○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
国立研究開発法人情報通信研究機構法の改正案についてお尋ねしたいと思います。
サイバーセキュリティー対策を進めていく中心はサイバーセキュリティ戦略本部であると認識しています。そして、戦略本部は、国家安全保障会議、NSCと密接な連携をとるとしています。
では、日米同盟の強化を掲げる国家安全保障戦略には何と記されているでしょうか。
「幅広い分野における日米間の安全保障・防衛協力の更なる強化」の項には、次の表記があります。事態対処や中長期的な戦略を含め、運用協力及び政策調整を緊密に行うとともに、弾道ミサイル防衛、海洋、宇宙空間、サイバー空間、大規模災害対応等の幅広い協力を強化し、日米同盟の抑止力及び対処力を向上させていく、このように述べられているわけであります。
内閣官房、お越しでしょうか。以上の記述に間違いございませんか。
〔委員長退席、坂本(哲)委員長代理着席〕
○芹澤政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおりでございます。
○田村(貴)委員 軍事戦略上にサイバー空間があるということ、それから日米の協力強化をここで述べているということであります。
サイバーセキュリティーにおける日米間の連携、情報共有については、他の省庁についても行われています、内閣府であるとか、外務省であるとか、それから防衛省であるとか。ここでは総務省にお伺いしたいと思います。
ことしの二月に行われた米国とのインターネットエコノミーに関する協力対話、その民間作業部会共同声明では次の方針が掲げられています。
ちょっと読みます。「サイバー空間における国際的に自由な情報の流通を確保するために、日米両国政府はサイバーセキュリティに係る国際的な議論を主導し、官民を挙げた国際連携を推進すべきである。その際、安全保障分野における連携強化を基本とし、インターネットエコノミー政策協力対話やサイバー対話をさらに充実させ、官民における人材交流や、共同訓練、技術開発などに取り組むべきである。」このように述べているわけであります。
これは、日米防衛協力の指針、そのガイドラインにサイバー防衛協力の推進が盛り込まれた、このことを受けての表記だというふうに思いますけれども、確認します。そういうことでしょうか。
○南政府参考人 お答えを申し上げます。
先生がお触れいただきましたこの共同声明につきましては、御案内のとおり、日本の経済団体連合会、いわゆる経団連と在日米国商工会議所、いわゆる民間セクターにより取りまとめられたものでございますので、総務省におきましては、本文言がどういう意図なり経緯で記載されたかどうかについては、当事者ではございませんので承知をしていないところでございます。
○田村(貴)委員 承知をしていないと言いますけれども、その文書の下の断りには、ガイドライン、サイバー防衛協力の推進、こうした注釈もあるわけなんですよね。そういうことだというふうに理解しております。
この会議は、総務省情報通信国際戦略局長、これは総務省の局長さんですよね、情報通信国際戦略局長とアメリカの国務省大使との会議であります。しかし、日米軍事同盟のもと、ガイドラインまで民間の共同声明では掲げられるという事態にも至っているわけであります。
我が国のサイバーセキュリティー対策が米国のサイバー戦略に組み込まれていってしまうのではないか、そういうおそれを抱かないわけでもありません。
次の質問は、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインでは、日米両国政府は、自衛隊及び米軍が任務を達成する上で依拠する重要インフラ及びサービスを防衛するために協力すると書かれているわけであります。
今のは、ガイドラインの「宇宙及びサイバー空間に関する協力」、この中に書かれているところなんですけれども、お尋ねします。
重要インフラ及びサービスの防衛のためには、今回案件となっている情報通信研究機構、この機構のサイバーセキュリティー演習での知見もその協力から排除されないのではないかというふうに思うわけですけれども、確認したいと思います。いかがでしょうか。
○前田(哲)政府参考人 お答え申し上げます。
一般的に、自衛隊や米軍の活動は、電力、交通あるいは通信といった社会インフラに依拠をしておりまして、防衛省といたしましては、こうした社会インフラに対するサイバー攻撃、これは自衛隊や米軍の任務遂行の上で大きな阻害要因となる可能性がある、このように考えているところでございます。
