日本共産党の田村貴昭議員は10月27日、衆院農林水産委員会で、肥料等の高騰と価格低下で米農家が苦境にあえぐなか、政府が多額な税金を投じて米国からミニマムアクセス(MA)米を購入している姿勢を追及し、「この矛盾を見直すべきだ」と迫りました。(質問動画はコチラ)
田村氏は、肥料、燃油、資材費などが高騰し、米の生産費が60キロ15000円以上となるなか、米価格のほとんどが生産費を大きく下回る水準にとどまっていると指摘。「農水相は『食料自給率向上』『食料安全保障の強化』というが、その前に離農が続発する」と警告を発しました。
田村氏はまた、肥料コスト上昇分の7割を支援する政府の政策が、昨年からの肥料代の上昇を1・4倍と実態より低く仮定しているため支援額が7割よりはるかに少なくなる実態を告発。「実際の高騰分や差額を証明できる農家に差額全額を補助してはどうか」と改善策を提案しました。
田村氏はさらに、高額なミニマムアクセス米を米国から買い、2020年度は367億円の赤字を出し、その米もほとんどを飼料用に回している事実を突きつけ、「毎年、計ったように36万トン前後輸入している」「国内では主食用米の転作を奨励し飼料用米が余っていると水田活用交付金を削減し、一方で巨額の税金をつぎ込み米国から米を輸入し飼料用に回している。矛盾ではないか」と追及しました。
農水省の平形雄策農産局長は、米国からの定量輸入は条約上の「義務ではない」と答えたものの、野村哲郎農水相は「国際ルールは守らなければいけない」とごまかしました。(しんぶん赤旗 2022年10月28日)