○田村(貴)委員
おはようございます。日本共産党の田村貴昭です。
地域再生法の一部改正案について質問します。
最初に、コンパクトビレッジと交通ネットワークの問題についてお伺いします。
今回の地域再生法の改正案では、自治体の定める地域再生計画に、小さな拠点形成を初めとする地域再生土地利用計画を作成、記載できるというふうに定められています。政府の説明ポンチ絵では、生活・福祉サービスを一定のエリア内に集め、周辺集落と交通ネットワーク等で結ぶ小さな拠点を形成するとあります。説明ポンチ絵には、バスも走っています。
交通ネットワークの維持というのは、まさに住民の足の確保のことを指し、小さな拠点づくりを左右する大変重要なものだと私は認識していますが、石破大臣の御所見はいかがでしょうか。
○石破国務大臣
認識は委員と全く一緒でございます。
もちろん、それぞれの集落がかつてのにぎわいを取り戻せれば一番いいと思っておりますが、当面、人口は減るわけでございます。そうすると、小さな拠点にいろいろなものを集約して、高齢者の方であっても、小さな拠点で、歩いて全ての用が足せるということが望ましいのですが、その小さな拠点への連絡というも
のがきちんとなければ、幾ら小さな拠点を整備しても何にもならぬというお話でございます。
小さな拠点とともに、集落に住めるということも重視していかねばなりませんので、それをつなぐのは交通ネットワークである、かような認識でおるところでございます。
○田村(貴)委員
国土交通省にお伺いをします。
地方の公共交通を大きく担う路線バス、乗り合いバスですけれども、この輸送状況について、三大都市圏輸送人員数とその他の地域輸送人員数及びその合計について、一九七〇年と二〇一三年分を比較して説明をしていただきたいと思います。
○宮城政府参考人
路線バスの輸送人員につきましてお答えいたします。
一九七〇年度につきましては、三大都市圏の輸送人員は四十五億七千三百万人、その他の地域は五十五億になっておりました。一方、二〇一三年度でございますが、三大都市圏の輸送人員は二十七億三百万人、その他の地域は十四億七千三百万人となっております。
増減ということでございますが、三大都市圏につきましては、一九七〇年と二〇一三年を比べますと、四〇・〇九%の減、その他の地域につきましては、同じく七三・二%の減、このようになってございます。
○田村(貴)委員
今説明がありましたのが、資料一のグラフであります。答弁にありましたように、三大都市圏輸送人員とその他の地域輸送人員数ともに減少しています。特徴的なのは、三大都市圏、東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫以外の地方圏での減少が激しいということであります。この四十年間で輸送人員数の七三%が減少しました。
続けて国交省にお伺いします。
この数年間の路線バスの路線廃止キロ数について説明願えませんか。
○宮城政府参考人
路線バスの廃止キロ数についてお答えいたします。
平成二十一年度につきましては一千八百五十六キロメートル、平成二十二年度につきましては千七百二十キロメートル、平成二十三年度につきましては八百四十二キロメートル、平成二十四年度につきましては九百二キロメートル、そうしまして、平成二十五年度につきましては千百四十三キロメートル、このようになってございます。
○田村(貴)委員
私は九州なので、九州の部分について見てみますと、同じ五年間で千九百五十二キロ、約二千キロ、廃止路線キロ全体の三割についてが九州というところになっています。
こうした地方バス路線が撤退する中で増大してきた交通空白地域、これは資料三の絵の方に出ているんですけれども、この交通空白地域において住民のかけがえのない足となってきているのが自家用有償旅客運送であります。
これは、資料二の方にグラフが載っております。市町村の運営が黄色い帯、NPOなどの運営がオレンジ色で示されています。これを合わせますと五百十四団体になります。自家用有償旅客運送は、このグラフにありますように、団体数で見れば、身体障害者の移動を担う福祉団体が多いんですけれども、輸送人員数で見れば、全体の七五%を運んでいるのが、この黄色の部分の市町村が運営する有償運送であります。こうした有償旅客運送は、それぞれの特性を発揮して、交通空白地域である住民の足として大変重要な役割を発揮しています。
全国に過疎地集落が六万五千カ所ぐらいあるというふうに説明を受けています。この中で十数カ所の集落を一くくりにしますと、小さな拠点となるのは約五千ぐらいの集落生活圏になるというふうにも説明を受けています。これに照らしてみてどうなんでしょうか。五百十四団体の自家用有償旅客運送は、この集落地域に合わせてどの程度カバーできているのか、どのようなネットワークになっているのか。大まかでいいですけれども、わかれば御説明いただきたいと思います。
