日本共産党の田村貴昭議員は11月16日、衆院災害対策特別委員会で、岸田政権が花粉症対策として集中的に進めようとしている大規模なスギ林の伐採が、土砂災害の危険性を高める可能性があるとして、対策を求めました。(質問動画はコチラ)
政府は10月、関係閣僚会議で花粉症対策を決定。年度内にスギ人工林の伐採重点区域を設け、10年で2割減、30年で半減させると決めました。半減といえば215万ヘクタールもの面積を伐採することになります。
田村氏は「森林は雨水を受け止め、土砂崩れを防ぐ重要な機能がある。伐採面積の木を全て切ってしまう『皆伐』は、土砂災害の温床をつくることになる」と指摘。2020年の熊本県八代市坂本町市ノ俣集落の土砂崩れの事例を示し「集落は土砂災害警戒区域だったが、急斜面を広範囲に皆伐され、崩れた土砂がふもとの集落を襲った。伐採重点区域は、土砂災害警戒区域につながる山林も対象となるのか」とただしました。
武村展英農林水産副大臣は「土砂災害警戒区域など、災害のおそれのある地域は避ける」と明言しました。
さらに田村氏は「災害を防ぐための保安林を定める農水省の森林法と、国交省の土砂災害防止法は、縦割り行政により全くリンクしていない。関連付けを図るべきだ」と要求。「粗悪な作業道の崩壊を誘発する高性能林業機械の補助をやめ、ワイヤロープで木を運ぶ架線集材と、崩れない森をつくる自伐型林業への支援に大きく軸足を移すべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗HPより)