190-衆-予算委員会 子育て支援策に逆行 医療費助成にペナルティー・地方交付税で政策誘導 「トップランナー方式」 田村氏が批判

○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
 地方自治体の地域再生の取り組みと地方交付税について質問をします。

(委員会提出資料はコチラ)

 平成の大合併から十年が経過しました。お手元配付の資料①をごらんください。総務省の市町村別決算状況調から作成した人口規模別の市町村の数の推移と国土面積に占める割合であります。
 二〇〇一年度と二〇一三年度を比較しますと、人口一万人未満の市町村は千五百四十九から四百八十七へ、人口一万人から三万人の市町村は九百五十四から四百五十一へと、大きく減少しました。しかし、その三万人以下の自治体が国土面積に占める割合、これは円グラフですけれども、四七%となっています。国土面積の約半分をこうした小さな自治体がカバーし、中山間地等僻地、離島を含めて日本を支えています。
 そこで、高市総務大臣に伺います。地域の再生や自然、国土の保全を初め、こうした人口規模の小さな自治体の果たす役割は非常に大きいものがあると思いますけれども、いかがでしょうか。


○高市国務大臣 御指摘のとおり、人口三万人未満の市町村数、大きく減少しております。
 小規模市町村にありましても、国土の保全、食料、水の供給、郷土文化の伝承など、さまざまな多面的機能を有していると考えております。人口減少社会におきましても、このような小規模市町村が地方自治体として持続可能な形で行政サービスを提供していけるようにすることが必要でございます。
 ですから、総務省としては、都道府県による市町村の補完ですとか、連携中枢都市圏や定住自立圏を初めとした市町村間の広域連携をさらに推進するとともに、地域おこし協力隊の増員ですとか、ふるさとテレワークの推進などを通じまして、移住や交流の人口による地域活性化を図ることが必要だと考えています。


 

○田村(貴)委員 過疎、少子化の問題をみずからの力とそして知恵によって克服へと努力している自治体が今ふえています。
 その中の一つが島根県の邑南町であります。私も、先日、視察に行ってまいりました。攻めと守りの定住プロジェクトを二〇一一年度から進めて、攻めの分野では地元農業を生かして移住者に向けた雇用の場をつくる、それから、守りでは町民の負担軽減を目玉にして、第二子以降の保育料無料化、中学校卒業までの医療費の無料化などを実施し、住民、移住者からも大変歓迎されています。その結果、人口の社会増減は三年連続増加との見込みであることを伺いました。
 石破創生大臣も邑南町についてはよく御存じのことと思います。時間がないので端的にお答えいただきたいと思うんですけれども、人口減少対策とか地域再生の中で子育て支援、これはやはり大事な施策だというふうに私も痛感いたしました。すぐれた取り組みは邑南町に限る話ではありませんけれども、政府として自治体のこうした子育て支援の取り組みを大きく支援すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。


 

○石破国務大臣 それは委員御指摘のとおりであります。
 邑南町というのは竹下予算委員長の選挙区でありますが、私も伺ってみました。ここは三つあって、日本一の子育て村をつくりたいんだ、そしてまた二つ目はA級グルメ、B級グルメじゃなくてA級グルメのまちづくり、そして徹底した移住者のケアをやるんだということであります。
 日本一の子育て村というのは何もスローガンだけじゃなくて、委員御指摘のように、若年女性の率がふえているわけですよね。そしてまた、高齢化比率が下がっているわけですよね。実際、そういう施策はきちんと数字になってあらわれる非常にいい例だというふうに認識をいたしております。


 

○田村(貴)委員 やはり少子化対策は大事なんですけれども、自治体を応援すべき政府が逆に自治体の努力に対して水を差すようなやり方をとっています。その典型が、子供医療費助成制度や障害者の医療費助成制度に対する国民健康保険の国庫負担減額調整、いわゆるペナルティーであります。
 そこで、塩崎厚生労働大臣に伺います。
 国保の減額調整は、厚労省の平成二十五年度の資料、地方単独事業に係る市町村国保の公費負担の調整、これによりますと、子ども医療で百十四億九千万円、高齢者医療で二十二億七千万円、障害者で二百八十三億一千万円、全体で四百八十億六千万円となっていますけれども、間違いありませんか。


