○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
議題となっております郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部改正案について、質問を行います。
特定信書便役務のうち、大型信書便サービス、一号役務、三辺の計が九十センチから七十センチに緩和されるという提案であります。高付加価値サービス、三号役務では、料金の額を一通一千円超から一通八百円超へと緩和する提案であります。
ユニバーサルサービス、日本郵便への影響は、大型信書便サービスが十九億円、高付加価値サービスが七十一億円と試算され、軽微であると説明を受けました。
そこで、伺います。
何をもって軽微と言われるのか、その根拠について御説明をいただきたいと思います。
○武田政府参考人 お答え申し上げます。
今回の特定信書便事業の拡大範囲において日本郵便が得ている収入は、御指摘の約八十九億円でございます。これは、郵便収入全体の約〇・七%にとどまっております。
また、現に参入している特定信書便事業者は、日本郵便が提供していないような高付加価値のサービスも現に提供しておるわけでございますが、こういった特定信書便事業者からも、今回の規制緩和を機に、新たな需要の掘り起こしに取り組むという意向も示されております。
したがいまして、必ずしも、この八十九億円、日本郵便の現在の収入がそのまま特定信書便事業者に移行することにはならないと考えておりまして、そういったことを総合的に考慮いたしまして、今回この改正案、郵便のユニバーサルサービスの提供確保には影響はないというふうに判断した次第でございます。
○田村(貴)委員 大型信書便サービスの七十三センチ超のサイズの信書便というのは、一体どういったものを想定しておられるんでしょうか。事業者からはどうした形態の要望が今寄せられているんでしょうか。説明をいただきたいと思います。
○武田政府参考人 お答えいたします。
三辺合計七十三センチ超まで業務範囲が拡大した場合でございますが、A3サイズ、これはちょうど七十三センチ超でございまして、この信書を折らずに封入した封筒を信書便物として送付できるようになるということで、より幅広いサービスが可能になるということが見込まれております。
関係事業者団体からは、これまで提供されていないような創意工夫を凝らしたサービスの開発に取り組み、需要の新規創出、掘り起こしに取り組んでいきたいという意見を伺っておりまして、現在、外部有識者による研究会で検討が進められていると承知しております。
○田村(貴)委員 いまいちイメージがよくわからないんですけれども。
日本郵便は、この法改正についてどのような意見をお持ちでしょうか。情報通信審議会の検討に際してのパブリックコメントで懸念を表明されておられましたけれども、ここでも述べていただきたいと思います。
○壺井参考人 お答えいたします。
日本郵便といたしましては、情報通信審議会の意見募集に対しまして、二〇一四年十一月、意見を提出させていただいたところでございます。
全体として縮小傾向にある郵便・信書便市場の活性化を図るためにも、政府において、特定信書便事業の領域を拡大するのみならず、郵便の利用促進にも寄与するような施策を打ち出していただくとともに、郵便のユニバーサルサービスの維持及び郵便・信書便市場全体の発展に資するような環境整備をぜひとも進めていただきたいと申し上げたところでございます。
また、情報通信審議会において議論されている郵政事業のユニバーサルサービスの確保方策について、今回の特定信書便の業務範囲の見直しによる日本郵便への影響についても十分御配慮いただきたいと要望させていただいているところでございます。
以上でございます。
○田村(貴)委員 特定の受取人宛てのダイレクトメールなどの信書が同封される、そういう可能性もあるというふうにもパブリックコメントで載っていたわけなんですけれども、もう少し詳しく、この緩和について懸念される日本郵政の意見を聞かせていただけますか。
○壺井参考人 お答えいたします。
今御指摘の点につきましては、一号役務の拡大による影響につきましての項目かと思います。
現在の三辺計七十三センチメートル超の郵便物の収入額に基づいた影響額は十九億円と推計されていますが、三辺計九十センチ超とする現行基準のもとでも一部行われているように、基準を最低限満たす大きさの封筒より小さいサイズの信書を封入したものを引き受けるというサービスが提供されているところ、基準が三辺計七十三センチ超まで緩和されますと、かかるサービスの提供がさらに拡大することが考えられること、また、三辺計七十三センチメートル超の宅配便やメール便といった荷物の内容品として、特定の受取人宛てダイレクトメールなどの信書を封入することが可能となることを考慮すると、影響額は十九億円にとどまらない可能性もありますという点を触れさせていただいております。
