衆院総務委員会は7日、情報通信研究機構法改定案と放送開発事業実施円滑化法等改定案を日本共産党以外の賛成多数で可決しました。
日本共産党の田村貴昭議員は採決に先立つ質疑で、日米軍事同盟強化のもとで日本のサイバーセキュリティ戦略が米国の戦略に組み込まれていく危険をとりあげました。
田村氏は、新ガイドライン(日米軍事協力の指針)に重要インフラとサービスへのサイバー攻撃に対する防護の協力が盛り込まれたことを指摘し、「サイバーセキュリティ演習の知見での(米側への)協力も排除されないか」と追及しました。前田哲防衛政策局長は「排除されない」と答えました。
田村氏がさらに、米サイバー演習と結びつくことを防ぐ規定があるかとただしたのに対し、南俊行総務省政策統括官は規定がないと認め、「国際連携へ貢献していきたい」と答弁。田村氏は、国民が安心して暮らせるようにサイバーセキュリティを重視し進めることは重要だとしながら、米国がサイバー空間を陸・海・空・宇宙に続く「第5の戦場」と位置付け、サイバー兵器による実力行使も除外していないとして、日米協力の危険性を強調しました。
田村氏はまた、電気通信技術の開発・実証施設を整備する企業への支援についても質問。「施設整備を行うのは大手のIT関連会社や通信事業者であり、本来、こうした施設整備については企業自身が進めるべきだ。大企業をさらに支援するものだ」と批判しました。
(しんぶん赤旗 2016年4月9日)