 

○塩崎国務大臣 この地方単独事業によります医療費助成によって窓口負担が軽減をされる、その場合、一般的には医療費がふえるということから、限られた財源の公平な配分あるいは負担を考えて、国保財政に与える影響等の観点から、増加した医療費分の公費負担の減額調整を今までしてきたというのが制度です。
 今御指摘になった数字はそのとおりでございます。


 

○田村(貴)委員 実に、一千四百二十一の自治体に対して四百八十億円、ペナルティーが科せられている。子ども医療費助成制度は今や四十七都道府県全部が行い、市町村でも大きく広がり、中学校卒業までの実施率は通院で六七%、入院では八二%にも上ります。
 塩崎大臣、私、子どもの医療制度の在り方等に関する検討会で議論が行われることは承知しています。そして、大臣は先日のこの委員会で、ことしの春をめどに一定の取りまとめができるようにしていくと述べられました。減額調整はやめるんですね。ペナルティーはやめるんですね。お答えいただきたいと思います。


 

○塩崎国務大臣 地方単独事業による子どもの医療費助成を行った今の制度についての御要望が地方団体からたくさん来ております。国民健康保険の改革の見直しをする際にも御指摘がたくさんございまして、宿題になっております。それが今お話があった子どもの医療制度の在り方等に関する検討会になって、今議論を深めていただいているわけでありますけれども。
 これは、地方公共団体からの強い見直しの御要望を受けて、現行制度の趣旨、これをやはり考えなきゃいけない。さらに、国保財政に与える影響というものを、もしやめた場合とか減らす場合とか、いろいろなことが考えられるわけでありますから、これもやはり検討しないといけないと思うんです。
 また、減額調整措置のあり方も含めて、子どもの医療のあり方については、少子高齢化が進行する中で、子育て支援等の幅広い観点から考えていくことが重要であって、こうした観点を含めて、今御指摘いただいた検討会において、今先生からもお話があったとおり、今春をめどに一定の取りまとめができるように議論してまいりたいというふうに考えているところでございます。


 

○田村(貴)委員 わざわざ検討委員会を立ち上げてやっているんですから、これはもうペナルティー、減額調整をなくすべき方向でやっているんですよね。そういうふうに答えたらいいじゃないですか。
 取りまとめが出されたら、直ちに減額調整をやめる手続に入ること、そして来年度からは減額調整をしないように強く要求をしておきたいと思います。
次に、地方交付税について質問をいたしたいと思います。
 政府は、地方創生を掲げるとともに、地方の行財政改革を同時に進めようとしています。その一つが人口減少等特別対策事業費であります。
 資料の②をごらんいただきたいと思います。
 これは、昨年度に創設されたまち・ひと・しごと創生事業費、この中の人口減少等特別対策事業費の六千億円の配分の話であります。
 人口減少等の取り組みの必要度分から、段階的に取り組みの成果分に配分を移していく方針だというふうに伺っています。
 そこで、高市大臣に伺います。
 現行は、取り組みの必要度五千億円と取り組みの成果分一千億円の配分でありますけれども、これは今後、成果分の割合を大きくしていくお考えなんでしょうか。


 

○高市国務大臣 基本的には人口で算定して、その上で取り組みの必要度及び取り組みの成果を加味することにしております。
平成二十七年度においては、取り組みの必要度による配分を手厚くしています。
 二十八年度の算定に当たりましては、各地方団体が地方版の総合戦略を本年度中に策定する見込みでありまして、しかし、実際に、取り組みを始めてから成果が出るまでには一定の期間が必要となりますので、この配分は変更しないことにしています。
 ただし、平成二十九年度以降につきましては、取り組みの成果が徐々にあらわれてくると想定されますので、成果の実現ぐあいですとか地方団体の意見などを踏まえながら、取り組みの成果を一層反映することを検討してまいりたいと考えています。


 

○田村(貴)委員 それでも、高市大臣が議員を務める経済財政諮問会議のアクション・プログラム、ここでは、「成果を反映した配分を集中改革期間の後は五割以上とすることを目指す。」としているではありませんか。つまり、三年後は今の一千億円を三千億円以上にふやすということであります。
 日本全体が人口減少の過程にあります。人口がふえる自治体もあれば、減る自治体もあります。人口減少率などで、自治体が努力をしても、数字の成果が出なければ交付税が削減されるんです。結果として、小さな自治体が切り捨てられることになるんじゃないでしょうか。大臣、どうですか。