○内田政府参考人
お答え申し上げます。
委員御指摘のように、過疎地における生活交通の確保は極めて重要な課題と認識しております。これにつきましては、恐らく一つの手法だけではなかなか難しいというように考えておりまして、公的な補助を受けております路線バス、それから地方自治体等が運営いたしますコミュニティー、ディマンドバス、市町村、NPOが運営する、まさに御指摘のあったような自家用有償旅客運送など、さまざまな交通手段、地域の実態に合わせて最適な交通手段を選んでいくということが肝要であると思っております。
これにつきましては、小さな拠点に取り組む積極的な市町村が、自家用有償旅客運送のみならず、先ほど申し上げましたようなさまざまな手法の中から適切な手法を選択して住民の足の需要というものをカバーしていく必要があるというように考えておるところでございます。
以上でございます。
○田村(貴)委員
カバーしていく必要があるとお答えになったんですけれども、どうカバーされているかについてはよくわかりませんでした。
内閣府の方はいかがでしょうか。小さな拠点形成の重要な役割を担う交通ネットワークです。現行制度であまねくカバーできるというふうに認識されていますか。
ごめんなさい、国交省と、私、間違えました。内閣府の方にもう一回聞きますね。では、あまねくカバーできるというふうに捉えておられるでしょうか。
○内田政府参考人
申しわけございません。内閣府の方でございますが、一部繰り返しになりますが、まさに先生御指摘のように、これは先ほどの小さな拠点、今の手法のみで完全にカバーできるかどうかというのは、必ずしもカバーできるとは言い切れないとは思っております。
ただし、先ほど御答弁申し上げましたようなさまざまな手法を組み合わせて、おのおの地方市町村が地域の実情に合わせた手法を組み合わせていくということで確保できるように、私どもとしては関係省庁との連携のもとに支援してまいりたい、かように考えております。
以上でございます。
○田村(貴)委員
まさに確保していただかなければならないというわけなんですけれども、国土交通省の地域公共交通確保維持改善事業というのがございます。これは、二〇一一年度から生活交通サバイバル戦略として新規に発足した事業と伺っています。過疎地域等におけるバスやディマンドタクシーの運行や駅のバリアフリー対策、離島航路、離島航空路の運航などを支援して、実績を積み重ねています。
そこで、石破大臣にお伺いしたいんですけれども、自家用有償旅客運送にしても、地域公共交通確保維持改善事業にしても、その意義と役割は十分私もわかります。全国で集約とネットワークを今から進めていくと言われるのならば、やはりあまねくカバーするためには、地方創生の立場から、独自のネットワークづくりのアプローチが必要であると私は今考えています。
現に生活の営みがある全国の集落を守るのであれば、全国六万五千の過疎地集落の住民の足が、地方路線バスやコミュニティーバス、自家用有償旅客運送、緑ナンバー、白ナンバー合わせて、どのように確保されているのか、あるいはいないのか、まずはここを掌握することが大事でありますし、その維持、充実の保障があるのか、ここをしっかり掌握すべきだと考えますけれども、大臣、御所見はいかがでしょうか。
○石破国務大臣
これも委員のおっしゃるとおりで、それぞれの集落でそれぞれの事情がございます。バスがなくなっていったのは、結局、皆が車を持つようになりました。過疎地ほどとは言いませんが、そこで大事なのは、いわゆる軽トラというものがあれだけ走っておって、かなり高齢者の方も軽トラを運転されるのですが、そういう過疎地において、そういうようなものがかなり重要な交通の足になっているのだけれども、高齢化が進めば、運転すること自体が難しくなってくる、危なくなってくるということがございます。
大事なのは、委員御指摘のように、それぞれの地域のそれぞれの集落で、九州、福岡県、北九州、いろいろなところがございますが、それぞれの実情をきちんと把握することが大事だというふうに思っております。
フィーダー事業等々いろいろな形で政府としても考え、また今回の法改正をお願いしておるところでございますが、一番大事なのは、地域の実情をきちんと踏まえて、そこで暮らしておられる方々が小さな拠点に対するアクセスがきちんと確保されるということでなければ、小さな拠点、コンパクトビレッジの構想というのは意味をなさないものだというふうに考えております。
○田村(貴)委員
