衆院外務委員会が4月14日、地域的な包括的経済連携協定(RCEP)の承認案について参考人質疑を行い、日本共産党の田村貴昭議員が質問しました。RCEPには、日本、中国、韓国や東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国など15カ国が署名しています。
田村氏は、RCEPによる野菜と果物の関税撤廃の影響について質問。参考人の鈴木宣弘東京大学大学院教授は、青果物全体の貿易額で加重平均して関税水準をみると、ほぼゼロになり、影響は甚大だと答えました。鈴木教授は、農業生産減少額が5600億円強、野菜・果実だけで860億円という独自のRCEP影響試算を紹介しました。
田村氏はまた、新型コロナウイルスの感染拡大のもとで国外では輸出制限に踏み切る動きもあったとし、食料自給率の向上は死活問題だと指摘。RCEPなど自由貿易協定は食料主権の確立、食料自給率の向上と相反しないかと質問しました。
鈴木教授は、自由貿易は、関税や規制の撤廃、知的財産権の強化に偏っており、食料自給率が下がる国も出てくると指摘。富の分配の平等や、人々の命を守る政策を含め、自由貿易協定の目的を考え直すべきだと答弁しました。(しんぶん赤旗 2021年4月15日)