日本共産党の田村貴昭議員は23日の衆院地方創生特別委員会で、政府が導入を狙う「企業版ふるさと納税」制度について、企業と自治体との癒着が起きかねないと批判しました。
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企業版ふるさと納税は、地方創生事業に取り組む自治体に企業が寄付すれば、寄付額の一部を法人事業税と法人住民税から差し引くというものです。
田村氏は、寄付金を受けた自治体は収入増になるが、企業が所在する自治体は税額控除によって収入減になると指摘し、「実質的な自治体間の税源移動が起こり、住民自治の及ばない財政制度を新たに導入することになる」とただしました。
末宗徹郎・地方創生推進本部事務局次長は「地方公共団体間で財源が移転する効果をもたらす」と認めました。
田村氏は、企業の意向によって税源が移動すれば、自治体間の税源の奪い合いになると指摘。「個人版ふるさと納税」では、すでに自治体間の税金の奪い合いが過熱しているとして、「地方税制の基本をゆがめかねない」と批判しました。
さらに、田村氏は、全国で初めて自治体として「子ども食堂」の開設を予定している北九州市の例などを示し、「子どもの貧困対策」に取り組む自治体への支援強化を要請。内閣府の中島誠大臣官房審議官は「『子ども食堂』などのモデル事業を展開したいということであれば、地域子供の未来応援交付金の対象となる」と答えました。
(しんぶん赤旗 2016年3月24日)