大臣、そこで私、ちょっと気になる記事があったんですけれども、二月二十二日付の西日本新聞。私もこの日、読んで、おやと思ったんですけれども、石破大臣に西日本新聞社がインタビューをして、その記事であります。そこで大臣はこうおっしゃっているんです。「地方で生産性や収益を上げるには、コンパクトシティー化と企業の集積が必要だと思う。集落再編でなくなる集落はかわいそうだが、全ての集落に同じインフラを整備すると、いくらお金があっても足りない。切って捨てることはしないが、粘り強く住民の合意を得なければならない」、こうした一文がございました。
なくなる集落というのはどういうところを指すんでしょうか。過疎地集落の住民を移動させて、別のところで住んでくださいという意味なんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○石破国務大臣
これは、インタビューを西日本新聞さんでいろいろとまとめていただいたものなので、何かこういう血も涙もないようなことを私は言った覚えは全然ないのであります。
結果的になくなるというのは、私自身、過疎の典型のようなところが選挙区であります。どんなに努力をしてもなくなっちゃうというところがないとは私は思いません。なくさないために最大限の努力はいたします。
それは、結果的にという言葉が多分ここでは落ちているんですが、集落がなくならないように、そこに住みたいという方がおられる限り、これは居住の自由というか、そういうような言葉が明確に憲法にあるわけではございませんが、そこに暮らしたいという方々の御意向というのは最大限尊重はしなければならない。
しかし、そこにおいて暮らしておられる方々が、例えば、今回でいえば小さな拠点の構想にどれだけ御理解をいただくか、そこの集落のそういう暮らしを守るために行政としては何をすべきなのかということは、お仕着せではなくて、その方々の御意向をよく聞かねばならぬということだと思っております。
言葉が足りなければ大変申しわけないのですが、そこは、結果的になくなる集落はお気の毒です。ただ、なくならないために私どもとして最大限の努力をするのであって、切って捨てるようなつもりは全くございません。
○田村(貴)委員
そこに住みたいという人がいる限りと、憲法のことも引き出されて、尊重するというふうに御答弁がありました。大臣、少し安心しました。
全国の全ての生活の営みがある集落は維持していくというふうにも受けとめたわけでありますけれども、私はそこが大事だと思います。しかし、なくなっていく集落、それは自然現象として歴史的にはあったというふうには思いますけれども、これを人為的に政治力でやっていくのはやはり間違いじゃないかなというふうに思います。
全国の全ての生活の営みのある集落は維持していく、基本的な立場は言明していただけるでしょうか。
○石破国務大臣
これは、政府の中でも、あるいはうちの役所の中でもさんざん議論したことでございます。あえて憲法ということに触れましたのは、やはりそういうものは国民の権利なのだというふうに考えておりまして、それを人為的に、そこに住んではいかぬなぞということを申し上げることはしてはならないのだと思っております。
一方におきまして、この厳しい財政事情の中において、そこの方々の御希望をいかにして、納税者の負担ということを念頭に置きながら、言い方は難しいのですが、最大の効果を上げるための最も効率的な仕組みというのは何であろうかということも考えていかなければなりません。
そこにお二人住んでおられる、三人住んでおられる。実際に、私の選挙区でも、もう二人しか住んでいないとか、三人しかお住まいでない、そういうところは現にございます。そういった方々の暮らしをどのようにして納税者の負担をもって支えるかということはよく御理解をいただきながら、そういうところの集落の暮らしというものを維持していきたいし、なろうことならば、そこに人がまたやってくるような形もつくっていきたいと思っております。
そこにおける人の暮らしを維持するとともに、そこは中山間地である場合が多いので、そこの国土、畑でありますとか田んぼでありますとか森林でありますとか、そういうものもいかにして守るかということが、その地域の暮らしということの大きな概念であって、人の営みであるとともに、そこにおける森林あるいは水田、畑、そういうものも維持をしていかねばならないのは、政府の責務であり、地域の責務であると考えております。
○田村(貴)委員
わかりました。
国土交通省に再びお伺いします。
地域内フィーダー系統確保維持費補助制度において、運行費や車両減価償却費等への補助を行っています。運行費でいえば、収支差額の二分の一を補助しています。その実績並びにそのうち自家用有償旅客運送者に対する補助交付額の実績、これは対象事業者数と交付額合計なんですけれども、それについて説明していただけないでしょうか。