こうした社会インフラのサイバーセキュリティーの確保は、自衛隊や米軍の任務をきちんとやっていく、任務保証でありますけれども、このことのために極めて重要だと認識をしておりまして、防衛省としては、内閣サイバーセキュリティセンターを初め関係府省庁、事業者等と連携して、社会インフラのサイバーセキュリティーの確保に向けた取り組みを講じながら、米国との協力も進めてまいりたい、このように考えております。
御指摘の日米ガイドラインの記述は、このような協力の方向性についてお示しをしたものでございます。
その上で、重要インフラ及びサービスの防護のために、情報通信研究機構が有する知見を活用することも排除されているものではない、このように考えてございます。
○田村(貴)委員 今のは重要な答弁でありまして、安全保障それから防衛的なところに、やはりこの情報通信研究機構の演習の知見が、利用する、協力する、その範疇に含まれることは排除しないといったところでもあるわけであります。
そこでお伺いしますけれども、総務大臣は、今度、法案に出ていますように、情報通信研究機構の中長期目標を許可する際には、サイバーセキュリティ戦略本部の意見を聞かなければならないというふうにしています。
ところが、機構は、もう四月から新しい五カ年計画がスタートをしております。始まったばかりなんですけれども、この法案、総務大臣が意見を聞くといったところはどういうふうに理解すればよろしいんでしょうか。
○高市国務大臣 まず、NICTの第四期中長期計画、五カ年ですが、これは平成二十八年三月三十日に認可をしました。
仮に、この法案をお認めいただいた場合でございますが、法案に係る部分、すなわち、サイバーセキュリティーに関する演習業務の追加、それからIoTを活用したサービスの創出、展開のためのテストベッド事業やデータセンター事業への支援業務の追加に関する部分については、総務省において中長期目標を変更し、それに沿ってNICTから中長期計画変更の認可申請を受け、必要な審査の上、私が認可を行うということになっております。
サイバーセキュリティ戦略本部に意見を聞く必要性に関することでございますが、これは、サイバーセキュリティ基本法並びにサイバーセキュリティ戦略を踏まえまして、計画的、効果的に演習が実行されなきゃなりませんので、演習の実施に当たっては、その対象や優先度、内容について、政府全体のサイバーセキュリティー関係施策の総合調整を行っておられるサイバーセキュリティ戦略本部に意見を聞くということにしたところであります。
○田村(貴)委員 五カ年計画が機構において始まったばかりなんだけれども、すぐさま五月に計画の変更手続を行うということであります。直ちに機構がサイバーセキュリティ戦略本部に組み込まれていってしまうというふうにも思うわけであります。
総務省においては、サイバーセキュリティ二〇一五、この文書の中で、米国との協力において、日米におけるサイバー攻撃に関するデータの共有、研究開発の協力を加速化させるとしています。
るる述べてきましたように、こういう状況のもとで、国民やあるいは官庁、企業、それから研究機関等の日本の情報が、日米の緊密な連携の名のもとに、米国とも日本側の情報が共有されていくということになっていくんでしょうか。総務省、お伺いしたいと思います。
○南政府参考人 御説明申し上げます。
アメリカとの情報共有につきましては、今御指摘のありましたサイバーセキュリティ二〇一五に基づきまして、NICTにおいてサイバー攻撃観測・分析・対策システム、いわゆるnicterの仕組みを使いまして、アメリカの大学との間でサイバー攻撃に関する情報を共有しているところでございます。
nicterというのは、御案内のとおり、ダークネットと呼ばれるいわゆる無差別攻撃の実態、使用されていないIPアドレスへの不正な通信の実態を観測しているものでございまして、地域別のさまざまな攻撃量と言われるものを観測してその情報を共有しているものでございまして、決して、官庁でありますとか企業、あるいは国民、研究機関といった個別の情報を共有しているものではございません。
○田村(貴)委員 情報通信研究機構のサイバーセキュリティー演習が、アメリカのサイバー戦略と結びつくことにもつながりかねないのではないか。先ほどの議論をしていきますと、防衛省は、日本の重要なインフラ、これはやはり守らなければいけない、そして排除しないという答弁があったんですけれども。
そうしたところから、やはり、アメリカのサイバー戦略に結びついていくことの懸念に対して、そうならないとおっしゃるんだったら、その根拠を示していただけないでしょうか。それから、改正案はそれを防ぐ規定は存在しているでしょうか。
