日本共産党の田村貴昭議員は12月5日の衆院環境委員会で、7月の九州北部豪雨災害における公費解体・撤去の対象を、全壊家屋だけでなく半壊にまで広げるよう求めました。
被害が大きかった福岡県朝倉市では、全壊、大規模半壊だけでも372棟。公費解体はまだ行われていません。
田村氏は、半壊でも湿気や悪臭がとれない家があり、「実際には住むことができない半壊家屋が相当数にのぼる」と指摘しました。
甘木・朝倉広域市町村組合が県への要望で、大規模半壊・半壊の解体費を補助対象とすること、被災地負担軽減のための国への働きかけを求めていると紹介。朝倉市などが、財政資力が弱まるなかで大規模半壊家屋の解体・撤去費をねん出しているとして、国の対応をただしました。
中川雅治環境相は「現在の補助制度を実施する」などの答弁に終始しました。
田村氏は、朝倉市では半壊住家661棟のほか、非住家被害で全壊161棟、半壊574棟となっていることも挙げ、「被災建物がとり残されたままでは復興が進まない。これが大問題となっている。公費解体の適用範囲の拡大へ、政治的決断が必要だ」と求めました。
(しんぶん赤旗 2017年12月9日)