日本共産党の田村貴昭議員は15日の総務委員会で、高市総務相が、「『一つの番組のみ』でも政治的公平性が尊守されていないと大臣が判断する場合、電波停止もありうる」と発言した問題を取り上げました。田村氏は表現の自由を脅かす発言の撤回とともに、放送行政を規律する政権から独立した第三者機関の設置を求めました。
総務相が個々の番組の「公平性」を判断するには、一義的には放送事業者にゆだねられていることを確認。田村氏は、放送局からの資料の提出を規定した放送法175条は、「政治的に公平であること」など番組の編集基準を定めた同法第4条を対象としていないことをただしました。
総務省の今村顕一情報流通行政局長が「一義的に否定されるものではない」と答弁したのに対し、田村氏は「放送法4条の各規定は、憲法の表現の自由が基本。資料を提出させる権限はない」と指摘。高市総務相は「放送番組は放送事業者の自主自律によって編集されるべきもの」だと繰り返しました。
田村氏は、「政治的公平性の判断を政治家自身が下すことはできないし、資料を要求する立場にもない。行政機関の長が放送内容を判断して行政処分ができる国は欧米諸国にはない」と指摘。新たに、政権・政党から独立した放送行政の規制機関を設置する制度改正を要求しました。
(しんぶん赤旗 2016年3月17日)