○南政府参考人 アメリカのサイバー戦略と結びつく、その戦略の全体を私どもは実は詳しく承知しているわけではないんですけれども、私どもが今回の改正法で想定しております実践的なサイバー防御演習と申しますのは、御案内のとおり、国内の政府機関、重要インフラ事業者、あるいは自治体といったようなことのシステム管理者を対象として実施をする、そういう性格のものでございます。
ただ、先生御指摘のとおり、サイバーセキュリティーの対策と申しますのは、御案内のとおり、国境を越えてサイバー空間において行われるものでございますので、一般論として申し上げますと、先ほど来から御指摘がありますとおり、NISCという司令塔がございますので、その司令塔を中心に国際連携を進めていくということは非常に大事なことだと私どもも承知をしております。
これは、必ずしもアメリカだけにとどまらないで、ASEAN諸国でありますとかヨーロッパ、そういった各国ともさまざまな形でこれから国際連携を強化していく必要があるというふうに思っております。
現時点で何か、私どものサイバー防御演習の知見を活用したい、ノウハウを活用したいという具体的な申し出、御要望があるわけではございませんけれども、一般論として申し上げますと、NISCを中心として国際連携を進めていくに当たりまして、私どもとしても相応の貢献をしてまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 貢献をしていきたいといったところも重要な答弁ではないかなというふうに思います。
アメリカと日本のサイバーセキュリティーに関する考え方というのは、やはり大きな開きがあるというふうに思います。
皆さんも御存じのように、アメリカというのは、サイバー戦略は、陸海空それから宇宙に続く第五の戦場というふうにも位置づけられているわけであります。私は、こうしたところを考えると非常に憂慮するところが多いんです。
防衛省藤丸政務官、きょうはお越しいただいています。後でちょっと質問させていただきたいんですけれども、きょうは、私は今まで、サイバーセキュリティーの日本における研究機構の演習が、日米同盟のもとで、アメリカのサイバー戦略にひいては結びついていくことになるんじゃないかということで防衛省や総務省とお話をしてきたんです。例えば、こういう大学とか研究機関、機構などの演習やあるいはその知見などが、これは軍事的に、それから海を渡って他国の防衛戦略に組み込まれることが私はあってはならないというふうにも思うわけなんですけれども、先ほどから政務官はお聞きになっておられるので、最後に御所見があればお伺いしたいというふうにも思います。
アメリカのサイバー戦略では、サイバー空間を新たな戦場と規定した、これは大きいですね。それから、サイバー兵器を持っている、既に活用したことがある。それから、軍事力を使った武力報復について、いわゆる実行ですね、実力行使、これについては、直接の言及はないものの、その可能性を排除していない。
これは、日本の防衛省も総務省もそういう立場をとりませんね。サイバー攻撃、サイバー兵器を使ってサイバー攻撃をする、言ってみたら、目には目を、それ以上のものなんですけれども、サイバー兵器を使って粉砕する、そうしたアメリカの立場と日本の立場は異なると思いますけれども、これはどなたかお答えできますか。
〔坂本(哲)委員長代理退席、委員長着席〕
○前田(哲)政府参考人 お答えいたします。
先ほど御説明しましたように、日米間においてサイバーセキュリティーの強化に必要な範囲で必要な情報共有を行っていく考えでございますけれども、米国はサイバー空間における敵対行動に対しましても、当然のことながら、国際法等々のルールにのっとって対処をすることになるもの、このように考えてございます。
○田村(貴)委員 藤丸政務官、お越しいただいております。私、今ちょっと議論してきましたけれども、政務官の御所見があればお伺いしたいと思います。
○藤丸大臣政務官 サイバーの問題は重要な問題であると認識しております。また御指導のほどをよろしくお願いします。
○田村(貴)委員 研究機構のそうした知見などが利用されることが絶対ないといったところの答弁は、担保はなかったというふうにきょうは理解をいたしました。
インターネットの通信機能を悪用して、コンピューターやあるいはネットワークに不正に侵入してのデータの破壊それから読み取りなどの攻撃活動というのは、これはもう全世界的に広がっているわけであります。国民が安心して暮らせる安全な社会を実現するためには、サイバーセキュリティー対策を重視し、それをちゃんと進めていく、これは本当に大事である、私もそういうふうに認識しております。
