○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
最初に、環境省が発注する福島県の事業に、吉野正芳復興大臣の秘書官が環境省に圧力をかけていた問題について伺います。本件は、しんぶん赤旗日曜版、四月八日付に報道されています。
この事業は、中間貯蔵にかかわる工事で、昨年十二月に西松建設、五洋建設、フジタの共同事業体が受注しています。吉野大臣の政務秘書官高橋彰氏が、この事業に対して、当時の環境省室石泰弘審議官を議員会館に呼び出し、地元企業A社の下請採用を求めました。室石審議官によれば、三月ころに議員会館に呼ばれ、中間貯蔵関連工事を受注した五洋建設が下請に地元業者を入れていない、双葉のA氏がうるさいので確認してくれと求められた、そのように記者に対して答えています。
そこで、伺います。
室石審議官は、高橋秘書官に呼ばれ、そのように言われたのでしょうか。確認されていますか。
○縄田政府参考人 お答えいたします。
委員の今お示しになられたような報道があったということは承知しております。
下請企業への地元企業の活用に関する問合せというものは、一般的に国会議員の先生方あるいは市町村長様方から寄せられることがございます。このような問合せに対して、地元企業の活用状況を確認の上、工事入札の際に総合評価落札方式で活用状況を評価している旨を説明しております。
御指摘の、審議官に対し地元企業の活用状況について問合せがあったことは事実ではございますが、特定の企業の参入を要請された事実はないと報告を受けております。
○田村(貴)委員 それは違うんですよね。
室石審議官は、中間貯蔵施設担当の藤井政人参事官に調査を指示しました。これは正しいですね。国土交通省出身の藤井参事官は、五洋建設の旧知の役員に連絡した、双葉のA氏について下請に入れているかなどを聞いた、五洋は、A氏のことは知っているが、理由があり、下請には使っていないと記者に語っているわけであります。
五洋とA氏というのは、この話の筋なんですよ。そのことを記者は全部裏をとって確認している話でありますから、ちゃんと答えてくれないと困りますよ。これは、後でまた新たな会見とか続報ということにならないように、正直にお答えになった方が私はいいと思いますけれども、どうなんですか。
○縄田政府参考人 お答えいたします。
吉野復興大臣秘書官からの問合せは、一般論として地元企業の活用状況を確認してほしいという趣旨というふうに審議官は受けとめたと理解しております。
秘書官よりの問合せを受けて、御指摘のように、参事官に対し、下請の活用状況などについて事実確認を行うよう指示をいたしました。参事官より、確認を行ったと報告を受けております。
本件に関して、特定の下請企業の参入状況を確認した事実はございません。不適切な問合せとは考えておりません。
○田村(貴)委員 高橋秘書官がA氏の名前を出したからこそ、藤井参事官は五洋にA氏の確認をすると。秘書官からA氏の名前が出ないと、藤井参事官もこれは動きようがないわけであります。
私は、一般的に公共事業の地元発注とかそういった話だったら、記事にもならないし、ここで私がわざわざ質問することもないわけなんですよ。記者は、秘書官からもA氏からも審議官からも参事官からもちゃんと取材をしているわけなんですよ。ここで一般論を述べてもらったらいけないと思うんです。
この問題は、大変私は重要な問題だというふうに思いますよ。特定業者の双葉町のA氏がうるさいと言っていると、高橋秘書官から室石審議官、藤井参事官に伝えられ、JVの五洋建設に、A氏が代表を務める建設会社が下請に入っているかどうかを確認している。この事実は動かせない事実なんです。双葉のA氏というのは、双葉町の商工会長も務めて、吉野大臣の選挙も手伝っておられます。A氏自身、吉野復興大臣や高橋秘書官についてはよく知っているというふうにコメントされています。
どこの誰々を使っているのかと調査すれば、これは、じゃあその業者を入れてほしいんだなと受け取るのが建設業界の一般でありますよ。こういう声はもう出ていますよ、現地で。政治家が発注者に調査をさせることで支援者を下請に参入させる、この巧妙なやり方があった。その中に審議官、参事官が加わっていた。私は、こうしたことの重大さを環境省はもうちょっと考えるべきじゃないかなというふうに思います。
確認行為というのはそういう性質のものであるということを自覚されていますか。