 

○高市国務大臣 取り組みの成果に関する算定に当たりましては、人口減少対策などの取り組みにつきまして、各地方団体の置かれている状況が大きく異なりますことから、できるだけ多くの成果指標を採用しまして、地方団体の御努力を多面的に反映するということ、それから、条件不利地域などの団体の取り組みの成果も適切に評価されるように、指標の絶対値ではなく、各団体の指標の伸び率を全国の伸び率と比較するという工夫を行っています。
 いずれにしましても、今後、取り組みの成果を一層反映していく段階におきましては、地方団体の御意見も伺いながら、条件不利地域の財政運営に支障が生じないようにしっかりと検討してまいります。


 

○田村(貴)委員 だったら、地方交付税なんだから、必要度だけでいいじゃないですか。
 そもそも、人口減少等特別対策事業というのは、人口規模の小さな自治体には大きくはね返る制度なんですよ。それは、パイはそのままに置いておいて配分を変えるんだったら、おのずとして小さな自治体は減額されるじゃないですか。
 人口減少の問題というのは、三年間ぐらいで成果が出せるものではありません。地方の固有財源である地方交付税の性格を変質させるものだと私は思います。地方交付税を政策誘導に使うべきではありません。
 続いて、トップランナー方式について伺います。お手元の資料の③と④であります。
 トップランナー方式について、総務省は、歳出効率化に向けた業務改革で他団体のモデルとなるようなものを地方交付税の基準財政需要額の算定に反映するとし、平成二十八年度は十六業務、平成二十九年度以降は七つの業務、計二十三業務を対象として、民間委託や指定管理者制度の導入などの業務改革を促しています。
 要するに、学校用務員事務、道路の維持補修、清掃、学校給食、スポーツ施設の管理等の業務をアウトソーシングして経費を削減し、それを標準の経費水準として地方交付税の算定に結びつけようというものであります。
高市大臣に伺います。
 例えば、道路維持補修や学校給食などについて、資料にあるように、業務改革の内容を民間委託等に限ったのはどうしてですか。


 

○高市国務大臣 地方財政は巨額の財源不足を抱えていまして、依然として厳しい状況にある中で、引き続き行政の効率化は進めていく必要がございます。
 ですから、昨年八月に、総務大臣通知としまして、地方行政サービス改革の推進に関する留意事項というものを発出して、民間委託などの積極的な活用によるさらなる業務改革の推進に努めるように各地方団体に要請をいたしました。平成二十八年度の地方交付税の算定においても、多くの団体が民間委託などの業務改革に取り組んでいる業務について、こうした業務改革を行っている団体の経費水準を基準財政需要額の算定基礎とすることにいたしました。
まずは、多くの団体が既に取り組んでいるというところでしっかりと御努力をいただきたいということでございます。


 

○田村(貴)委員 多くの団体と言いますけれども、これらの業務を直営でやっているところは全国にいっぱいありますよ。
 例えば、学校用務員事務でありますけれども、総務省の地方公共団体における行政改革の取組状況に関する調査、この資料によれば、委託実施団体の比率は市区町村でまだ二二%ですよ。学校給食はどうでしょうか。市区町村の委託実施団体の比率は、調理で五二%、運搬で七二%、こういう状況です。
学校ごとで見ていきましょうか。
 文部科学大臣、馳大臣にお伺いします。
 公立小中学校における学校給食の外部委託状況について、どうなっているんですか、御説明いただきたいと思います。


 

○馳国務大臣 公立小中学校における学校給食における外部委託状況について、平成二十六年五月一日現在の数字をお伝えいたします。
 調理四一・三%、運搬四三・九%、物資購入・管理九・二%、食器洗浄三九・三%、ボイラー管理二一・八%、以上のとおりであります。


 

