○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
初めに、九州で未曽有の地震による被害が起こり、そして広がっています。熊本県では、先週の十四日、そして十六日の大地震によって、無数の家屋が倒壊しました。そして、土砂崩れが発生し、今現在、七つの市町村で四十四名のとうとい命が犠牲となりました。亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。
また、負傷者は熊本県で千名以上、いまだ行方不明の方が七名、そして、数多くの被災を生んでいます。改めて、熊本県、大分県で被災された方々にお見舞いを申し上げます。
高市大臣、私、十五日、十六日と、熊本県の益城町、熊本市、それから宇土市、被災地を訪ねて、直接現場で見てまいりました。想像を絶する被害状況でありました。
熊本県における避難者は十数万人とも言われています。それ以外に、避難所以外で避難をされている方も無数おられるわけです。避難者数の半分は、県都、政令市の熊本市でありますし、また、熊本県内の六割以上、約三十の市町村に避難住民の方がおられます。まずは、地方自治体を所管する総務省として、実態把握に努めていただきたいと思います。
さらに、行政機能、自治機能が大きく損なわれている上に、被害が拡大する可能性があります。大きな自然災害時には、国と全国の自治体が被災自治体と力を合わせることによって復旧復興に取り組んできました。東日本大震災では、今まさにそのさなかにあります。この教訓、そして経験を生かして、さらに前に進めていただきたいと思います。
イニシアチブを発揮するのは総務省であります。大臣の御決意をお聞かせいただければと思います。
○高市国務大臣 先週木曜日の最初の前震の発災直後から、情報収集、被害状況の把握には努めてきております。
まず、消防庁におきましては、熊本県や関係消防本部と継続して連絡をとっておりますし、職員を現地に派遣しております。
そして、全国の自治体から人的、物的支援をしっかりと行っていくという枠組みが、これまでの震災の経験からも必要でございます。
住民の救出、救助、消火活動、避難誘導については、他の都道府県からの応援部隊である緊急消防援助隊を送り込み、大規模な支援活動を行う制度を構築してまいりましたので、今般の地震についても、約二千人規模の緊急消防援助隊が連日現地で活動していただいています。
また、被災していない自治体からの建物の応急危険判定ですとか、水道復旧を行う技術系の職員の方の派遣、それから仮設トイレ、毛布などの物資供給についても、地方三団体と連携をしながら、しっかりと支援の取り組みは進んできたと思っております。
ただ、委員がおっしゃいましたように、指定されていない避難場所にいらっしゃる方になかなか物資が届いていないという情報は私どももいただいておりますし、それから、総務省に寄せられたメールですとか、電話ですとか、どこにかかってきた連絡であっても一度集約してほしいという指示をしましたところ、やはりそういったものが散見されましたし、その地域によって何が足りないかといった情報も、そういった寄せられる情報で明らかになりました。
こういったものは政府全体としての本部にしっかりと還元をしてまいりますし、また、総務省の方から現地に職員を派遣しています。特に、熊本県で勤務をした経験のある、土地カンのある職員を派遣していますから、そういった職員にも伝えながらきめ細やかに対応してまいりたいと思います。
特に、避難所で仕切りが設定されていないといったことによるストレスというのは相当なものがありますから、できることから速やかに行ってまいります。
○田村(貴)委員 それで、今ちょっと緊急を要する課題が生じています。昨夜連絡が入ったんですけれども、熊本市で被災者が避難所から出ていかざるを得ない状況が生まれています。それはなぜかといいますと、その避難所が、耐震上の問題があるということであります。熊本市立の北部東小学校、それから城北小学校、東町中学校、県立大学等々の体育館であります。ここから出ていかなければならない。恐らく、数百、千数百の規模になろうかというふうに思います。
もちろん、危ないところにい続けるわけにはいかないわけでありますけれども、別の避難所の手だてを打たなければ、被災者にとってこれほど心細いことはございません。私はもう見捨てられたのではないか、この先どうしていったらいいのかというふうに思われている方もおられるでしょう。
そこで、内閣府、来られているでしょうか。お願いしたいんですけれども、全ての被災者に安全な避難所をきょうじゅうに確保していただきたい。これは最も重要な課題だというふうに思います。追い出された避難者の方は途方に暮れておられます。国の機関、民間、大学など、あらゆる手だてを尽くしていただきたい。安倍総理もあらゆる手段を講じていきたいとおっしゃっておられますし、それから、食料や水については、被災者一人一人の手元に届かなければ全く意味がない。これは、被災者一人一人にとって避難所がなければ全く意味がないと同じことであります。
この点について、今の御判断はいかがでしょうか。
○中村政府参考人 お答えいたします。
まず、一般論といたしまして、東日本大震災の教訓を踏まえまして、平成二十五年の災害対策基本法の改正によりまして、市町村が避難所を指定するとともに、避難所における生活環境の整備に必要な措置を講ずるよう規定されております。
これを受けまして、市町村向けの取り組み指針というものを平成二十五年に策定しておりますけれども、この中におきまして、避難所の確保に関しては、事前に必要数の避難所を指定するとした上で、それらの施設というのは、耐震性、耐火性の確保など、災害により、重大な被害が及ばないことが望ましいなどとしております。
また、災害の発生後に、当初設置した避難所で不十分というような事態が生じた場合は、宿泊施設等の借り上げ等により避難所を確保すべきということとしておりますので、お尋ねの事案につきましては、熊本市の方とは至急連絡をとらせていただいて、どのような対応が可能か、検討してまいりたいと思います。
