189-衆-総務委員会 2015年03月05日 東日本大震災から4年 被災地への人的・財政的支援について政府をただす 田村貴昭衆院議員

○田村(貴)委員
日本共産党の田村貴昭でございます。

きょうは、被災自治体における公務労働者の不足問題及び震災復興特別交付税の継続、拡充について、質問をします。

東日本大震災から四年がたとうとしています。震災からの被災者救援そして救済、復旧復興の支えになっているのが自治体職員、公的マンパワーであります。

ここに一冊の本を持ってまいりました。「三・一一岩手 自治体職員の証言と記録」と題する本であります。岩手県の各自治体で救援、復旧に当たってきた自治体職員がみずから書きおろした記録集であります。
市役所に泊まり込んで、五十一日間連続で広報誌を発行し続けた陸前高田市の広報課担当職員、学校の給食室で被災者のために九千個のおにぎりをつくり続けた大船渡市の学校給食調理員さん、家族と四カ月間離れて働き、被災した住民に寄り添い、心身の健康をサポートしてきた大槌町の保健師さん等々であります。本当に頑張っておられます。

自分たちが頑張らなくてはいけない。自分も被災し、家族のことは二の次で、全体の奉仕者としてその自覚が貫かれています。この公務労働者の努力と奮闘なしに、復興が進む今の被災地の姿はあり得ないと思います。そして、現在も、この時間も被災地においては、自治体職員が、あるいは派遣された職員が懸命の活動に当たっています。

高市大臣、被災者、被災地の救援そして復興に当たって、公務労働の果たす役割、公的マンパワーは極めて重要であると考えますが、いかがでしょうか。


○高市国務大臣

今委員から、みずからも被災されながらも、歯を食いしばって、高い使命感を持って多くの方々のために働き続けられた公務員のお話もございました。
あの東日本大震災の被災地の復興に当たっては、復興計画の策定、用地の取得、設計、工事の実施など、ハードだけじゃなくてソフトにおいても復興事業を着実に進めていくということが必要でございます。ですから、こうした事務ですとか専門知識に精通して復興事業を担っておられる地方公務員の役割は、極めて重要なものだと思っております。


○田村(貴)委員
大臣から、重要だとの御回答がありました。

ところが、大臣、その被災者の支援と復興にかけがえのない役割を果たしている公務労働者が不足しています。深刻な人員不足の状況にあります。
この間、総務省が全国市長会、全国町村会に呼びかけて、全国の自治体から応援派遣がされているわけでありますが、被災自治体からの要望人員数及び充足数についてどういう状況下にあるか、直近の資料で結構ですので、説明をしていただきたいと思います。


○丸山政府参考人
お答えをいたします。
平成二十六年度における被災市町村からの人的支援の要望に対する充足状況でございますけれども、平成二十七年一月現在で、岩手県につきましては、要望数四百九人に対して充足数三百七十五人、充足率九一・七%、宮城県につきましては、要望数九百十三人に対して充足数七百二十四人、充足率で七九・三%、福島県につきましては、要望数百八十四人に対して充足数百七十一人、充足率九二・九%となっております。


○田村(貴)委員
充足率一〇〇%に達していないわけでありますけれども、派遣状況の調査が行われた去年そしておととしの状況はどうであったのか。二〇一三年、二〇一四年、その当時の状況についても説明を受けたいと思います。お願いします。


○丸山政府参考人
直近の数字でお答え申し上げたいと思いますが、平成二十五年度につきましては、被災市町村からの千四百四十八人の人的支援の要望に対しまして、百五十九人が不足しておりました。

平成二十六年度につきましては、千五百六人の人的支援の要望に対しまして、平成二十七年一月現在でございますが、二百三十六人が不足しているところでございます。


○田村(貴)委員
今のは三県の合計でしょうか。三県それぞれに充足の数を下回っていたということでしょうか。


○丸山政府参考人
恐れ入ります。

先ほど県別の不足状況をお答えいたしましたが、ただいまお答えしましたのは、その三県を合計しての状況でございます。


○田村(貴)委員
三県ともにずっと必要な人員が確保されていなかったということであります。充足率が八割、九割。私の手元の資料では、三県の自治体中で足りているところは十四自治体で、二百二十二の自治体、実に九四%の自治体で不足の状況が続いております。