○縄田政府参考人 お答えいたします。
地元の企業の活用、これは重要だというふうに私ども考えております。現在発注している工事に係る地元企業の活用状況について所要の調査を行うということを参事官が行いました。秘書官より問合せを受けた時点で、新しく発注が行われていた五洋建設JVの発注工事、こちらがございましたので、こちらにおいて地元企業の活用状況について事実確認を行ったというふうに聞いております。
○田村(貴)委員 双葉のA氏と五洋との間で何かトラブルのようなことがあったと。藤井参事官はこのようにも答えておられるわけであります。何だったら、私たちも会見していいというふうに思っていますよ。五洋に聞けば、詳しくは教えてもらえなかったけれども、A氏とは一悶着あり、下請には使っていないという説明であったと。
こういった状況で終わっているんだけれども、こうした特定の業者が、やはり政治家の秘書官が名指しして、そして役所に対して調査をお願いするというのはこういう結果になっていくということを、いま一度私はこれは各省庁やはり自覚すべきだというふうに思うわけであります。
きょうは、ほかの議題がありますので、この辺にしておきたいと思いますけれども、また議論したいと思います。
水俣病の解決の問題について、きょうは中川大臣に質問をいたします。
中川大臣は、水俣病のことを質問されるのは、恐らく衆参両院で余りなかったのではないかなというふうに思います。私も久しぶりの質問であります。
五月一日が来ますと、公式確認から六十二年がたちます。水俣病は解決したのでしょうか。大臣は、解決したとお考えでしょうか。そうでないとするならば、解決への道筋をどのようにお考えになっておられるでしょうか。
○中川国務大臣 水俣病は、環境が破壊され、大変多くの方が健康被害に苦しまれてきた、我が国の公害、環境問題の原点となる問題であると認識しております。
行政としては、長い時間を経過した現在もなお、認定申請や訴訟を行う方が多くいらっしゃるという事実を重く受けとめております。
環境省としては、今後も、関係県市と密に連携しながら、公害健康被害補償法の丁寧な運用を積み重ねていくとともに、地域の医療、福祉の充実や、地域の再生、融和、振興にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
そういう意味では、これからもこういった取組を続けていくということを申し上げておきたいと思います。
○田村(貴)委員 それでは、その公健法のことについて伺います。
公害健康被害補償法に基づく水俣病の認定者は、ことし二月末日現在で何人でしょうか。法施行後の申請者の合計とあわせてお答えいただければというふうに思います。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
公害健康被害補償法に基づく水俣病の認定申請についてのお尋ねでございます。
これまでの認定申請者数は、合計で三万四千三百十七名。そして、未処分件数につきましては、平成三十年二月末の時点で、熊本県が九百四十二件、鹿児島県が千二十八件、新潟県が百六十二件、合計二千百三十二件となっております。
○田村(貴)委員 未認定者は次で、認定者のことを聞いたんですけれども、認定者は二千九百九十六人ですね。
きょうは、資料をお配りしています。確認のために資料も配らせていただいております。
申請者のうち認定される割合、計算したら、わずか八・七%であります。大臣、これは唯一の解決法ですよね、救済方法です、公健法は。この申請をされて、救済されるのがわずか八・七%。それは、この認定基準が余りにも厳し過ぎるからだということを私たちは何度も国会で指摘をしてまいりました。そして、最高裁判所判決に基づく変更を求めてきたわけであります。
最高裁判所の判決は、被害者の症状が感覚障害だけの場合も含めて、五十二年判断条件に示された症状の組合せが認められない者であっても、水俣病であるかどうかを総合的に丁寧に判定するというふうに最高裁は言っています。この趣旨が生かされるのが法治国家ではないでしょうか。疫学的条件を厳しくして、水俣病の認定から締め出すやり方はもうやめるべきではないかと思いますが、やめないと答えるので、次の質問に行きます。
申請を棄却されて、それを不服とする被害者は、公健法の不服審査会に審査をすることができます。
