輸入依存 農家の希望失う 田村氏が指摘 農基法改定案 衆院通過

討論する田村貴昭議員=4月19日、衆院本会議 食料・農業・農村基本法改定案が4月19日の衆院本会議で、自民、公明、維新の賛成で可決しました。日本共産党と立民、国民、れいわなど各党は反対しました。
 
 共産党の田村貴昭議員は討論で、食料自給率の落ち込みの原因は輸入自由化なのは明白にもかかわらず、改定案では「安定的な輸入の確保」と輸入依存を認め、輸入安定国の多様化、相手国への投資まで盛り込み、輸入拡大を正当化していると批判しました。(動画はコチラ) (討論の要旨はコチラ)
 
 田村氏は、政府が「米の需要が減退している」としながら、義務ではないのに需要の1割を超える77万トンものミニマムアクセス米を輸入し、累積で6351億円の税金を投入したことを指摘。「その半分はアメリカ産米。農家に希望を失わせる異常な輸入依存と、卑屈なまでの米国追従はやめるべきだ」と強く求めました。
 
 田村氏は、農家を苦しめている肥料・飼料などのコスト高に対して、価格転嫁を唯一の方法としたことは「実質賃金の低下、低価格農産物の大量輸入を続けては、再生産可能な販売価格が実現できる保証はない」と批判。「農業予算を抜本的に増やし、価格保障・所得補償を行うべきだ」と指摘しました。
 
 田村氏は、同改定案は「食料と農業の危機を打開するには、ほど遠いものと言わざるを得ない」として、食料自給率の向上を柱に据え、際限のない輸入自由化路線を転換し、規模の大小を問わず農家の経営を全力で支えるよう求めました。(しんぶん赤旗 2024年4月20日)