日本共産党の田村貴昭議員は4月9日、地域的な包括的経済連携協定(RCEP)承認案を審議している衆院外務委員会で、自由貿易化で日本の食料自給率が38%まで下落したとして、輸入依存の食料政策を批判しました。(質問動画はコチラ)
RCEPには、日本、中国、韓国や東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国など15カ国が署名しています。
田村氏は、RCEPで多くの野菜や果物の関税が撤廃されるとし、輸入生鮮野菜の80%をRCEP署名国が占めていることから、国内生産への影響は避けられないと指摘しました。
葉梨康弘農林水産副大臣は、加工用の輸入品と生鮮の国産品はすみ分けており、国内生産への影響はないと答弁。田村氏は、流通の現場では加工用と生鮮の境目はないと指摘するとともに、関税は国内生産を守る意思表明でもあり、「関税ゼロの重み」を考えるべきだと批判しました。
田村氏は、国境措置(関税)の撤廃が原因で、将来に展望が見いだせず、農業の担い手が減り、供給量が落ち、食料自給率が38%にまで落ち込んだと指摘。「こんなことはやめるべきだ」と主張しました。
また、新型コロナウイルス禍の中で、食料の輸出規制が起きていると指摘。輸入依存の日本は、輸出規制で食料入手が困難になりかねないとして、自由貿易化を進めた結果、危機に弱い社会経済構造をつくりだしたと批判しました。さらに、すべての人が食料を適切に入手する権利の障害になっていると指摘される、世界貿易機関(WTO)体制の見直しを求めました。(しんぶん赤旗 2021年4月10日)