日本共産党の田村貴昭議員は16日の衆院総務委員会で、地方自治法改定案の住民監査請求・住民訴訟の規定の改定についてただしました。
住民監査請求や住民訴訟は、地方自治体の長や職員による違法行為から住民の利益を守るために法律で定められた参政権の一つ。同改定案は、住民訴訟によって、自治体の長などが負う損害賠償の責任額も限定し、限度を超えた部分を免責できるようにします。
田村氏は、「改定案は、違法行為の抑止効果を弱める可能性がある」と指摘。議会が自治体の長などへの損害賠償請求権を放棄する議決を行う場合、監査委員への意見聴取を義務付ける改定について、「住民監査請求に対して、議会が(自治体の)長の立場に立って条件反射的に損害賠償請求権を放棄する懸念がある」とただしました。
高市早苗総務相は、「住民監査請求直後の放棄を促進することは今回の改定の趣旨ではない」と答弁。田村氏は「監査請求があった時点で、監査委員の意見を聞くことによって議会が放棄議決をできる制度があるというのは問題だ。請求者である住民の意欲を削ぐことになる」と強く批判しました。
(しんぶん赤旗 2017年5月23日)