日本共産党の田村貴昭議員は5月19日の衆院財務金融委員会で、大軍拡のために「防衛力強化資金」を創設する軍拡財源法案について、さまざまな疑義に対してまともに答弁をしない鈴木俊一財務相を追及しました。(質問動画はコチラ)
田村氏は、軍事費に回される決算剰余金の元は新型コロナ対策などの予備費で、その財源は赤字国債だと指摘。「結局、赤字国債を軍事費に注ぎ込むことになる」と迫りましたが、鈴木財務相は「一概に国債が原資と評価するのは適当でない」と述べ、「(国債を)防衛力の財源と位置付けることは困難」とした自身の答弁と矛盾する態度に終始しました。
また田村氏は、政府が、医療や年金に回すべき積立金や、東日本大震災の復興特別所得税を軍拡財源に回し、「歳出改革」を狙っているとして、「行き着く先は国民負担増、大増税であるのは明らかだ」と追及。イージス・システム搭載艦についても、艦船の規模や建造費用も何も決まっておらず、搭載予定の極超音速滑空兵器の迎撃システムは開発中だと指摘し、「肝心の中身がはっきりしない」と追及。鈴木財務相は「今後の予算編成の過程で精査する」と述べるのみでした。
田村氏は「精査もしておらず、いいかげんだ。聞いたことに答えていない」とさらに追及。塚田一郎委員長が「理事会申し合わせの時間だ」と審議を打ち切ろうとしたのに対し、田村氏は「私は質疑打ち切り、採決に同意していない」と主張し、質疑を続けました。これに塚田委員長は、「質疑を終局します」と宣告し、採決を強行しました。(しんぶん赤旗 2023年5月20日)