三月三十一日現在、資料もいただきましたけれども、審査請求件数と、取消し、いわゆる被害認定となった数について、熊本、鹿児島、新潟の合計でいいですので、この数字について教えてください。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
公害健康被害補償不服審査会における水俣病に関する審査でございます。これにつきましては、審査請求がございましたのが、合計でこれまでに八百三十六件、そのうち、取消しの裁決とされたものが十四件でございます。
○田村(貴)委員 取消しですね、認定される、ひっくり返るという割合は物すごく少なくて、十四件。数えるほどであります。
自分は水俣病である、そのつらい体を押して認定審査会にかける。却下されたら、そうしたら今度は不服審で頑張って訴えていく。しかし、わずか一・七%の人しか判決が覆ることはないわけであります。公健法の救済というのは今唯一残されている道でありますけれども、ここでの救済というのは本当に壁が高過ぎます。
環境省は、二〇一四年三月七日に、公健法の認定における総合的検討という通知を発しました。いわゆる二〇一四年新通知であります。この新通知後、不服審で取消しとなった事例はあるでしょうか。わかりますか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
御質問の、取消しとなった事例はございません。
○田村(貴)委員 そうなんですよね。厳しい新指針というのができた、新通知ができた。その二〇一四年の一年前は、二〇一三年に、熊本の認定審査で却下となった男性がこの不服審で取消しとなって、これは非常に注目されたわけでありますよね、最高裁の判決に沿ったものと。取消しになったと。この新通知以降、取消しになった事例はないということであります。本来ならば行政と独立した不服審査会が、国の指針に沿った裁定となっていると言わざるを得ないと思うわけであります。
私は、やはり、こうした厳しい通知、基準というのはなくさない限り、あたう限りの救済はできないんじゃないかと思うんですけれども、昨年十一月二十九日、東京高等裁判所は、新潟水俣病認定棄却処分取消し等請求控訴審について、被告新潟市に対し、原告九人の全員の水俣病棄却処分を取り消し、水俣病として認定するよう命じる判決を下した。これも画期的な判決であります。こうした判決を踏まえた水俣病被害者救済の取組が求められているわけであります。
公健法による審査では、現行の被害者たちを救済することができないのはもう明らかではないでしょうか。国やあるいは自治体は、水俣病被害者たちを救済するための具体的な対応を今検討する段階に来ているのではないかなと思うんですけれども、指針とかこうした基準に照らして、何か検討されていることはありますか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
平成二十五年四月の最高裁判決、それから昨年十一月の高裁判決等におきましても、昭和五十二年判断条件は否定されておりませんで、また、認定、補償制度そのものを否定する指摘もされていないと承知しております。
環境省といたしましては、最高裁判決において、水俣病の認定に当たっては総合的検討を行うことが重要であるということが改めて指摘されたことを踏まえまして、現行の認定基準である昭和五十二年判断条件に示されている総合的検討をどのように行うか具体化した通知を平成二十六年三月に発出しております。現在、通知に沿って、各審査会において丁寧な審査を積み重ねているところでございます。
今後とも、関係県市と密に連携をしながら、丁寧な認定審査を行ってまいります。
○田村(貴)委員 丁寧な審査を通じて、多数の人たちが棄却されているわけなんですよ。
私が先ほど言ったこと、聞こえませんでしたか。最高裁判所は、五十二年判断条件に示された症状の組合せが認められない者であっても、感覚障害だけの場合も含めて認めるようにと言っているわけであります。こうした流れに沿うのが法治国家ではないですかと言っているんです。
特措法について伺います。
公健法では救済できないとしたからこそ、水俣病特措法による解決策が打ち出されたのではありませんか。
資料2をお配りしています。表にある4の合計というのが申請者の総数であります。そして、一時金にも療養費にも該当しなかったのが九千六百九十二人であります。
特措法の最終的な判定の終了も終わって、申請の受け付け期間も終わっていますので、これが最終結果だというふうにとれますけれども、これでよろしいですか。
