3月1日の衆院本会議で、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の支出根拠となる「特別協定」が審議入りしました。日本共産党の田村貴昭議員は負担義務のない米軍駐留経費の負担が拡大されてきたことを厳しく批判し、「同協定の廃止は当然だ」と迫りました。(質問動画はコチラ) (質問要旨はコチラ)
田村氏は、日米地位協定24条は米軍維持費について「日本に負担をかけないで合衆国が負担する」と明記しているにもかかわらず、米国の要求に応え「思いやり予算」として隊舎や家族住宅などの施設整備、給与本体、光熱水料、訓練移転にまで負担を拡大してきたと指摘。その上で、特別協定締結時、日本政府は米国の財政赤字を締結の最大の理由としていたことに言及。債務残高が主要国で最悪レベルの1200兆円を超える日本の財政状況を強調し、「特別協定は廃止するのが当然だ」と主張しました。林芳正外相は「将来のあり方について、国民の理解を得られるよう協議する」と述べるにとどまりました。
また田村氏は、米軍が訓練で使用する資機材調達費用にまで負担を拡大していることを批判。戦闘機訓練の移転先についても米軍嘉手納・三沢・岩国各飛行場に新たに米本土のアラスカを加えたとして「在日米軍が従来から参加している訓練の費用まで肩代わりするものではないか」と指摘。「米軍による本国の訓練は当たり前であり、これを基地負担軽減の名で合理化することは許されない」と強調しました。林外相は「(アラスカの移転先追加で)沖縄などの負担軽減を促進させることができる」と開き直りました。(しんぶん赤旗 2022年3月2日)