○田村(貴)委員 学校給食の外部委託は、御答弁ありましたように、調理で四一・三%、運搬で四三・九%。つまり、高市大臣、半数以上の学校は直営の状況にあるわけですよ。それを、新年度からは、これは資料の一番下に書かれているんですけれども、経費区分の見直しで、給与費を委託料にしてしまうということなんですよね。これを委託料にしてしまったら、単位費用が下がっていくということになるんですよ。
 馳大臣、もうちょっと聞きます。
 学校給食の実施方式というのは全国さまざまです。自校直営、調理委託方式、それから委託弁当方式、いろいろありますけれども、文部科学省として、どの方式がいいのか、何か基準を持っておられるんでしょうか。


 

○馳国務大臣 文部科学省では、どの方式にすべきという基準を定めているわけではありません。
 いずれの方式で実施するかについては、各学校設置者が地域の実情等に応じて判断するものと考えておりますし、いずれにしても、衛生の問題、子どもたちの栄養の問題、そして最近では食育の観点からも、充実した学校給食が提供されることが望ましいと考えております。


 

○田村(貴)委員 文部科学省は一律の方針を自治体に提示していないということであります。
子どもたちの給食を直営でやるのか、それとも民間委託にするのか、これは、自治体と住民の中でこれまでかんかんがくがくの議論が行われてきています。今でもそうであります。直営でやっているところはそれなりの意義と理由があるわけなんですよね。そうした経緯も踏まえないで、交付税を使って歳出削減の誘導を図るべきではありません。
 民間委託化でどんなことが今起こっているのか。例えば、静岡県浜松市。昨年四月から、小中四校で給食調理業務の民間委託を実施する予定だったけれども、実施直前の三月末になって、業者が突然、調理体制が確保できないとして辞退してしまいました。四月から給食が実施できず、一学期は市販の弁当業者が納入する異例の事態となりました。
 この浜松市の民間委託は、さきに挙げた総務省の行革に関する調査で、計画的なアウトソーシングの例としてわざわざ紹介していますよ。給食が出せない自治体をつくっているのに、どこが計画的なんでしょうかね。
 コスト重視で委託弁当方式を採用した自治体もあります。これは低温で運ばれてくるんですよ。子供たち、冷たい、おいしくない、中身がすかすか、食べたくない、大変不評ですよ。そのほか、異物混入事件、今多いです。全国各地であっています。
馳大臣、もう一問。
 行き過ぎたコスト重視というのは、これは子供たちの健康と体に影響を及ぼしかねないというふうに思います。そうしたことは絶対あってはいけないと僕は思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。


 

○馳国務大臣 学校の規模もございます。また、学級数等の課題もございます。そこはやはり設置者の市町村において適切に判断されることが望ましいと考えております。


 

○田村(貴)委員 まあいいです。
少々お金がかかっても、子どもたちのためを思って努力をしているところもありますよ。
 私、福岡です。宗像市では、年次計画で、十八の小中学校に二十四億円かけて学校の給食調理室をつくってまいりました。安全性と教育的観点がその理由であります。お米は全部市内産、地元青果物の利用は昨年度三九%で県内トップレベル。まさに地方創生じゃないですか。
 文部科学省も、先ほど大臣、答弁ありました。食品ロス削減、地産地消推進、伝統的食文化継承を求めてモデルをやっていく。まともなことをやろうと思ったら、それなりにお金がかかるんですよ。子供たちの命と健康にかかわる学校給食が、安かろう、まずかろう、そして危なかろうではだめなんです。委託至上主義、コスト削減で推しはかってはいけません。なぜならば、学校給食というのは教育の一環なんです。
 このほかにも、民間委託、指定管理者制度はさまざまな問題が起きています。例えば、埼玉のふじみ野市で、ずさんな管理体制のもと、悲惨な死亡事件もありました。そのほかいっぱいあります。
 高市大臣、これだけいろいろな問題があるのに、民間委託、そして指定管理者制度を一律に交付税を使って迫っていいんでしょうか。削減した経費水準を標準の経費水準としていいんでしょうか。お答えいただきたいと思います。


 