以上です。
○遠山委員長 席に戻ってください。参考人は席に戻る。
○田村(貴)委員 検討じゃだめなんですよ。今おっしゃったように、避難所を確保しなければならないんでしょう。私、質問では、きょうじゅうに手だてを打ってくださいと。屋根のついたところに、あらゆる手段を講じて。それは民間もあるわけなんですよ。お願いすれば、ねぐらを確保することは十分可能です。それをきょうじゅうに手だてを打たないと、冷え込んでいますよ、この春でも。
これはどうしますか。緊急の手だてを打たなければいけないと思うんですけれども、いかがですか。検討じゃだめです。
○遠山委員長 政府参考人に申し上げます。
政府参考人は、答弁の後、一度着席をしてから次の質問に答えてください。
○中村政府参考人 お答えいたします。
熊本県知事と連絡をとりまして、できる限りの努力はしたいと思います。
○田村(貴)委員 努力はしたいというのは何か他人事のように聞こえるんですけれども、ぜひ、きょうじゅうの対応、よろしくお願いします。
それから、高市大臣、先ほどの質問とちょっと重複するかもしれませんけれども、消防、それから危険度応急判定、いろいろな自治体の職員それから公務パワーも入れていただいているということをお伺いしました。
もう一つは、やはりマンパワーの問題なんですよね。現在でも、もう疲労こんぱいの自治体職員がたくさんであります。被災者の声を聞いて、そして不自由な生活を一歩でも二歩でも改善することは大事なんですけれども、それはやはり十分な体制とマンパワーを要するということであります。
これまでも、自治体からの応援派遣、受け入れ体制についてはやられてきたんですけれども、今後どのようにされていかれるのか、お聞かせいただければと思います。
○高市国務大臣 自治体間の広域応援協定というのがございますので、これに基づいて派遣の調整をしていただいています。具体的には、熊本県及び熊本市以外の市町村につきましては、全国知事会が対応していただいています。あと、熊本市につきましては、指定都市市長会によって、派遣に対するニーズをしっかり把握して、派遣職員の調整をしていただいているという状況でございます。
このような自治体間の協力による職員派遣の状況を総務省の方でもしっかりと把握して、今後必要となるニーズというのが出てくると思いますので、それも想定をして派遣準備をお願いしてまいります。具体的にはやはり、避難所の運営ですとか、先ほど申し上げました個別住宅の応急危険度判定、これも、一回避難されたのにまた御自宅に戻って亡くなってしまった方もおられますので、こういったことをどんどんどんどん先に想定しながら、相談、お願いをしていくということになります。
しっかりと、人的な支援、マンパワーが足りなくならないように対応してまいります。
また、熊本市から総務省に対して要請があった件もございました。水道施設の復旧のための技術職員が必要だということで、この二十名につきましては、昨日現地に到着しまして、もう給水再開に向けてポンプ施設の補修に従事をしていただいております。
しっかりと、マンパワーの確保についても、全国の自治体にも呼びかけながら対応してまいります。
○田村(貴)委員 しっかり対応していただきたいと思います。
それから、内閣府におかれても、私、この話は、きのうの夜、わざわざ電話番号をもらった対策本部の係の人にも連絡して、すぐ打ってくださいと言っていたんです。ですから、先ほどの答弁は、ちょっと遅いのではないかなと思います。
続いて、行政機関個人情報保護法の改正案について伺います。
まず最初に、時間もちょっとないんですけれども、個人情報の取り扱いというのは慎重にも慎重を重ねなければならない問題であります。行政の場合は、情報の種類も幅広く、取り扱いの監督体制はより厳密でなければならないと思います。私は、やはり独立性、専門性を持った第三者機関による監督が必要であると思います。
改正案では、外国の事業者も、日本の行政が保有する匿名加工情報の利用から排除されていません。諸外国との関係では、どういった体制が求められるんでしょうか。例えば、個人情報保護に関するEUの十分性認定はクリアできるんでしょうか。この点についてお答えいただきたいと思います。
○上村政府参考人 お答えいたします。
今回の改正におきましては、もう委員も御承知のとおりでございますが、非識別加工情報というものが行政機関等から民間事業者に提供されるというものでございますので、国の行政部門、それから民間部門の監視、監督、これを同じ機関が行うということが合理的であろうという観点から、そうしたものを個人情報保護委員会に一元化するということにしてございます。
他方、この法案では、それ以外の個人情報の取り扱い、行政機関等が保有するものでございますけれども、何ら変更することとはいたしておりませんので、その取り扱いは、引き続き総務大臣が所管するということにしているものでございます。
また、EUの十分性認定についてのお尋ねがございましたけれども、その基準というものにつきましては、まだ明確に示されたものというのは存在しないというふうに承知をしております。今後、EU側とその十分性認定取得等に向けまして取り組んでいく中で、そうしたものは明らかになっていくものであろうかと思っております。
なお、日本の個人情報保護制度につきまして、EUの関心事項であると推測される諸点に関しましては、例えば、今回、これは昨年の個人情報保護法でも同じでございますけれども、要配慮個人情報の規定を設ける、こうした対応は一方で図っているというところでございます。
○田村(貴)委員 個人情報保護委員会は、行政の個人情報の取り扱いはしませんよね。そうすると、EUの基準には達しないという理解でよろしいですか。もう一度答えてください。
○上村政府参考人 繰り返しの答弁になりますけれども、十分性認定が、官民一体の委員会がなくてはならないのかどうか、そういった基準についてはまだ明確に示されたものはないと承知しております。
○田村(貴)委員 まだまだ質問通告していたんですけれども、この続きは梅村さえこ議員の方から質問させていただきますので、私は質問を終わります。
以上です