5年間で43兆円の大軍拡のため、新たに「防衛力強化資金」を創設する軍拡財源法案に関する参考人質疑が4月21日の衆院財務金融委員会で行われました。
柳沢協二元内閣官房副長官補は、敵基地攻撃能力について、発射準備中の弾道ミサイルの攻撃地点を把握することはできない上、速度が遅い長距離巡航ミサイル・トマホークでは相手基地を発射前に攻撃するのは不可能だと指摘。第一撃を受けた後に敵基地攻撃することになり、「ミサイルを撃ち合う戦争に拡大する」と述べ、「日本国民の安全に役に立たないどころか有害だ」と批判しました。
金子勝慶応大名誉教授(財政学)は、安倍政権時に、軍事ローンである後年度負担を約6兆円に膨張させ、歴代政権が軍事費の目安としてきた「国内総生産(GDP)比1%」を守れなくなったと指摘し、「今回の防衛費増大も、なし崩しの防衛費増大政策が行われてきた結果だ」と強調。第2次世界大戦中に、戦争終結まで一度も決算しない臨時軍事費特別会計が国債で運用され、終結後にハイパーインフレになったと示し、「今の日本は似た状況だ」と述べ、「このまま法案を通せば、歴史に禍根を残す」と警告しました。
日本共産党の田村貴昭議員は、戦争回避のための外交努力について質問(質問動画はコチラ)。柳沢氏は、米国、中国、台湾に現状維持を再確認する働きかけが必要だと指摘し、「東アジアでも米中戦争を歓迎する国はない。日本もそういった国と連携し、外交すべきだ」と語りました。(しんぶん赤旗 2023年4月22日)