日本共産党の田村貴昭議員は3月19日の衆院環境委員会で、政府が推進する大規模バイオマス発電について、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」が求めるカーボンニュートラルに反するとし、推進すべきでないと主張しました。(質問動画はこちら)
田村氏は、国内外の環境NGO34団体や500名以上の科学者が、大規模バイオマス発電をやめるよう日本政府に求めていることを紹介。「大規模発電は、輸入木材に依存し、天然林の大量伐採につながっている」と指摘しました。また、「伐採、加工、輸送、燃焼にいたる過程で温室効果ガスが排出される」として、排出量を把握もせずに推進していることを批判しました。経済産業省の茂木正・省エネルギー・新エネルギー部長は、排出量の算定方法を検討中だとしつつ、いつまでに検討するのかは明らかにしませんでした。
田村氏は、過去20年間に約350万ヘクタールの熱帯雨林がアブラヤシの大規模農園に転換されていると指摘。「インドネシアやマレーシアで野生生物の生息地を奪っている」と批判し、「気候危機対策のためには、燃料は地域の未利用木材や廃材のみとし、熱利用を条件とした小規模分散型の発電に限るべきだ」と提起しました。小泉進次郎環境相は「地産地消が望ましい」と応じました。(しんぶん赤旗 2021年3月20日)