○奈良平政府参考人
お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、国土交通省では、地域公共交通確保維持改善事業を平成二十三年度に創設いたしまして、コミュニティーバスを初めとした地域内の生活交通の運行費等についても支援を行っておりまして、自家用有償運送を補助対象としております。
その補助実績でございますけれども、平成二十三年度、事業者数が二十五、補助額が五千百五十五万円、二十四年度は、事業者数が八十、補助実績が二億八千九百十六万七千円、二十五年度が、事業者数が九十三、補助実績が四億八千六百十九万四千円、二十六年度が、事業者数が百七、補助額が五億四千八十八万円となってございます。
○田村(貴)委員
今説明がありましたように、補助額が年々増加しています。年々増額となっているのは、地域交通維持の必要性が増している、そして、自治体での取り組みが広がっているということのあらわれではないかというふうに思います。
運送に携わっている団体は、経営が赤字である場合が非常に多いわけであります。実際、自家用有償旅客運送を行っている団体へのアンケート調査の結果を見ても、運送を行うに当たって主な苦労、その第一位は、運送に対する費用面との回答でありました。
そこで、大臣、費用の問題、財源の裏づけの問題についてお伺いしたいと思います。
現在、経済財政諮問会議などでは、財政健全化目標の実現に向けた検討が行われ、その中では、地方交付税制度のあり方の見直しと効率化、各府省の補助金等について重複や縦割りの弊害の排除、地方創生に向けての一括交付金化、整理縮減を含めた改革が言われ、論議されています。石破大臣も、この特別委員会の所信表明で、地方交付税制度や補助金等の改革に当たる表明をされておられます。
地域交通を維持するための補助金など、こうした財政措置が整理縮減の対象となることはあるのかないのか、ないと断言できるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○石破国務大臣
今回の地方創生の取り組みは、それぞれの基礎自治体において、どのようにしてその地域における雇用でありますとか生活でありますとか、そういうものを維持するかということであります。そこにおいては、あらゆる方々の参画、それは住民自治ということと多分ニアリーイコールだろうと思いますが、そういう方々の御意見をきちんと取り入れた上で、上から目線とか行政が勝手に決めるとか、そういうことでない総合戦略をお願いしたいと思っております。
交付税のあり方、あるいは補助金のあり方、あるいは地方単独事業のあり方、それではカバーし切れない隘路のようなものがあって、それを解決するために新型交付金という概念が必要なのではないかというところまで今議論をしておるところでございますが、地域地域においてこのような形のものが必要である、そうでなければ、先ほど来委員が御指摘のような集落の人々の暮らしを守ることはできないわけでございます。こういうような制度があるのでそこの地域がそれに合わせるのではなくて、そこの地域に合わせていろいろな制度を組み立てていくという逆の発想というものが今回の地方創生には必要だというふうに思っております。
ですから、最初に、これだけしか金がない、このように改革をする、それに合わせろということではなくて、その地域に最もふさわしいやり方をその地域に考えていただき、それに合わせた形で私どもは補助金やあるいは地方財政の改革というものをやっていくということの順番を逆にしてはいけないというふうに思っております。
ただ、財政が厳しい中において、そこにおいて重複の排除、あるいは縦割りの排除ということは、やはり優先して考えるべきものだと思います。
○田村(貴)委員
次の質問に移りたいと思います。
人と施設の集約に向けての話なんですけれども、地域再生法の改正案では、地域における住民の生活及び産業の振興の拠点とされる地域再生拠点区域を形成するために、農地転用許可、開発許可の特例が付与されています。
農水省にお伺いしたいと思います。
昨年の地域再生法の改正では、六次産業化のための施設整備に関しては、農用地区域内農地を含む四ヘクタール超の農地転用の権限が認定市町村におろされ、都道府県の承認のもとで農地転用ができるようになりましたけれども、今回の措置も同様の仕組みのものと理解してよろしいんでしょうか。
○佐藤政府参考人
お答え申し上げます。
今般創設いたします地域再生土地利用計画に関しましては、昨年の臨時国会におきまして措置いたしました、委員御指摘の、地域農林水産業振興施設整備計画と同様、四ヘクタールを超える農地転用につきましても、地域再生土地利用計画に係る都道府県知事の同意をもって農地転用の許可があったものとみなすというふうにしているところでございます。