しかし、日米軍事同盟のもとで、我が国のサイバーセキュリティー戦略がアメリカ側のサイバー戦略に組み込まれていくおそれがある、こうしたことはしっかりと見ておく必要があるのではないかなというふうに思います。
次の質問に移らせていただきたいと思います。
次に、IoTについて伺います。
電気通信技術の開発実証施設、テストベッドやデータセンターの整備に情報通信研究機構が債務保証し助成するという中身でございます。
単刀直入にお伺いします。このテストベッドを実際設置するのは、一体どういうところなんですか。どういう規模の事業所なんでしょうか。
○南政府参考人 改正法におきまして助成金交付の対象と考えておりますテストベッド整備主体と申しますのは、あくまで民間の事業者でございますけれども、電気通信事業者でありますとか大手のICTベンダーなど比較的規模の大きな民間企業にとどまらないで、例えば、地方公共団体自身が設置される場合、あるいは一般社団法人、第三セクター等、さまざまな形態を想定しているところでございまして、これは整備主体ということでございます。
利用する主体としては、できるだけ多種多様な、中小企業でありますとかベンチャー企業などが含まれてくるものというふうに想定しているところでございます。
○田村(貴)委員 莫大な設備投資をしますので、これはやはり、今いろいろなパターンがあると言われましたけれども、民間大手それから大手ベンダーといったところで理解しておってよろしいですか。
○南政府参考人 私どもが現在参考にしておりますのは、沖縄に一件だけ民間のテストベッド事業というのがございますが、これはまさに一般社団法人の形で、自治体さんも関与されたような形で運営をされている形態が一件ございますので、多分これからさまざまな形態、民間事業者が主導して行われるケース、あるいは自治体さんが関与されるケース、さまざまな形態が出てくるというふうに考えております。
○田村(貴)委員 今、沖縄オープンラボラトリの話を聞きましたけれども、これから全国的に十カ所ほどつくっていかれる。その十カ所の地域も含めて、テストベッドを利用したい、そういう事業者の要望というのはどの程度上がっておられるんでしょうか。
○南政府参考人 お答えを申し上げます。
この民間テストベッドの整備に関するニーズとしましては、私どもが前例として参考にしております一般社団法人沖縄オープンラボラトリともいろいろお話し合いをさせていただいておりまして、沖縄の方でも、設備の更新ですとか増強というものについて助成が受けられないかという相談を実際にもいただいておりますほか、ICTのベンダーでありますとかセキュリティー関係の団体その他さまざまな団体から、具体的なお問い合わせ、御相談がもう既に寄せられているところでございます。
情報通信審議会の中におきましても、多くの委員あるいは部外の有識者の方々から、整備、活用に対するさまざまな御意見、アイデアというものも寄せられているところでございまして、IoTが進んでいく中にありまして、できるだけ多くの仲間づくりをしていくための常設の場というものに対する潜在的ニーズというのは、これからさらに高まってくるというふうに考えているところでございます。
○田村(貴)委員 どの程度需要があって、どの程度展開されるかというのは、未知数であるというふうなところだと思うんです。
それから、データセンターも、設置していく、あるいは設備のインフラを整えていくのは大手通信事業者等々になってくるとは思うんですけれども、このデータセンターの分散促進では、既に地域分散化促進税制がありますよね。この実績というのはどうなっているんでしょうか。
○福岡政府参考人 お答えをいたします。
今御指摘のデータセンター地域分散化促進税制でございますが、平成二十五年度にこの税制を創設してございますが、平成二十七年度末までに当該税制の適用を受けましたのは一件でございます。
○田村(貴)委員 そういう支援措置があったんだけれども、実績はわずか一件だったと。その検証もなく、新たにまた支援措置をつくるというのは、なかなか理解に苦しむところであります。
本来、こうした施設の整備については、企業自身が進めていくべきではないでしょうか。テストベッド、データセンターともに、実際に行っていくのは、NTT、NTTコミュニケーションズ、NEC、日立製作所、富士通、ソフトバンクなど上場大手のITベンダーや通信事業者であります。