○梅田政府参考人 御指摘のとおりでございます。
○田村(貴)委員 最終的な解決だといって、ここで手を挙げなかったら私はもう救済されないんじゃないかということで、勇気を振り絞って申請された方がおられます。だからこれだけの数に上っているわけなんですね。
しかし、二〇%、九千六百九十二人、一万人近い被害者が、この特措法でもってもはじかれたんです。あたう限りの救済と、環境省は何十回、何百回、大臣から先頭に立って言ってきましたけれども、これだけの人が認定されなかったんですよね。
あたう限りの救済にはこの特措法でもならなかったというふうに多くの人が主張していますけれども、環境省はどのように捉えていますか。
○中川国務大臣 水俣病対策につきましては、昭和三十一年の公式確認とその後の原因究明から始まりまして、公健法の施行、臨時水俣病認定審査会の開催、平成七年の政治解決、そして平成二十一年の水俣病特別措置法など、多くの方がさまざまな形で多大なる努力をされてまいりました。
この特措法により、認定されなかった方ももちろんおりますけれども、逆に言えば、一時金等の該当者、それから療養費の該当者、合わせまして約三万八千人の多くの方が救済されたということは、水俣病対策において大きな前進があったと考えております。
ただ、救済措置が終了した現在においてもなお、認定申請や訴訟を行う方が多くいらっしゃるという事実は重く受けとめておりまして、先ほど来申し上げておりますように、公健法の丁寧な運用を今後とも積み重ねていくことが重要であると認識いたしております。
○田村(貴)委員 大臣、最後の結論が公健法による丁寧な審査になったら、これはだめなんですよ。特措法では桁違いの方が救済されているんですよね。公健法では、これはもう歴史が長いんだけれども、三千人ですよね。ですから、救済の道としては別の道を探さなくてはいけないということを私は強く主張したいと思います。
もうちょっと数字のことをお伺いしますけれども、この特措法で、一時金、療養金、それぞれ救済措置があるわけですけれども、対象区域があります。対象年齢もあります。
対象区域を外れた人で、この特措法で認定された方はかなりの数に上っていると伺っていますけれども、どのぐらいに上っておられるんでしょうか。わかりますか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
熊本県の判定分でございますが、対象地域外の申請者の方々のうち、一時金等の支給対象となった方は三千七十六人いらっしゃいまして、申請者数に対する割合は約五三%。また、療養費の支給対象となった方は六百八十五人で、申請者に対する割合は約一二%となっております。
○田村(貴)委員 かなりの方が救済されていますよね。では何のための線引きだったのかという疑問と指摘が出てくるわけであります。申請者数における救済者数のパーセンテージも非常に高い。これだけの方が対象区域外におられるということなんですよ。特措法ではこの方たちは認められたわけなんです。では、その前の線引きは改めるべきじゃないか。それについて、もうちょっと前進させようじゃないですか。
同様に、年齢による制限もあるわけです。救済の対象は、昭和四十四年、一九六九年十一月末日までに生まれた人が対象であります。
では、昭和四十四年、一九六九年十一月末までに特措法で救済された人以外に、十一月末を過ぎて十二月生まれの方以降で、この特措法で救済された方はおられるのか。これについてもお答えいただきたいと思います。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
昭和四十四年十二月以降にお生まれになった方で救済対象となった方は六人おられます。
○田村(貴)委員 六人おられるわけですよ。熊本県で四人、鹿児島県でお二人だというふうにもお伺いをいたしております。
地域と年齢による線引きそのものが間違いであること、それを行政そのものが認めた結果が今度の特措法の結果ではないかというふうに思うわけであります。
これまで六十年以上の、被害者、患者さんの筆舌に尽くせない苦悩と闘いがありました。国の制度で、行政の施策で救ってもらえないから裁判に手を挙げざるを得ない。そうやって、公健法ではわずか三千人であります。九五年の政治的解決では約一万一千人であります。それでもまだまだ救えていない。二〇〇四年に最高裁の判決があって、これは数十人でありますけれども、水俣病と断定されました。そうしたら、やはり新しい制度をもって救済すべきじゃないかという世論が大きくなり、特措法ができたわけであります。その特措法による救済でも三万八千三百二十人。