私はこの資料を見せていただいて、正直驚きました。全国の都道府県あるいは市町村の力をもってしても、あの甚大な被災を受けた東北の復旧復興に必要な人員が賄えていない。

それはなぜなのか、どこに原因があるとお考えでしょうか。お答えいただきたいと思います。


○二之湯副大臣

被災自治体の人材の確保につきましては、いわゆる正規職員あるいは任期つき職員の採用の拡大とか、あるいは職員の配置のシフトを被災自治体が懸命にやっておられるわけでございますけれども、それに加えて、全国の自治体からこれまで延べ八万七千人以上の方々の応援を得ているわけでございます。現在も、平成二十六年十月現在で、二千二百五十五人の全国からの職員の応援があるわけでございます。

一方、今、どうして充足されないのか、こうなりますけれども、高台移転等の防災集団移転促進事業や災害公営住宅建設事業を初めとした復興事業のために、事業量が震災前の八十倍を超えておるということもございまして、被災自治体における復興事業が非常に膨大な量になっておるわけでございます。

このような膨大な量の復興事業の実施のために多くの人員が必要になっていることから、被災自治体における要望に応えられないというのが現実であります。


○田村(貴)委員
膨大な事業量、そしてマンパワーが必要なわけです。

宮城県の石巻市です。一市六町の合併によって、五百五十五平方キロメートルに及ぶとても大きな自治体となりました。甚大な被害を受けたわけでありますけれども、二百五十二人の職員派遣要請に対する不足は五十七人になっています。二二%足らないわけです。

その中の旧雄勝町と旧牡鹿町は、合併とその後の行政改革によって、合併前の職員数と照らしたらどれだけ減ったか。三〇%、十分の三の職員数になって、そして職員が激減するもとで大震災が発生したわけであります。さらに、この震災で命を落とした市職員の方もおられます。

派遣の職員の応援なしに復興作業は進んでまいりません。せめて充足を希望するこの数字に追いついていくことが求められると思うんです。

岩手県の自治体職員の方にお話を伺いました。公営住宅の建設が全県でまだ一七%の進捗率とのことであります。

事業量は膨大です。被災地の復旧復興はまさに今からが正念場であります。
総務省も市長会も町村会も被災地に職員を送ろうと懸命の努力がされていることは、私も承知をしております。しかし、復旧復興を加速させていかなければなり
ません。そのためには、被災自治体の要望を満たす人員の確保を何としてでも達成させるべきではないでしょうか、お答えいただきたいと思います。


○二之湯副大臣
先生御指摘の、被災地の復興に当たって、復興事業を担う人材の確保は非常に緊急の課題であります。
したがいまして、総務省といたしましても、これまで、被災自治体への人的支援として、全国自治体に対する職員の派遣の要請、そして、被災自治体における任期つき職員の採用の支援、さらにまた、民間企業等の人材の活用の促進、さらに、被災市町村で働く意欲のある全国の自治体職員のOB職員に関する情報提供を行っているわけでございます。

引き続き、復興庁とも協力しながら、被災自治体の要望を伺いながら、より一層人的支援の充実に努めてまいりたいと思っております。


○田村(貴)委員
達成させるというふうに言明していただきたいと思うんですけれども。

被災地における復旧復興関連事業がいかに膨大なものであるのか。御答弁にもありましたけれども、例えば、総務省公務員部の米澤朋通高齢対策室長が「地方財政」の二〇一四年十二月号の中で次のように述べておられます。
歳出合計が震災前の十倍を超える市町村が出ている。投資的経費で見れば、陸前高田市は震災前の四十・三倍、釜石市では八十二・二倍という状況。そして、事業の中身は、土地区画整理や防災集団移転促進事業、災害公営住宅建設事業など、市町村にとってはこれまで事業実施の経験がないところが大半である。

そして、このように述べておられます。

派遣された職員が被災地公共団体で担当する仕事により、当該職員の能力が磨かれると思われます、こういうふうに書かれておられました。
高市大臣は、おとといの所信表明の中で、昨年の広島での大規模災害やあるいは御嶽山の噴火を挙げて、土砂災害、噴火災害の対策の推進を述べられました。そうなんです、災害というのはいつ起こるかわかりません。だからこそ最大の備えが必要でありまして、その核となるのは、災害のとき、そしてその後と続く公的マンパワーであることを私は申し上げたいと思います。

