日本共産党の田村貴昭議員は21日の衆院総務委員会で、市町村立学校教職員の給与を都道府県が負担する「県費負担教職員」のうち、政令指定都市の市立校教職員の給与負担事務の権限が2017年度から政令指定都市に移譲されるのに伴い、臨時教員の長期の失業や待遇引き下げが生じる問題をただしました。
多くの政令指定都市では、常勤講師の再任用の際に一定期間働けなくする「任用の空白」を設けており、中には「空白」が1週間から2カ月にわたる市もあります。「空白」の法的根拠をただした田村氏に、総務省の高原剛公務員部長は「空白期間を求める規定は関係法令に存在しない」と答弁しました。
田村氏は、政令市で働く常勤講師の「市外に出る」「いまは療養休暇がとれるが(権限移譲後の)来年度からはない」との声を紹介。正規教員や学校長からも不安の声があがっていると指摘し、国としての対応を求めました。文部科学省の藤原誠初等中等教育局長は「問題がある場合は助言したい」と答弁しました。
田村氏は「権限移譲によって、学校の先生や講師が確保されなくなれば、一番影響を受けるのは子どもたちだ」と強調。「教育水準の低下につながりかねない実態がある。『任用の空白』の解消へ関係機関に働きかけを」と求めると、高市早苗総務相は「任期については業務の遂行に必要な期間を考慮して適切に定めるよう助言していく」と答えました。
(しんぶん赤旗 2017年2月26日)