日本共産党の田村貴昭議員は2月15日の衆院予算委員会で、鹿児島県西之表市の馬毛(まげ)島への米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)移設をめぐり、民意を無視して計画を進める政府の姿勢を批判し、基地建設を断念するよう求めました。
田村氏は、爆音被害をもたらすFCLPが深夜3時まで続き、日米戦闘機による訓練を年150日行うなど政府の計画は「大基地計画だ」と指摘。1月末の同市長選で「基地は容認できない」と訴えた八板俊輔氏が再選したことをあげ、「民意は示された。基地建設に踏み出すことはできない」と迫りました。
菅義偉首相は「地元の理解と協力を得られるよう努力する」と述べるにとどめました。田村氏は「基地設計も地元に説明せず始めた。なりふり構わぬやり方に地元の理解は得られない」と批判しました。
さらに、住民説明会で種子島に住む高校生が「離島の高校生は就職や進学で一度島を出る。種子島の豊かさは自然と人だと思う。それを守ることで帰ってきたいなと思う島になり、大好きな種子島が続いていくことにつながると思う」と発言したことを紹介し、「この思いを受け止めるべきだ」と追及。菅首相は「理解と協力を得ることが大事」と同じ答弁を繰り返しました。
田村氏は、基地建設で無用の分断が持ち込まれ、住民は苦しんでいると指摘。「かつて馬毛島で暮らした思い出が住民の心に刻まれている。軍事基地化はふるさとを奪うことと同じだ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2021年2月16日)