○田村(貴)委員
農水の方からお答えがありました。
引き続きお尋ねしますけれども、現行地域再生法では、内閣総理大臣は、地域再生計画に記載される事項について認定を行う場合、関係行政機関の長の同意を得なければならないというふうにされています。
優良農地の保護は、まさに農林水産省の重要な仕事であります。今回の改正によって、地域再生拠点区域、この中心の地域再生拠点区域がつくられる場合、優良農地などを残すべきとして農林水産大臣が同意しない場合はあり得るのか、あり得るとしたらそれはどういった具体的な場合なのか、それについて説明していただきたいと思います。
○佐藤政府参考人
今般創設いたします地域再生土地利用計画制度につきましては、農用地等の保全、利用の確保を図る農用地等保全利用区域、それと、診療所、日用品販売施設等の生活関連施設の誘導を図る地域再生拠点区域を設定することによりまして、生活サービス機能の維持とあわせまして農用地等の保全、利用を図るというものでございます。
このため、市町村が作成いたします地域再生計画の内閣総理大臣の認定に際しましては、農林水産大臣の同意を要することとしているところでございます。農林水産大臣が同意を求められた場合には、農用地等の保全、利用を通じた地域の再生の実現に寄与するか否かということを判断して同意を行うということにしております。
したがって、個々の計画の中身にはよりますが、一般論として申し上げますと、仮に集団的な農地の真ん中に地域再生拠点区域を設定するような場合、あるいは、圃場整備等の土地改良事業を実施中または実施する予定である土地に地域再生拠点区域を設定する場合、さらに、地域再生拠点区域の設定によりまして農業用の用排水施設の機能に著しい支障を来すような場合、そういった場合などにつきまして、農用地等の保全、利用に支障が生じるような地域再生計画について同意を求められた場合には、同意しないこともあり得るのではないかというふうに考えております。
○田村(貴)委員
農林水産省は、優良農地を確保するためにしっかりと目くばせをしていただきたいというふうにも考えています。
ただやはり、お話ししてまいりましたように、集約の方はやはりずっとかなりの力を詰めてやっていく、ネットワークづくりの方はその財源それから施策の方についても将来的に大変不安が残るような思いもいたしております。
最後に伺います。
小さな拠点形成が住民の参加と住民同意に支えられたものでなければならないというふうに思います。地域づくりやまちづくりに当たって、石破大臣、先ほど大臣も少しお述べになりましたけれども、住民自治の発揮が絶対に必要であるというふうに考えますけれども、御所見をいま一度お聞かせください。
○石破国務大臣
これは、全国あちこち見させていただいていますが、この地方創生の取り組みができる以前から、例えば高知県なぞにおきましては、それぞれの集落の話し合いというのをきちんと大事にして展開をしてきたところでございます。また、鳥取県におきましてもそのような取り組み、島根もそうだと思いますが、そういうように、地域地域のお話し合いが大事だ。そこにおいては、今回のRESASもそうなんですけれども、経験と勘と思い込みではなくて、そこにおいて、データを提示しながら、納得をいただき、合意を形成するということが極めて大事だというふうに思っております。
ここにおいて、一部の人ではない、できれば全ての住民の方々が参加をしていただき、きちんとした数字、あるいは過去への反省、将来への見通しを持ちながら合意の形成を図っていくということが最も肝要だと思っております。
○田村(貴)委員
地域再生法の改正案なんですけれども、地域再生土地利用計画を作成したときは、あらかじめ、公聴会の開催その他住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとするとあるんです。これは、公聴会を開いたらそれでおしまいというふうにも読み取りかねません。
議会との関係なんかはどうなっているんでしょうか。議会は、現行地域再生法も同意なしでできるというふうに、この法律はなっているわけです。住民の納得と同意に支えられて地域をつくっていくという考え方、その規定は、私はまだ十分ではないというふうに思います。議会もやはり関与すべきでありますし、やはり大いに住民が参加し、そして議論をしていかなければならないというふうに私は思います。
きょう初めての質疑でありますので、この問題、三法含めてまた論議をしていきたいというふうに思っています。
以上で質問を終わります。