日本共産党の田村貴昭議員は8月27日の衆院総務委員会で、都道府県が負担してきた小中学校、特別支援学校などの教職員給与が2017年度をめどに政令市に移譲される問題で、「財源不足を理由に、何の落ち度もない現場の教員、とりわけ非正規(雇用)の教員の給与が引き下げられることが絶対にないよう力を尽くしてほしい」と求めました。
田村氏が問題視したのは、県と市の給与条件の差が大きい場合に、低い方に合わせるとかなりの不利益変更になってしまう点です。なかには、公立小中学校の常勤講師(フルタイムで働く非正規雇用の教員)の賃金が最大月10万円も下がる政令市もあります。
田村氏は「労働条件の改悪をよしとするのか」と追及しました。文科省の藤原章夫大臣官房審議官は「義務教育の実施に影響が及ぼされることがないよう的確に対応したい」と答えました。
田村氏は「(待遇の改悪で)家族がいる人は生活できなくなる。辞める人や他市へ勤務先を変える人が出てくれば、学校現場も混乱する。子どもたちの教育条件が低下することがあってはならない」と強調。政令指定都市市長会と同議長会も「教育行政水準を維持」する財政措置を求めていることに言及し、この声をしっかりと受け止めるべきだと主張しました。
(しんぶん赤旗 2015年9月3日)