○田村(貴)委員 加えて、三号役務についてはどうでしょうか。イコールフッティングが確保されないという部分についても説明いただきたいと思います。
○壺井参考人 お答えいたします。
三号役務の拡大による影響といたしまして、その対象は、電報類似サービスや高セキュリティーの配送サービスなどの高付加価値のサービスでございます。したがって、弊社としましても将来的に成長する可能性のある分野と考えていますが、一号役務と同様に、特定信書便事業者は、地域を限定した事業展開や個別の顧客との相対料金の設定が引き続き可能であるなど、競争上のイコールフッティングが確保されないまま規制が緩和されることについては、改めてその趣旨を明確に御説明いただくべきだと考えますということを申し述べさせていただきました。
○田村(貴)委員 わかりました。
二つの提案に対しては、日本郵便の方からもこうした懸念が表明されています。
大型信書便サービスの、七十三センチ超というサービスの提供なんですけれども、私、ここにちょっと袋を持ってまいりました。
A3サイズの信書便への緩和ということで、これがA3の紙ですね。この紙が入る紙袋、市販されているもの、たくさんあるんですけれども、これが入る。そして、閉じます。このサイズですと、大体これは九十一センチぐらいあるんですけれども、幅を縮小して、まちを削って、そうすると、A3が入っても七十三センチ超の形態の袋ができ上がるということが考えられます。
もう市販では宅配袋というのがありまして、今度の改正をもってそうしたサービスに合わせた宅配袋というのも出てくるのではないかな、これは非常に大きな参入が見込まれるんじゃないかなというふうにも私は思っています。
ここにあるのは、これはポスターケースであります。A3の紙であっても、またカレンダーであってもポスターであっても、丸めて入れたら送れるんですけれども、この三辺の計は約七十九センチでありますから、まさに今度の改定があったらこうした箱も信書便として使われるんじゃないかと思うんですけれども、こうしたものもいいということでしょうか、総務省。
○武田政府参考人 お答えいたします。
今お示しの袋あるいはですが、サイズがまさに三辺七十三センチ超を満たしておれば当然扱えるというものでございますし、また、今ダイレクトメールとかいろいろございましたけれども、もちろん、信書便物ですから、信書以外にも合わせて物も送れるということは、それは事実でございます。
○田村(貴)委員 A3のものがそのまま入る、そして信書便として扱える。形態も、こうしたボックス形のものなどからいろいろと広がっていくのではないかというふうに思います。
私、ここはもうかる部分だと思うわけですよ。もうかる部分は拡大していく、緩和していく、これはちょっとやはりいいとこ取りになってしまうのではないかなという心配を持っております。
先ほど日本郵政の方からは、一号役務については特定の受取人宛てのダイレクトメールなどの信書を同封する可能性がある、それから、高付加価値サービス、三号役務については、地域限定や個別の顧客との相対料金の設定が可能など、競争上のイコールフッティングが確保されないという率直な懸念の表明があったわけでありますけれども、この声に対して総務省はどのように答えられますか。
○武田政府参考人 お答えいたします。
既にパブリックコメントの際にも、審議会としてその意見に対する考え方をお示ししているとおりでございます。
特に懸念の影響でございますけれども、繰り返しになって恐縮でございますけれども、具体的に、今その範囲において売り上げ収入を上げている金額の規模、あるいは、特定信書便事業者からの、実際の今の実績、さらには、みずから創意工夫を凝らしたサービスの開発に取り組む、そういった意向の表明があるということでございまして、今回のこの緩和による影響というのは、そのユニバーサルサービスに支障を来すものではないというふうに認識しております。
また、イコールフッティングとの関係でございますが、そもそもこの特定信書便事業、地域を限定した事業展開、あるいは相対料金の設定、こういったクリームスキミングを防止する措置を講じなくても郵便へのユニバーサルサービスの提供に支障のない範囲内において認めようとしている事業でございますので、そういった趣旨についてはパブリックコメントの際にも明らかに説明させていただいたところでございます。
○田村(貴)委員 そこは慎重に予測をされた方がいいんじゃないかなと思います。私は、素人考えで、こうしたところはかなりいいとこ取りになってしまうのではないかということを今申し上げたいというふうに思っております。
