能登半島地震 住宅再建新交付金 対象地域限定の不合理/対象外の自治体 適用求め要望書

4月4日 災害特田村貴昭議員「不公平なくし支援金増額を」
 
 能登半島地震の復旧・復興が急がれるなか、政府が創設した被災地の住宅再建に向けた「地域福祉推進支援臨時特例交付金」(新交付金)は、対象を石川県の6市町に限定しています。対象外の自治体・住民から拡大を求める声が相次いでいます。日本共産党の田村貴昭議員は4月4日の衆院災害対策特別委員会で「支援の線引きに納得いく説明も合理性ある根拠もない」と指摘し、対象を拡大し、住宅再建に希望を示すよう強く求めました。(質問動画はコチラ)
 
 新交付金は、住宅再建のための建設・購入・補修に最大200万円、賃借の初期費用などに最大100万円を給付するもの。能登地域の七尾、輪島、珠洲の3市と志賀、穴水、能登の3町が対象です。
 
国の口実破たん
 
 厚生労働省は、6市町に限定する理由に「6市町の高齢化率が高い」ことなどを挙げています。田村氏は、65歳以上の人がいる世帯の比率が七尾市の58%に対し、対象外の羽咋市は63・7%、宝達志水町は66・5%、中能登町は63・3%(表)にのぼると指摘しました。
 
 宮崎政久厚生労働副大臣が「指摘のとおりの高齢化率の数字は承知している」と認めながら、「家屋を建設できる土地が極めて少ない」ことを理由に持ち出したのに対し、田村氏は、家屋建設の土地が乏しい状況はどこでも共通していると反論。高齢化率も地理的理由も線引きの根拠にはならないことを明らかにしました。
 
 「家を失った苦しみはどこでも同じ」―。田村氏は、地震による液状化などで甚大な住宅被害が発生した新潟県と富山県は知事自らが新交付金を対象とするよう政府に直談判しているが、「被災自治体の声を無視するのか」と追及。宮崎氏は「被災者生活再建支援金や資金貸付の特例措置を用意している」と述べるだけでした。
 
多額の費用必要
 
 石川県内で交付金対象外にされた自治体のうち6首長が連名で出した新交付金の適用を求める要望書は「住宅の再建に多額の費用がかかることは、すべての被災住民にいえること」だと訴えています。田村氏は「被災全自治体が適用となる支援金だけでは足りないから、新交付金も平等に扱ってほしいとの願いだ。これだけの被害を軽視するのか。制度による被災自治体・住民の分断は復旧・復興の妨げとなる」と強調しました。
 
 東日本大震災では住宅再建に1世帯あたり2800万円かかり、うち1800万円を借金でまかなったといわれています。新交付金が支給されても住宅再建には困難が伴います。田村氏は、新交付金の不公平をなくし、被災者生活再建支援金を最大600万円以上に引き上げ、「半壊」「一部損壊」まで対象を拡充するよう求めました。(しんぶん赤旗 2024年4月6日)