この設備に対する機構の債務保証、助成金の交付は、機構の信用基金の余剰金約五億二千万円と運用益九千万円から行われるわけでありますけれども、信用基金というのは日本政策投資銀行からの出資金等々で構成されています。原資は、国民の税金によるところの基金であります。中小企業やベンチャーを支援するのではなくて、大企業へのまたさらなる支援であることの中身であるといったことも指摘せざるを得ません。
そうしたことを指摘して、この法案についての質疑を終わりたいと思います。
次に、オスプレイの配備と地方自治の問題について伺っていきたいと思います。
アメリカ軍の輸送機オスプレイの配備及び飛行訓練については、全国多くの自治体、議会、住民を巻き込んで、大きな問題となっています。
普天間基地への配備では、沖縄県の全ての自治体が反対決議を上げて、建白書が官邸に届けられました。飛行訓練下の全国多くの自治体の首長からも懸念の声が出され、多くの議会からは意見書や決議も上げられてまいりました。それは、横田であっても、木更津であっても、私の暮らす九州のイエロールート直下の自治体であっても、たくさんの懸念の声を自治体の首長あるいは議会、住民から聞いてまいりました。
民間空港への配備が迫られている佐賀県では、佐賀空港問題等特別委員会が県議会に新たに設置されるという事態にもなっています。
このように、オスプレイの配備、訓練は地方政治における重大な問題となっており、まさに地方自治の問題でもあります。
こうした中で、三月二十八日、藤丸政務官が佐賀市で行った講演が大きな波紋を投げかけています。それで、私も同僚議員と、防衛省に対して、その政務官の発言の真意を確認させてくださいと言ったんですけれども、これは議員個人の御発言なので取り合ってくれませんでした。佐賀県の自治体側からの問い合わせに対しても、防衛省の回答はそうでありました。中谷防衛大臣は、政務官の発言を会見の中で打ち消されました。それから、講演から一週間以上たっても、佐賀県、佐賀県民に対して、防衛省からも、そして政務官自身からも説明がされていません。
毎日、佐賀県ではこの問題が大きく報じられている中、防衛省と政務官、どれを信用したらいいのかと佐賀市長が不信感を表明した、こういったことも報道されています。
佐賀県はこの問題で大きな騒動となっているわけですけれども、地方自治の大事な問題で、そして政府の考え方を緊急にただす必要性があると思い、ここであえて質問をさせていただきます。
政務官、よろしくお願いします。
最初に、基本的なことをお伺いします。
防衛省が佐賀空港にオスプレイの配備を二年にわたって要請してきましたけれども、県民の同意は果たして得られているでしょうか。
一月十九日、我が党の仁比聡平参議院議員が参議院予算委員会で安倍首相に尋ねました。安倍首相は、現時点において地元の理解は得られていないと認識していますと答弁されました。過去二回、同じ答弁をされています。
政務官も同じ認識だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○藤丸大臣政務官 お答えいたします。
三月の二十八日に講演をいたしました。その際の私の発言が、これまで防衛省から地元に説明させていただいている内容と異なった見解を示したものとして受け取られまして、地元をいたずらに混乱させてしまったことを深く反省しているところでございます。
私の発言としては、あくまでも、佐賀空港とその周辺の地域の振興を切に希望する国会議員としての立場から希望を申し上げたものでありまして、地元への思いを発言したものでございます。
防衛省の見解とは異なる内容の発言があり、いたしまして、佐賀県の関係者の方々をお騒がせし、御迷惑をおかけいたしまして、深くおわびを申し上げさせていただくとともに、今後、公の場における発言については厳に慎んでまいりたいと思います。
先生からの、今、御理解をいただいているのかということでございますが、これから理解をしていただくことを努力したいと思っているところでございます。
○田村(貴)委員 安倍総理は、現時点で地元の了解は得られていないと認識していますと。政務官も同じ認識ですかと私は尋ねたんですけれども、いかがですか。
○藤丸大臣政務官 はい、同じでございます。
○田村(貴)委員 そうだとおっしゃるんだったら、なぜ物議を醸す発言、講演をされたのか。みんな、県民の方は困っておられます。
政務官は、概算要求の期限を理由に挙げて、概算要求が大体八月ですよね、それで、六月議会で決めてくださいとなると発言されています。いわゆる諾否判断の時期を特定されたというふうに講演会の参加者は受けとめています。これは防衛省の正式な考え方なのでしょうか。
政務官、いかがですか。
○辰己政府参考人 お答えをいたします。
防衛省としては、期限を決めて地元調整を行っていく考えはございません。