昨年十二月の情報通信審議会におきまして、特定信書便の役務の範囲について、必要に応じて一号役務の範囲への追加を検討することが適当としています。三号役務についても、経済情勢の変化を踏まえ、弾力的に見直していくことが必要として、見直しの方向性を述べています。
大型信書便サービスは、今回は九十センチ超から七十三センチ超への緩和となっていますけれども、角形三号封筒、このサイズの四十九・三センチにさらに拡大緩和されますと、その影響額は八十三倍にもなってまいります。
そこで、お伺いします。
今回の法改正、緩和というのは将来への布石というふうに位置づけておられるのか。いかがですか。
○武田政府参考人 お答えいたします。
今回御提案をしております特定信書便業務の範囲拡大でございます。これは、ごらんのとおり、信書便法上、法律で直接具体的に規定しているものでございます。
仮に、将来さらなる拡大を行う場合には、郵便のユニバーサルサービスに与える影響を検証した上で、改めて国会に法律案を提出し、御審議をお願いすることになるかと存じます。
○田村(貴)委員 今の段階でも十分な検証が必要だというふうに思うんですけれども。
質問を続けていきたいと思います。
ここで、改めてユニバーサルサービスの意義について確認をしたいと思います。
ユニバーサルサービスは、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を推進することと規定されています。
あまねく公平に提供するから、当然コストもかかってまいります。日本郵便では、ユニバーサルサービスの維持に努めておられると思いますけれども、今回の改正が実現した場合、経営に影響をもたらすことがあるのではないかと私は考えます。
さらなる効率化、コストカットが必要だとの考えを持っておられますか。これは日本郵便の方にお伺いします。
○壺井参考人 日本郵便といたしましては、先ほど御説明もいたしましたが、特定信書便事業の業務範囲の拡大により、郵便のユニバーサルサービスの確保に影響の及ぶことのないよう、政府において郵便の利用促進にも寄与するような施策を打ち出していただくとともに、郵便のユニバーサルサービスの維持及び郵便市場、信書便市場全体の発展に資するような環境整備をぜひとも進めていただきたいとの意見を御提出させていただいたところでもございます。
同時に、現状において、郵便物数の減少傾向が続いている中で、今後も郵便のユニバーサルサービスを確保していくために、今回の法改正にかかわらず、採算性の維持向上に向けた取り組みを推進していく必要があると考えておりまして、収益拡大のための取り組みも進めるとともに、業務量の増減に合わせた労働力の調整、仕事のやり方の見直し、作業の機械化等による生産性向上などに取り組んでいるところでございます。
○田村(貴)委員 大変苦しいところだというふうにも思うんですけれども、ここで、高市大臣にお伺いしたいと思います。
全国を対象エリアとし、そしてポストをくまなく配置し、統一料金で三日以内の配達を義務づけている一般信書便事業には、民間業者はまだ一者も参入していません。そのことについての意義について、どう受けとめておられるか。
また、全国、離島の隅々までカバーするユニバーサルサービスの意義について、大臣はどう受けとめておられるんでしょうか。
○高市国務大臣 郵便と同様に全ての信書の送達が可能な一般信書便事業は、法人や都市部など採算性の高い顧客に対してのみサービス提供が行われると、ユニバーサルサービスの確保に支障が出てくるということから、委員がおっしゃったように、全国における引き受け、配達、随時、簡易な引き受け方法の確保、全国均一料金という参入要件が課されております。
また、こうした参入要件というのは、法令で明確になっており、信書の定義も含めて、制度の周知を行っております。
参入するかしないかというのは各事業者の経営判断でございますけれども、離島も含めて、同じ料金で、そして簡易に引き受けられる、こうしたユニバーサルサービスを私たちが享受できるということは、これはやはり地方創生にも資するものでありますし、どんな場所に住んでいても安全に安心して生活ができる、こういう公共的な意味合いも持つと思います。
○田村(貴)委員 民間業者がまだ一者も一般信書便事業に参入していない、この状況について、日本郵政としてはどう受けとめておられますか。
○壺井参考人 当社といたしましては、国民の生活インフラである郵便事業を、なるべく安い料金であまねく公平にサービスを御提供していくというところに取り組んでいるところでございまして、法令で定められたユニバーサルサービスの水準の維持に努めてきているところでございます。