年を経るごとにどんどん大きくなっていくわけなんですね。初めから救済していたらどうだったのかじゃなくて、どんどんどんどん、年月がたつにつれて手を挙げる人がふえてくる。そして、この手を挙げてくる人に合わせた救済措置がつくられていかなければならないということで、二度にわたる政治的解決が行われてきたわけであります。それをもってしても、私は認めてもらえていない、私はもしかしたら水俣病ではないかなということで、手を挙げる方がまだまだ続いているということであります。
行政による対策では救済ができないから司直に救済を求めざるを得ない。六十年以上体を病んで、高齢を重ねる患者、被害者の方たちに、いつまでこういうつらい思いをさせていくのでしょうか。
大臣、救済を多くの被害者そして患者さんの方が求めておられます。ノーモア・ミナマタ第二次訴訟、今、この国家賠償の裁判の原告は、熊本県を始め全国に千五百十七人おられます。ほかにも訴訟があります。公健法の救済を求めての未処分の方が、冒頭答弁ありましたけれども、二千百三十二人も待っておられるわけですね。
この状況を見たときに、やはり新たな救済制度をつくる必要があるんじゃないですか。認定のその基準を緩和するとか、新たな救済措置を今まさにつくらないと、患者さん、被害者の方、年を重ねるばかりです。きつい思いと体が動かなくなる、そういう状況をずっと環境省は認めていいのですか。大臣、しかとお答えいただきたいと思います。
○中川国務大臣 ノーモア・ミナマタ訴訟において裁判所が示した和解所見をもとに、訴訟しなかった団体との協議も踏まえて、水俣病特措法の対象地域や出生年が定められたものでございます。
対象地域外の方や昭和四十四年以降に生まれた方でも、暴露の可能性が確認されれば救済の対象とするということにしたわけでありまして、これは関係県において丁寧に審査されたものというように承知いたしております。
先ほど申し上げましたように、このような水俣病特措法により多くの方が救済されたということは、水俣病対策において大きな前進であったというように考えております。
ただ、現在も認定申請や訴訟を行う方が多くいらっしゃるという事実は重く受けとめておりまして、先ほどから申し上げておりますけれども、公害健康被害補償法の丁寧な運用をこれからも積み重ねてまいりたいと考えておりますし、今後も、関係県市と密に連携しながら、地域の医療、福祉の充実や、地域の再生、融和、振興を含め、水俣病対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 せんだって、水俣市に行って、患者さん、被害者の会の方にも会ってまいりました。
昭和四十四年十一月に生まれた人は公健法で救済されました。この同級生の方がおられます。この方は十二月に生まれているわけです。学校も一緒だった、近所で一緒に育ってきた、同じように小さいころから沿岸の魚をいっぱい食べてきたということで、十二月生まれの方は、これは認められていない。こういう状況はやはりおかしいんじゃないかというふうに思うわけであります。改めて、新たな救済制度を求めることを要求したいというふうに思います。
最後に、チッソ清算への認識についてお伺いしたいと思います。
JNC株の上場と売却、チッソ清算は大臣の承認事項となっています。そして、これまでの大臣は、今そういう状況ではないというふうに答弁されてきているわけでありますけれども、JNCの株の上場と売却について、中川大臣の御所見はどうでしょうか。
○中川国務大臣 JNCの株式譲渡につきましては、水俣病特措法では、救済の終了及び市況の好転まで凍結をするということになっております。しかしながら、多くの方が公健法の認定申請をされていることや、訴訟が提起されていることなどから、救済が終了したとはなかなか言えない状況だろうというように思っております。
○田村(貴)委員 あたう限りの救済を目指すというのならば、やはり制度もそれに合わせた、多くの方が救済できるような施策とそして枠組みをつくってもらわなければ水俣病問題は終わりません。そのことを重ねて主張して、質問を終わります。
ありがとうございました。