衆院農林水産委員会で3月31日、家畜遺伝資源の不正競争防止法案と家畜改良増殖法改正案が全会一致で可決されました。契約に違反した精液の国外持ち出しを差し止められるようにするものです。日本共産党の田村貴昭議員は質疑で、問題点をただしました。(質問動画はこちら)
両法案は、2018年に和牛精液・受精卵が中国へ持ち出された事件がきっかけ。通常、精液などを購入する場合、利用する地域を限定する契約を結びます。法案は、県の畜産試験場などの生産者がこの契約に違反した輸出の差し止めを請求できるようにします。
田村氏は、県が優越的地位を利用して個人の家畜改良事業者を抑圧するような契約を強いる事例があることを指摘。「県の方針と違うことを理由に、不当な圧力を加えることは許されない」と強調しました。水田正和生産局長は、「その通りだ」と答弁しました。
法案では、国・県の施策への協力義務が課されます。田村氏は、「農家や授精師の自由な家畜改良が阻害されることがあってはならない」と主張。水田局長は「あくまで努力目標だ」とし、強制力をもつものではないと説明しました。(しんぶん赤旗 2020年4月1日)