お尋ねの、一般信書便事業への参入がこれまでにないことにつきましては、各社の経営判断にもよるものでございますので、当社としてコメントさせていただく立場にはないという点を御理解いただきたいと思います。
○田村(貴)委員 やはり日本郵政でないとできないサービス、ユニバーサルサービスです。だからこそ、このユニバーサルサービスの財源もしっかり確保する必要があると思います。
日本郵政の経営状況について御説明いただけますか。
○壺井参考人 二〇一五年三月期の決算状況について御報告をさせていただければと思います。
日本郵便の期末決算といたしましては、営業収益は、郵便物数の減少が続く中でありますけれども、中小口営業の取り組み等によりまして、ゆうパックやEMSなどの取扱物数の増加などによりまして、前期比四百五十一億円増の二兆八千百九十一億円の収益を上げております。
一方で、営業費用につきましては、ゆうパックやEMSなどの取扱物数の増加に伴う費用や雇用情勢による賃金単価の上昇に伴う人件費の増加、基盤整備強化としての次世代情報端末の全国展開等の投資に伴う費用の増加などによりまして、前期比八百十五億円増の二兆八千八十四億円となったところでございます。
これらの結果、営業利益が前期比三百六十三億円減の百六億円、経常利益が前期比三百五億円減の二百二十億円となって、当期純利益は前期比百七十四億円減の百五十四億円となっております。通期見通しの損益は上回っておりますが、前期比では増収減益となっておるところでございます。
○田村(貴)委員 このうち、日本郵便は純利益が半減しています。三期ぶりに営業赤字になった郵便、物流事業のてこ入れが課題だというような報道もあっているところであります。
利益が半減する中で、もうかる部分を明け渡していくやり方は、私はやはり経営の健全化に逆行していくものではないかなというふうにも思うわけであります。九十億円の影響は、経営状況から見ても決して軽微なものではないというふうに思うわけであります。
次の質問に移ります。
ユニバーサルサービスを支える上でもう一つかなめとなるのが、非正規雇用労働者の待遇改善であります。
そこで、日本郵便に聞きます。
日本郵便で雇用されている非正規労働者の数の推移はどうなっているでしょうか。二〇〇九年十月、二〇一四年十月現在の比較で教えていただけるでしょうか。あわせて、非正規労働者の割合もお答えいただければと思います。
○壺井参考人 お答えいたします。
まず、非正規社員の雇用数の推移を申し上げます。
平成二十五年四月時点で、約十九万一千人でございます。これを八時間換算、一日八時間勤務で労働力換算した場合は、約十二万七千人でございます。二十六年四月時点で見ますと、約十九万二千人でございます。これを先ほどの労働力換算した場合は、約十三万人となります。平成二十七年四月時点では、約十九万八千人でございます。仮に先ほど申しました換算をした場合は、十三万六千人となります。
全体として、正社員も伸ばしております。全体としての社員数も増加しておりますが、非正規社員の比率についてのお尋ねがございましたので申し上げますと、平成二十五年四月では、四八・六%、数としてはそうでございます。労働力換算した場合の比率でいいますと、三八・六%になります。平成二十七年四月、飛んで申し上げますと、数では四九・四%でございます。八時間換算した場合は、四〇・一%となります。
以上でございます。
○田村(貴)委員 非正規雇用労働者がまさに半数を占めているというような状況であります。
配達員の多くは非正規雇用労働者であります。日本郵便では、多くの非正規雇用労働者が正社員と同じ仕事を担っています。コストカットで正社員が減った分、かわりに業務を担いながら、待遇では差別をされています。
私、機会がありまして、非正規雇用の郵便で働く人たちの声を聞かせていただいたことがあります。
一部を紹介させていただきたいんですけれども、例えば、ゆうパックの集荷、配達担当の方がおられます。バイクで仕事をすることも多々あるんですけれども、一分おくれただけでも二十分路上で説教を受けたことがある。そういう厳しい世界で同じように働いているのに、待遇の格差があるのはどうかと思う。
病休にも格差がある。正社員は最大年百八十日の有給、非正規は十日のみで無給である。弔事があっても、非正規は無給だ、正規の方は有給がとれる。正規と非正規に命の差があるのですかと上司に質問をしたこともある。
長年勤め、正社員を教えた経験もある私たちは、雇用継続の期待があっても当然だと思う。にもかかわらず、何の予告もなく解雇をされた。解雇されたという人がいます。お盆休みが明けて出勤したら、私の机に別の人が新人として座っていた。人を人として扱っていない。時給は、内勤で七百六十円、外勤八百円、これで何時間働けば暮らしていけるというのか。