○高市国務大臣 まず、学校給食について例を挙げられましたけれども、学校給食については、既に、平成十六年度から十八年度まで、業務改革、つまり、民間委託を前提とした経費水準にしておりますので、今回、経費区分の見直しを行います。金額は、だから、変わりません。給与費から委託料ということで、水準は変わっておりません。
 また、浜松市の事例も伺いました。外部資源を活用した場合であっても、委託した事務事業などについての責任は行政に帰属するものです。地方公共団体において、適切に事業の執行管理をしていく必要がございます。浜松市の事例のように、民間委託による学校給食が再開するまでの間、外注のお弁当の提供により対応する、そういう措置を判断して講じられたものだと思っております。
 いずれにしても、効率的、効果的に質の高い行政サービスを提供することができるように、その役割を団体が果たしていくということが重要であります。


 

○田村(貴)委員 今でも、民間委託水準、そして、据え置くと言われていますけれども、直営が半分以上あるんですよ。経費区分を委託料等にするならば、民間委託がまたどんどん進んでいくじゃないですか。そうなれば、今の経費水準が引き下げられていくわけではありませんか。経費区分の委託化というのは、もう民間委託しか認めない、そういうものであります。
 確認しますけれども、国は、民間委託、指定管理者制度へ移行せよといいます。しかし、自治体は、直営であってもその他の方法でも、どちらを選択してもいいのではありませんか。あくまでも、その形式については自治体が判断するのではありませんか。基本的なことですけれども、お答えいただきたいと思います。


 

○高市国務大臣 おっしゃるとおり、自治体の判断でございます。
 地方公共団体が、直営、民間委託、指定管理者制度などといった事業の実施方法のうち、どのような方法を選択するかについては、これは地域の実情に応じて適切に判断されるものであります。


 

○田村(貴)委員 だったら、業務改革の内容、これは民間委託等だけに限定しているんですよね。これはおかしな話です。
 トップランナー方式については、全国知事会、全国市長会、全国町村会ほか地方六団体が反発して、異論が出されています。知事会の山田会長は、こう述べておられます。
 今の地方交付税は、標準的な財政需要を考えているわけです。不利な地域は不利な部分を需要に反映させる形で補正をしており、標準的な経費を下回るよう行革努力をしたときは、これは努力をしたのだから報われるという形で、地方が努力をするためのインセンティブは十分にできています。
こういう地方交付税の前提を無視して、トップランナー制度にしようという話が出るというのは、地方交付税を切りたいだけではないのでしょうか。切ったものは国が持っていくという話ですから、そんなことは、まったくおかしいとしか言いようがありません。
 結局、安倍政権は、地方交付税削減が目的じゃないんですか。お答えいただきたいと思います。


 

○高市国務大臣 このトップランナー方式の導入につきましても、地方六団体とは十分に協議をし、説明もし、納得もいただいております。
 多くの地方団体で取り組んでいる業務改革を反映した経費水準を標準的な経費として基準財政需要額の算定基礎としています。結果として、基準財政需要額の減少要因とはなるものでございます。
したがって、地方団体への影響などを考慮して、三年から五年程度かけて段階的に反映するということとともに、小規模団体など、地方の実情を踏まえて算定するということにしています。
 二十八年度は、地方の一般財源総額について、前年度を〇・一兆円上回る六十一・七兆円を確保しておりますので、地方団体が安定的な財政運営を行える、そう考えております。


 

○田村(貴)委員 でも、高市大臣、骨太の方針では、「自治体間での行政コスト比較を通じて行政効率を見える化し、自治体の行財政改革を促す」としているじゃありませんか。
 要するに、コストカットなんですよ。歳出削減をした自治体をトップランナーとして、モデルとして、単位費用の算定に反映させる。少なくとも、この二十三業務については、交付税の削減を目的にしているんですよ。だから、こういうやり方を出してきたんじゃないんですか。
 そもそも、地方交付税というのは何なのか。これは総務省のホームページでちゃんと書かれています。「地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するためのもので、地方の固有財源である。」と。
 まさに地方交付税はこうなんですよ。成果主義とか努力した分とか、そういうものじゃないですよ。「いわば「国が地方に代わって徴収する地方税である。」」と総務省のホームページでちゃんと解説されています。
 トップランナー方式で自治体の重要な施策の財源を奪ってはなりません。地方交付税法の趣旨をねじ曲げて、国が政策誘導のために使ってはだめです。
そのことを主張して、質問を終わります。この続きは総務委員会でまたやらせていただきたいと思います。終わります。