お尋ねします。

こういう状況を見るときに、とりわけ土木、建築に携わる専門職をふやさなければいけないのではないですか。災害時の課題を乗り切る職員を、これからの時代、大いに全国で育成すべきではないか、災害に対応するために大いにふやしていくべきではないか、御答弁いただきたいと思います。


○高市国務大臣
地方公共団体における土木技師の職員数ですが、平成二十六年四月現在で八万九百四十八人、建築技師の職員数が二万一千二百八十四人です。ピーク時の平成九年比で、土木技師の職員数は約一万四千人の減少、建築技師の職員数が一千三百人の減少となっているんですけれども、いずれも近年は増加傾向にございます。土木技師は平成二十五年から二年連続で、建築技師につきましても二十一年から五年連続で増加傾向にございます。

やはり地方公共団体において、地域の実情を踏まえながら、行政需要の変化に対応しためり張りのある人員配置を行って、しっかりとしたサービスが確保できるように、そしてまた、しっかりと復興が進むように、専門職員の配置というのをしていかなければならないと考えております。


○田村(貴)委員
ちょっとその数字は後でまた申し上げるとして、先ほどの本、岩手県の「自治体職員の証言と記録」という本の中から少し紹介したい方の文章があります。五十歳代の男性で、大槌町の職員の方でありました。来る日も来る日も遺体管理業務に当たられたということであります。

私自身も、震災二カ月後に行方不明の妹が見つかりましたが、何の感情も湧いてきませんでした。やはりそのときには精神的におかしくなっていたのだろうと思います。発災から十月までの間、土日に関係なく一日の休養もなく、気力だけで頑張って業務に従事しました。
震災から十カ月後、体調に変化が出てきて、物を覚えようにも全く頭に入らず、精神的に落ち込む日が多くなりました。きょうは休みたいと思っても、業務を休める状況ではなく、また、みんなも頑張っているんだ、私も頑張らなくてはと思い、業務を続けました。そんな中で、医師にうつ状態という診断を受け、薬の服用を指示されました。

当時を振り返れば、人が少ない中で無理なことですが、交代できる職員があればよかった、また、精神的にも心を癒やすためにも、一日でも休める日があればよかったと思います。このように述懐されています。

震災直後、全国自治体から応援が集中されて、その状況のもとでも人が足りていなかった、かわりが欲しかった、休みたかったと言われています。妹さんが亡くなっても何の感情も湧いてこなかった、本当に筆舌に尽くせない思いで働いていたんだろうというふうに思っています。

こうした仕事は公務労働でしかできません。そして、この職員は、交代できる職員が欲しかったと言っておられます。被災地のマンパワーをふやしていかなければなりません。

被災自治体の職員採用と派遣職員の受け入れ等を保障する震災復興特別交付税は、被災自治体にはなくてはならぬ大事な制度であると思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。


○高市国務大臣
本当に、御自分が被災されたりお身内を亡くされたり、つらい中で働いてこられた公務員の方は多いかと存じます。

まず、メンタルヘルスケアも大変重要な課題であり、私どもも精いっぱい取り組んでまいりますし、加えまして、やはり大変な復興事業を行っていく、また、住民への支援を行っていく上で、被災団体のマンパワーの確保は重要な課題であるということを認識しております。

被災団体におきまして、地方自治法に基づきます中長期の派遣職員の受け入れですとか、復旧復興業務への対応のための職員採用を行った場合に、その必要経費については震災復興特別交付税によって財政措置を講じております。

平成二十七年度の当初予算案においても、中長期職員派遣の受け入れや職員採用に要する経費も含め、震災復興特別交付税を五千八百九十八億円確保することとしております。


○田村(貴)委員
その核となる震災復興特別交付税、平成二十八年度、二〇一六年以降も継続、拡充すべきだとの自治体の要望がありますけれども、これは当然のことだと思います。この願いにはどうお応えになるでしょうか。


○高市国務大臣

震災復興特別交付税につきましては、平成二十五年一月の復興推進会議において、平成二十三年度から平成二十七年度までの集中復興期間中はその財源を確保することとしているところですので、まずは、復興の動きをさらに加速化して、集中復興期間において、被災地の一刻も早い復興を目指すということが重要です。

