日本共産党の田村貴昭議員は4月12日の衆院財務金融委員会で、自営業者やフリーランスの配偶者と親族が定額減税の対象から外された問題について、「自営業者の家族を区別するなど容認できない」として支援の対象とするよう求めました。(質問動画はコチラ)
岸田文雄首相の肝いりで始めた所得税・住民税の定額減税では、所得税法の従来の配偶者や家族の定義を準用し、定額減税の対象を決めています。所得税法第56条は、自営業者の家族の労賃が経費として認めず、代わりに専従者控除(配偶者は86万円)として概算控除するため、自営業者の配偶者や家族は税法上の扶養親族から除外されています。
田村氏は「定額減税は賃金上昇が物価高に追いつかないため、国民の負担を緩和するものだ」「所得税第56条のために、自営業者の家族はどれだけ働いても労働の対価として控除されず苦しんできた。定額減税までも差別をするのか」と追及しました。
鈴木俊一財務相は、今回の定額減税は給付措置と一体のもので、現在、内閣官房で給付金で対応できないか検討中だと答弁。初めて改善策に言及し「関係部局と連携し対応したい」と述べました。
また、定額減税が複雑な仕組みのため企業に膨大な事務コストが発生していることから、田村氏は「労働者の賃上げを底上げするための支援なのに、企業が多額の負担を負うと、赤字企業は賃上げしにくくなる」と指摘し、定額減税制度の矛盾を批判。政府が企業のすべての負担を補填(ほてん)するよう求めました。(しんぶん赤旗 2024年4月13日)