全国各地で起きた豪雨災害を受け、衆院災害対策特別委員会は8月8日、閉会中審査を行いました。日本共産党の田村貴昭議員は被災農家支援について質問し、「離農・廃業を生まないためにあらゆる制度をフル活用し、最大級の対策を行うべきだ」と主張しました。(質問動画はコチラ)
田村氏は、冠水被害でシクラメンが出荷できなかった、山からの土砂の流入で果樹や苗などの深刻な被害が出たなど、視察した福岡県の被災状況を報告。「コロナによる減収、肥料・資材の高騰で大きな打撃を受け、今回の水害に見舞われた。過去に例がない未曽有の事態だ」と強調し、農地利用効率化等支援事業・被災農業者支援タイプを発動するよう迫りました。野中厚農林水産副大臣は「交付金は過去に例のないような甚大な被害があった場合のものであり、実態を把握したい」と答えました。
田村氏は、営農再開を進める被災農家には「資材の高騰で共済や収入保険の掛け金を納められなかった」という人も少なくないとし、次期作への支援を強めるべきだと求めました。
田村氏は、秋田県内では16カ所以上で河川が氾濫し、秋田市の浸水世帯は推計最大3万2000(全世帯の23・4%)にのぼったことや、福岡県の筑後川の堆積土砂の問題も指摘し、治水対策の計画を加速化するよう要求。豊田俊郎国交副大臣は「財政的・技術的支援にとりくみ、気候変動による降雨量の増大にも対応できるよう見直しを進める」と答弁しました。
田村氏は、国の指定重要無形文化財である大分県日田市の小鹿田焼(おんたやき)や福岡県の久留米絣(かすり)の工房などの被害に言及し、伝統の継承が断たれないよう支援強化を要求。鈴木敏之文部科学戦略官は「必要に応じた補助額の増額を検討している」と答えました。(しんぶん赤旗 2023年8月9日)