その後、平成二十八年度以降の復興事業につきましては、それまでの進捗状況を踏まえ、財源も含めて、そのあり方を検討することとなります。ですから、全体の復興財源フレームの中で、平成二十八年度以降の震災復興特別税のあり方についても検討されることになります。

しかしながら、いずれにしましても、被災地の復興に真に必要な事業の実施には支障が生じないように、適切に対応してまいります。


○田村(貴)委員

全体の進捗を見ながらといったところが基本だというふうに言われましたけれども、きょう私が述べたのは、やはり充足数に足りていない、そして土地区画整理とかあるいは用地買収とかいろいろな仕事があるんだけれども、何もかも一人でやらなければいけないから本当に大変だ、もうストレスがたまってしようがない、メンタルにも陥ってしまいそうだという方の話もいろいろ聞いてまいりました。やはりおくれているわけなんです。加速させなければいけません。そうした意味でも、二〇一六年以降も、震災復興特別交付税、これは継続し、さらに充実させることがやはり被災地にとって本当に助かる、この制度があるから頑張ってやれるというふうになると思います。ぜひ、政府におかれては検討していただきたいと思います。

次に、職員を送る側にとっての状況について考えてみたいと思います。

被災地に職員を派遣したくても、出せない事情が自治体にはあります。
総務省がまとめた資料、「東日本大震災の被災地方公共団体への職員派遣に際し、工夫している取組の例」という資料を読ませていただきました。例えば秋田県です、「定員適正化計画に基づく職員数の縮減を進めている中で、多くの職員を被災地へ派遣することは、本県自体の業務に影響を与えている。」大阪府堺市、「職員を派遣した所属の欠員については、所属内部で一時的に業務を再分配するか、臨時的任用職員を採用することで対応しているが、技術職においては代替職員を任用することも困難であり、対応に苦慮している。」ということであります。

送り出したいのはやまやまなんだ、しかし、うちも手が足りていない、特に技術職の派遣は困難だとの回答が寄せられています。全国の自治体で人員不足の状態にもあるわけなんです。

そこで、お伺いします。

集中改革プラン、これによって全国の自治体の職員は、また、とりわけ足りないと言われている土木、建築の技術職はどのような変遷をたどったのか。先ほど数字がちょっと出ましたけれども、改めて御説明いただきたいと思います。


○丸山政府参考人
お答えいたします。
集中改革プランの期間でございます平成十七年から平成二十二年の五年間において、地方公共団体の総職員数につきましては、二十二万八千二百四十七人の減少となっております。このうち、土木技師は七千八百九十三人の減少、建築技師につきましては九百七十三人の減少となっております。


○田村(貴)委員

やはりすごい数ですよね。五年間の集中で、全体で二十二万人。そして、土木技師が七千八百九十三人、建築技師が九百七十三人。ひところよりは取り戻すというようなお話がさっきあったんですけれども、一朝一夕にこれは取り戻せないんですよね。やはり期間を要する。そして、専門的な知識を身につけなければいけない職務にあるからなんです。

高市大臣、地方自治体の定数削減そして人件費削減は限界を通り越しているのではないか、さきの本会議質問でも私はこう述べましたけれども、このような状況をどう受けとめておられますか。


○高市国務大臣
総務省では、各地方公共団体の定員管理につきましては、地域の実情を踏まえつつ、自主的に適正な定員管理の推進に取り組むように助言をしております。

これを踏まえて、給与についてもそうなんですが、地方公務員法に基づいて、国民、住民の理解と納得が得られる適正な内容にすべきものという考え方で、必要な助言を行っております。
先ほど来、委員が、被災地に人的支援をしたくてもできない状況についてお話がございました。ただ、都道府県や政令市にあっては、被災市町村への派遣職員を確保するために、条例定数の増加ですとか任期つき職員の採用を行うなどして増員もしてくださっている、そういう団体もございます。

総務省では、引き続き、被災自治体の御要望を伺いながら、より一層人的支援の充実に努めてまいりたいと思います。民間企業への御協力などもお願いをいたしております。


○田村(貴)委員

二月十八日、都道府県財政課長会議で、総務省の内藤財政課長さんが給与関係経費のところで、ずっと定数削減の御努力をしていただいてきていて、その結果として、もうなかなか定員削減というのが難しい状況になりつつという現実を踏まえて対応しているということだがと述べられています。だからといって、やはり行革の努力というのは続けていかなければならないと続くわけでありますけれども、財政課長も、もう職員削減は難しい状況と認識しているではありませんか。

