日本共産党の田村貴昭議員が16日の衆院本会議で行った地方税法等改定案に対する代表質問(要旨)は次の通りです。
安倍内閣が「地方創生」の名で行っていることは、医療・介護・子育てなどの社会保障や生活に欠かせないインフラ、行政サービスを大幅に削減して切り出し、それを市場に投げ与え「成長戦略」に結び付けようということです。
このもとで、地方に循環すべき利益は、いっそう大企業の本社がある東京圏などに吸い上げられています。これでは地域の主役は住民ではなく企業ではありませんか。
第1は社会保障サービスの削減です。2018年度から国民健康保険が都道府県単位化され、「地域医療ビジョン」による医療体制の適正化と医療費の削減が迫られます。都道府県が決めた納付水準が目標とされ、市町村が徴収強化に走らざるを得なくなれば、納税者の権利を踏みにじった徴収が際限なく広がりかねません。
第2は行政のアウトソーシングです。安倍内閣は、人口20万人以上の地方自治体が、社会資本や公共施設を整備・運営する場合にPPP/PFIを優先的に採用することを打ち出しています。
また、水道事業の広域化計画が問題となっています。香川県の計画では、県下55施設の自己水源のうち29施設の廃止が前提となっています。自己水源の廃止は災害時のリスクとなるのは明白です。
第3は自治体職員の削減と非正規化です。自民党政権が推進する自治体業務の民営化路線のもとで、自治体職員は一貫して削減されてきています。とりわけ「集中改革プラン」による地方公務員の削減は自治体の力を大きく後退させました。
自治体消防を強化する。正規職員の配置・増員を基本にして、行政各分野の体制強化に取り組むための財政措置をただちに拡充すべきです。
東日本大震災や熊本地震をはじめ、多くの被災者が苦しみのなかにいます。
災害から国民のいのちと財産を守ることは、国と地方自治体の重要な責務です。被災者の生活と生業(なりわい)の再建、被災地の復興に求められる施策を、被災者の実態に応えて発展・拡充すべきです。
(しんぶん赤旗 2017年2月18日)