千七百億円のうち、基礎交付分の千四百億円は申請した全ての自治体に交付をされるけれども、残りの上乗せ部分三百億円については一部の自治体にしか交付をされないという理解で正確でしょうか。
○末宗政府参考人
お答えいたします。
基礎交付分につきましては、地方版総合戦略を策定していただくことを前提に交付することを考えてございます。
それから、上乗せ交付分につきましては、先ほど副大臣からも御答弁申し上げましたように、ベストプラクティス、横展開に相当するようなものを対象と考えておりますので、その中身を見てということになろうかと思います。
○田村(貴)委員
結局、その上乗せの三百億円というのは、全ての自治体に交付をされないんですよね。
なぜ配分されないのか。それは、配分に傾斜をつけるからであります。国が示した交付の考え方では、一、政策五原則等から見た事業等の内容、二、地方版総合戦略の策定状況といった条件があるわけです。つまり、国がいわば査定をして配分に傾斜をつけるやり方なんですよね。これでは国の施策を地方に押しつけるものと言わざるを得ません。
全国知事会長の山田啓二京都府知事は、八日の会見でこう述べておられます。国の役人が見て、それがいいかどうかなんて判断できるなら誰も苦労しない、今回の交付金の問題について、国が査定をして、国が思うような芸をしたところにお金を上げるみたいな話は、一番地方にとっては変な形だ、我々の工夫をしっかり見守ってほしいとこれからも言っていかなければならないと。
自治体のトップから、知事会の会長からこういう懸念の声が上がっていることについて、当然の声だと思います。平副大臣、この声について率直にどう受けとめておられますか。
○平副大臣
山田知事、私の前では非常に評価をいただいております。
傾斜配分はけしからぬという、競争が嫌いな共産党の主義主張かもしれませんが、ベストプラクティスをつくるということは、地方創生のイメージが湧く、そういう成功事例を見て、みんなが切磋琢磨をするという意味では、これは必要だと思います。別に恣意的に選ぼうとは思っていません。政策の五原則、もしくは先行事例などをよく見ながら、有識者も入れて、しっかりと選定をしていきたいと思っております。
○田村(貴)委員
知事会の会長が会見という場でこういうふうに述べておられるわけですよね。やはり重く受けとめていただきたいというふうに思っています。
なぜ地方創生を言い、地方創生をしなければならないのか。大事なことは、政府の地方政策をよく検証すること、これが今求められていると思います。平成の大合併、三位一体の改革によって、多くの自治体が深刻な財政不足に陥りました。または自治体が大きくなり過ぎて、住民自治の機能が大きく後退しています。こうした地方の実情をしっかり分析し、地方自治の力を発揮して、自主的な施策を育てる必要があります。
三百億円のこの先行型の上乗せ交付のやり方は、私は認められません。政府が定めた基準によりふるいにかける、傾斜をつけるやり方は、やはりおかしいと言わなければなりません。
今後の地方自治に大きくかかわることだけに、ここは高市大臣の御所見も伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○桝屋委員長
時間が参っております。簡略に。
○高市国務大臣
内閣府におかれましては、別に、地方自治体に具体的なことを強制するような施策ではないという答弁ですので、しっかりとその趣旨が生かされるように、地方の創意工夫を酌み取って実施していただきたいと思います。
総務省におきましても、地方が自主性、主体性を最大限発揮するために、使途の自由な一般財源により財政措置を講じることが重要だと考えております。
○田村(貴)委員
使いやすい交付金であることを心から要請して、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。