大臣、もう一回答えてください。人員削減は、人件費削減はもう限界を通り越しているというふうに私は思うんですけれども、どうですか。


○高市国務大臣

それは、地方公共団体の実情によって違うと思いますね。これで限界を通り越していると思われるところもあるかもしれませんし、むしろ、行政の効率化などで、必要な人材を必要な場所に移せた、有効活用できた、そのように考えていらっしゃるところもあるでしょうし、それは地域によってさまざまだと思います。


○田村(貴)委員
集中改革プランによって、国の方が地方に行政改革を要請してきたんですよ。人件費削減、給与費削減、これは紛れもない事実で、こういう現実があるわけなんです。
そして、現在もそうなんです。先月二十六日の本会議で、私は、まち・ひと・しごと創生事業費について質問をいたしました。元気創造事業費四千億円のうち、実に三千億円が行革努力分として継続されていること、そして、地方自治体の行革努力に応じて地方交付税に傾斜をつけるやり方は問題であると述べました。必要な人員確保の障壁となっているこの人員削減、こうした行革努力等の縛りはもうなくすべきだというふうに思います。

高市大臣、三千億円の行革努力分というのはこれからも継続していくんですか。また、さらにふやすつもりなんでしょうか。

昨年のこの委員会で、当時の新藤大臣は、「行革指標に係る割合を高くして、各地方団体にさらなる行革を促すことを考えているわけではございません。」と答弁されましたけれども、高市大臣はいかがでしょうか。


○高市国務大臣
最後にお話しになった点は、新藤大臣と同じでございます。
地域の元気創造事業費ですけれども、平成二十五年六月に閣議決定された骨太の方針の中で、「地方交付税において、新たに、地域経済の活性化に資する算定を行革努力と地域経済活性化の成果の二つの観点から行うこととし、頑張る地方を息長く支援するため一定程度の期間継続する。」とされたところです。

これまで行革に一生懸命取り組んできた努力を評価してほしいという地方団体の御意見があったことも踏まえて、平成二十六年度に創設をしました。ですから、一定程度の期間という閣議決定がございましたので、今後もその算定は継続する、頑張る地域を息長く支援していく。

ただ、これ以上、とにかく行革しろ行革しろとやれない、もうこれで精いっぱいだというところに対して強いるものではございません。


○田村(貴)委員
強いないでいただきたいと思います。
多くの公的マンパワーを必要としている一方で、被災地で、喉から、職員が欲しい、応援が欲しいという状況がある一方で、送り出す方には定員削減を求めていく、行革努力分を要請していく、これは矛盾しているのではありませんか。これでは、被災地が望む職員派遣は達成できないのではありませんか。やはり充足の希望に対してそれを満たす努力が払われるべきだと思いますけれども、副大臣、先ほどの御答弁で、達成感の決意、ぜひ聞かせていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。


○二之湯副大臣
突然の御指名で、もう一度、済みません。


○田村(貴)委員
副大臣でも総務大臣でも結構なんですけれども、やはりマンパワーを必要としている被災地がある一方で、送り出す側には定員削減を求めていく、これでは被災地の要望にかなう職員派遣ができないのではないかということについて、どうお考えになりますか。


○高市国務大臣
あくまでも、これまでの行革努力も評価してほしいという地方公共団体の御意見も踏まえながら取り組んでいることでございます。各団体の多様な行革努力を多面的に反映して算定をしているということで、特定の国の考えを地方に押しつけるようなものではございません。

また、使途を特定されない一般財源という地方交付税の性格というものもございますので、地方の多様性への配慮、そういったものにも十分対応しながら私どもは進めております。

マンパワーの重要性は、先ほど来委員が御指摘になったことも含めて、十分に理解をいたしております。


○田村(貴)委員
時間が来たようです。
平時の自治業務はもとより、災害対応のときこそマンパワーが必要であります。そして、この仕事は、公務労働者でなければ住民への責任は貫けないと思います。まち・ひと・しごと事業等における行革努力分を判断基準としたやり方、交付決定のあり方、そして自治体に人員削減を奨励するようなやり方は、やはり被災地の復興との関係からいっても改めるべきだ。二〇一六年度以降の震災復興特別交付税の継続、拡充も重ねて求めて、きょうの質問を終わります。

ありがとうございました。