○田村(貴)委員 政務官、そうしたら、あの講演の発言は間違いでありますね。いかがですか。
○藤丸大臣政務官 そのときの発言は、六月に決めてくださいとなるという、客観的に言わせていただいたんですが、希望を言わせていただきました。(田村(貴)委員「だから、間違い」と呼ぶ)国会議員としての希望を言わせていただきまして、防衛省の正式な見解ではございません。
○田村(貴)委員 政務官、だめですよ。この商工会研修会の会場に掲げられた演目、大きな垂れ幕がありますけれども、オスプレイ配備計画に係る地域振興計画について、防衛大臣政務官藤丸敏、ちゃんと書いてあります。それから、その写真が大きく新聞に載っています、報道されています。
そして、最後に政務官は、政務官であるが、国会議員として来た、やってきたと述べて、政務官であることを自認されているんですよね。ですから、一個人として要望を述べたというのは、これはちょっと通らない話であります。どうなんですかね。
もう一つお伺いしたいと思います。環境アセスの発言であります。
三十五ヘクタール以上だと環境影響評価をしなければいけない、僕は全部買えよと言っている、でも、全部買うと調査をしなければいけない、一部買って、また次考えるというふうにしていいんじゃないかと言っているわけです。
これは重要問題ですよね。三十五ヘクタール以上だと佐賀県の環境アセスでアセスしないといけない、だから三十ヘクタールを買うんだと。その手のうちを見せたような考え方。
防衛省は、佐賀県の条例に定められた環境アセスの抜け道を探していたんですか。一部を買って、追加して購入する計画なんですか。しかと答えていただきたいと思います。
○辰己政府参考人 お答えいたします。
防衛省としては、佐賀空港の西側に、駐機場や格納庫などを含む約三十ヘクタールの施設整備を念頭に置いて検討を進めているところであって、将来的な施設規模の拡大は考えておりません。
環境影響評価の手続につきましても、当然その条例に従い、適切に進めていく考えでございます。
○田村(貴)委員 それ以上の計画は考えていないと。しかし、政務官は、政務官として、それ以上、全部買えよ、そして、買ってまた次追加と言われているわけですよね。今の答弁とは全く食い違います。
政務官、そのときの御発言、講演も、これは誤りですね、間違いですね。お答えください。
○藤丸大臣政務官 そのときの講演では、まず初めに、きょうは防衛省を連れてこなかったのは、政務官ではありますが、国会議員として来ましたと。私は皆さんの味方で、佐賀県がよくなることを考えていますと。そういう上で、そのような発言は、私の隣ですから、地域が……(田村(貴)委員「私もそうなんです」と呼ぶ)はい。私の上も、福岡空港、飛行機いっぱい飛んでいきますので、いつも。そこで、そういう希望を、国会議員としての、地元を考えて希望を言わせていただきました。
ですから、間違いです。
○田村(貴)委員 佐賀新聞の論説記事があるんです。お読みになったと思うんです。大きいですよ、社説並みに書かれていました。議員の発言では通らぬ、発言の主は防衛省の政務官であり、大臣、副大臣に次ぐナンバースリーの立場だ、私的な発言だったらいいという言い逃れは全く通用しないと。
これは県民の思いを代弁しているじゃないですか。この期に及んでまだ、個人的な見解、要望だとおっしゃるんですか。発言要旨は、地元紙それから全国紙の地方版にも全部紹介されています。後追いで載せている記事もあります。それをみんな読んでいるんですよ。
私も防衛省に真意を確認したいと言ったら、それはもう藤丸議員の発言ですから一切お答えするわけにいかない、わざわざペーパーまで持ってこられたんです。佐賀県の自治体もこれで苦しんでおられるんですよ。だから、あのときの発言については、政務官としての発言だったら誤りだとお認めになるべきじゃないですか。
○藤丸大臣政務官 申しわけありません。政務官としてうかつでございました。おわび申し上げます。
○田村(貴)委員 これは本当の話なのかなといったことについてもお伺いしたいと思うんですけれども、防衛省の佐賀空港の施設整備費等関連予算というのがあります。総額で百五億八千万円でありますけれども、この内訳については、佐賀県側が幾ら求めても、詳細は明らかにされてきませんでした。
政務官が行ったこの講演会では、スライドに投影されたというふうにも報道されているんですけれども、一覧表が出ております。そして、一覧表はもう発表されています。百五億八千万円の中に、用地取得費十四億円、それから移転等補償費一億九千万円、調査費二億四千万円、敷地造成費、一期工事七十五億九千万円、これは防衛省内の人じゃないとわからない話ですよ。しかも、三役クラスじゃないとこうした中身についてはわからないと思います。
