日本共産党の田村貴昭議員は23日の衆院総務委員会で、政治的公平性をめぐって放送局の電波停止に言及した高市早苗総務相の答弁を「憲法が保障する表現の自由、放送番組編集の自由に介入するものだ」と批判し、撤回を求めました。
田村氏は、高市総務相が政治的公平性の適合性について、一つの番組のみでも判断しうると発言したことを指摘。自民党が2014年の衆院選直前、個別の番組をあげて放送局に「公平中立」を求める文書を送りつけるなど異例の対応をとったことをあげ、「これに大臣が呼応すれば、政権党の番組チェックの常態化につながり、放送業界に対する事実上の圧力になる」とただしました。
高市総務相は「放送事業者は自主的な努力によって編集の努力をしている。それを尊重するのが放送法。法的な規制については慎重に運用する」などと答弁するにとどまりました。
田村氏は「報道の自由を保障する観点から、放送法4条第1項は、放送局自身が自ら守るべき『倫理的規定』とするのが、憲法やメディア法の専門家の通説だ」と指摘。番組内容の政治的公平性については視聴者が判断するとして、大臣答弁と、それにもとづく政府統一見解の撤回を重ねて求めました。
(しんぶん赤旗 2016年2月25日)