日本共産党の田村貴昭議員は3月7日、衆院農林水産委員会で、拡大が続く家畜伝染病豚コレラについて、吉川貴盛農水相が所信表明で農家の衛生管理ばかりを問題にし、政府の水際対策と被害農家支援に一切触れなかったと批判しました。
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昨年9月に岐阜県で発生した豚コレラは1府4県に拡大し、殺処分は4万8千頭以上に及んでいます。国外から観光客が持ち込んだと指摘されています。
田村氏は、「農家のせいにされてはたまらない」との声を紹介し、感染肉製品の違法持ち込みを見逃した政府の責任は重大だと強調。訪日外国人の急増で、家畜防疫官1人あたりの業務負担は年間6万7千人と10年前の2・8倍だとし、人員と探知犬の大幅増を求めました。吉川農水相は、探知犬の増頭を含め「至急検討したい」としつつ、政府の責任には言及しませんでした。
また田村氏は、農家への補償金は殺処分時の豚の月齢で決まるため、成長後の出荷時に得られる額との差が十分補てんされないと指摘。池田一樹消費・安全局長は補てんには触れず、「他に家畜防疫互助基金がある」などと答えただけでした。
田村氏は、同基金による1頭あたり約5万円の支給は種豚の実勢価格約10万~15万円に届かず、「被害農家は経営再開の意欲を失ってしまう。養豚業再開に希望がもてる対策を」と求めました。(しんぶん赤旗 2019年3月9日)