非正規八年目、最近ようやくスキルが最高のAランクになった。でも、手当が少ない。結婚したいが相手の方が収入が上、生活は二人合わせて何とかやっていけるが、子供を持つとなると厳しい。均等待遇があれば一層ばか真面目に働くことができると思う。
こういう声もありました。
ここは物すごく大事だと思うんですね。日本郵便、この声をどのようにして受けとめておられるでしょうか。率直なところをお聞かせいただきたいと思います。
○壺井参考人 まず、郵便、物流事業のサービス提供のためには、期間雇用社員の方々の確保は非常に重要であると考えております。地域ごとの市場環境に応じた時給単価を設定するなど、必要な労働力の確保に努めているところでございます。
これを第一点にお答えいたしますけれども、お尋ねの点について申し上げますと、当社における社員の働き方、それから社員に求める期待役割を踏まえて、正社員、期間雇用社員の社員数等を決定いたしておるところでございます。
正社員には、主として各業務の責任者として、業務運行及び期間雇用社員の指揮監督等に従事していただいております。期間雇用社員の方々には、主として郵便局における各作業などの定型的な業務に従事していただいております。その結果として、先ほど申し上げましたような社員構成となっておるところでございます。
さらに、処遇のお話がございましたのでお答えをいたしますけれども、正社員と非正規社員の労働条件につきましては、それぞれの社員の業務内容、それからそれに伴う責任の程度、配置の変更の範囲、転勤の有無といった人材活用の仕組みや運用の違いを考慮して、労働組合と交渉の上、それぞれの労働条件を設定させていただいておるところでございます。労働条件の差異についても、不合理なものではないと考えておる次第でございます。
さらに申しますと、非正規社員の処遇改善につきましては、春闘等における関係労働組合との交渉を踏まえ、順次実施してまいってきておるところでございます。
今後とも、会社の経営状況を踏まえつつ、関係労働組合との交渉を通じて、必要な改善には努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○田村(貴)委員 必要な改善に加えて、大きな改善もお願いしたいというふうに思います。
日本郵便の純損失の拡大の一因として、募集に人が集まらず賃金を上げたことが響いた、こうしたことも報道されているところであります。なぜ人が集まらないのか。あの職場はどうもきつそうだ、なかなか昇給もない、正社員にもなれない、ノルマもある、そうしたところが一つのイメージとなって、またこの状況が悪化しないことを、改善を大幅に進めていただきたいというふうに思います。
最後に、今回は特定信書便業務について、業務拡大、緩和についていろいろとお尋ねをしてまいりました。しかし、以上述べてきたように、ユニバーサルサービスとしての郵便業務を維持していくことを考えると、今回の提案は、影響は決して小さいとは言えないというふうに思っています。
郵政民営化が議論になったとき、私は議員ではありませんでしたけれども、鹿児島県の、先生もおられますけれども、奄美大島に行って、船に乗って離島に行って、その離島からまた船に乗って離島に行く、そこにもちゃんと郵便の業務があって、すばらしいユニバーサルサービスだなというふうに感じた次第であります。このサービスをやはりしっかりと維持していくことが必要だと思います。
最後に、大臣、日本郵政は上場企業になることを目指すのではなくて、ユニバーサルサービスとしての提供義務を負う日本郵便の事業を堅実に維持していくことが何よりも重要だと思います。ここをしっかり支援していく、これが総務省の役割だというふうに私は考えますけれども、厳しい経営が迫られている日本郵便の支援について、いかがお考えでしょうか。先ほどからは、総務省からの実効ある施策とか提案も必要だというお話もありました。いかがでしょうか。
○高市国務大臣 株式売却についてまずお話がございましたので申し上げますが、日本郵政の株式につきましては、郵政民営化法において、政府の保有割合をできるだけ早期に減ずるものとされておりますから、郵政民営化を着実に進めるために、株式上場は極めて重要だと考えております。
ユニバーサルサービスの安定確保は、委員御指摘のとおり、大変重要なものであると受けとめております。非常にコスト面での課題もあり大変なことだと思いますけれども、まずは経営効率も高めつつ、一番大事なのは、やはり収益力を強化していくことによってその責務を果たしていただくことが大切だと思いますので、政府としてもしっかりと後押しをさせていただきます。
○田村(貴)委員 時間が来ました。しっかりと受けとめて頑張っていただきたいと思います。
終わります。