日本共産党の田村貴昭衆院議員は二月二十五日の衆院予算委員会分科会で、国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)の開門問題と、鹿児島県の奄美大島の害虫による農業被害について質問しました。
諫早湾の潮受け堤防の開門をめぐる訴訟では、長崎地裁が開門を前提としない和解案を提示しています。
田村氏は、ノリもタイラギ(二枚貝)も取れず、代わりの水産物も次々と取れなくなっている漁業者の深刻な実態を告発。「開門を認めないなら、漁民はテーブルに着くこともできない」とのべ、国が、農業被害の出ない開門方式を、裁判所に示し、和解協議でイニシアチブをはたすことを強く求めました。
森山裕農水相は、「漁業が大きな影響を受けていることは認識している。有明海の再生は国としても重要な政策課題だ。」と答弁しました。
昨年奄美大島で発生した害虫・ミカンコミバエによる農業被害の問題について、発生時の情報提供が一部地域での注意喚起にとどまるなど国の見通しが甘かったことを指摘。「教訓を生かし農業に安心して取り組めるように特段の努力をすべきだ。植物防疫官の増員も必要」と強く求めました。
森山農水相は、「二度と再び起きないよう努力する」と述べました。
(しんぶん赤旗 2016年3月4日)