医療提供体制 縮小加速 改定案 田村貴昭議員に参考人 衆院厚労委

20251126_2040362_t 衆院厚生労働委員会は11月25日、医療法改定案の参考人質疑を行いました。自民、公明、日本維新の会が提出した修正案に盛り込まれた病床削減について、医療法人健生会の山田秀樹理事長は意見陳述で、過剰な病床削減は「医療提供体制の縮小の加速と患者の受療権の侵害が起こる」と強調しました。
 
 日本共産党の田村貴昭議員が質問し、病床削減は「必要な入院もできなくなり、外来、在宅医療、介護の連携が崩れる懸念がある」と指摘。山田氏は、介護事業所の経営が医療機関以上に厳しい中、受け皿の整備が全く追いついていないのが一番の問題だと主張しました。質問動画はコチラ
 
 田村氏は医師不足の影響を質問。山田氏は、健生会の17の診療所のうち定年延長ないし直前の医師5人が所長を務め、高齢の医師に通常勤務を頼まざるを得ない状況だと説明。経営改善と医師の補充をしなければ、「地域の最前線で医療を支える診療所が立ちゆかなくなる可能性が都市部でもある」と警告しました。ドイツではコロナ禍を契機に医師増員の議論が進み、英国や米国などでも医学部定員増に転じたと指摘しました。
 
 田村氏は、コロナ禍の最大の教訓は緊急時のために医療提供体制に余裕をもたせることだと強調。山田氏は同会の急性期病院について、安定経営のためには病床稼働率が94%以上も必要だと述べ、「病床稼働率が80%前後で経営が成り立ち、有事に備えた空き病床の確保ができるよう医療計画に位置付けるべきだ」と強調しました。医師や看護師が残業せずに診療ができるよう、ゆとりのある人員配置とそれを保障する診療報酬の増額を求めました。(しんぶん赤旗 2025年11月26日)