これはどうなんですか。正規の防衛省の内訳であるんですか。政務官、どうなんですか。
○辰己政府参考人 お答え申し上げます。
防衛省としては、二十七年度に、今おっしゃった百六億円を計上しているところでございました。しかし、その内訳については、特に用地取得につきましては、地権者との交渉に支障を及ぼすおそれがあることから、その経費についてお答えすることは差し控えたいと思っております。
○田村(貴)委員 差し控えたいと言うんですけれども、具体的に出ているわけですよ。私が今申しましたように、この内訳を足したら百五億八千万円。しかも、会場ではわざわざこの表が掲げられた。だから、みんなこれを知っておるわけですよ。びっくりしたわけですよね。
だから、これは政務三役、政務官でないと知らないという情報ですよ。幾ら佐賀県側が求めても明らかにされなかったことを、政務官であるから知り得た情報だからおっしゃったわけなんですよね。これは一議員だったらわからない話ですよ。だから、これは本当のことなんだなというふうに私は思います。
それから、政務官、私はもう本当にびっくりしたんですけれども、講演では有事のことまで言及されています。簡単に戦争にはならないし、最悪のことがあっても、ここは基地ではない、基本的に首都をたたくから、余りこちらには来ないだろう、危険度は増すことは多少あるかもしれないがと。
びっくりしましたね。島嶼防衛じゃなかったんですか。
戦争という言葉を出されています。佐賀空港にオスプレイを配備したら、これは戦争につながるんですか。最悪の事態が想定されるんですか。そして、危険度が増すことになるんですか。これは大事な問題です。政務官、お答えください。
○藤丸大臣政務官 済みません。本当にうかつでございました。大変申しわけありません。関係県市に対して大変御迷惑をかけまして、申しわけないと思っているところでございます。
○田村(貴)委員 それは、撤回されるんですね。今まで述べてきた発言についても撤回されるということでいいですか。政務官。
○藤丸大臣政務官 はい、そのとおりでございます。(田村(貴)委員「撤回するんですね」と呼ぶ)はい。
○田村(貴)委員 V22オスプレイが十七機に加えて、自衛隊目達原基地からのヘリコプター五十機を加えた七十機が配備される、それから七百名から八百名の隊員が来る、いきなりおととしの夏にこういったことが打診されたんです。それから、沖縄米海兵隊による訓練の一部まで移設する話が、この間まであったわけなんですよ。
空港が接する有明海というのは、佐賀の名産、ノリの漁場でもあります。大臣、お詳しいですね。それから、デリケートな海の養殖には被害は出ては困ると漁民の方が本当に心配されている。それから、墜落の危険性はないのか、騒音による生活への影響は。佐賀県と地元の間では、自衛隊と共用しないという合意確認文書まである。それを知らずに防衛省は言ってきたんですよ。
こうした佐賀県民の驚きと不安、戸惑いの声を政務官としてどう受けとめておられるでしょうか。
三月二十八日の講演、発言以降、政務官はこの件について会見もなければ、それから佐賀に対して釈明したという話も聞いておりません。きょう初めて、御自身の言葉として私お伺いしました、この講演の内容が防衛省の考えであることではないと。その真偽はさておき、政務官としての発言を大臣が否定しました。政務官は大臣から注意をされています。事実です。防衛省は政務官の発言を省の考えとしていないといったことも、きょう明らかになりました。
だとするならば、政務官、政務官自身の御発言に対して、その責任と見識が今問われていると私は考えます。佐賀県を初めとする自治体、関係団体、それから佐賀県民に対して、ちゃんと説明責任を果たすことが今求められているのではないでしょうか。いかがでしょうか。
○藤丸大臣政務官 これから精進してまいりたいと思っているところでございます。きちんと説明したいと思っています。
○田村(貴)委員 政務官、政治家として、やはり三役として、それはだめですよ。やはり、誤りは誤り、撤回するなら撤回する。
それから、今からどうするのかといったことが求められているんです。真意が聞きたいんですよ。オスプレイが来る、どうするんだ、困ったと佐賀県民も自治体も議会も今大騒ぎですよ。答えられるんですかということをお伺いしているんですけれども、釈明されますか。みずからの言葉で説明されますか。それをもう一回確認します。お答えください。
○遠山委員長 簡潔に御答弁をお願いします。
○藤丸大臣政務官 誠意を持って答えていきたいと思っております。
○田村(貴)委員 終わります。