日本共産党の田村貴昭議員は11日の衆院総務委員会で、国による水道事業の広域化・民営化の押し付けを批判し、「水道は人の命を支えるもの。自治体の事情を十分考慮すべきだ」と訴えました。
田村氏は、水道事業の広域化や民営化を各自治体に早急に検討するよう求めた総務省研究会の報告書を示し、「政府が強制するものではない」と強調。高市早苗総務相は「特定の経営形態を強制することは考えていない」と答えました。
田村氏は、離島を抱える香川県坂出市は、広域化ではコストは低減できないとして不参加を表明したにもかかわらず、県協議会が、広域化しなければ受水単価を大幅値上げすると試算を示し、同市が広域化協議に入らざるをえなくなった事例を紹介。水道法が定める「市町村経営の原則」に反する事態が起きていることを告発しました。
厚労省の北島智子生活衛生・食品安全部長は「広域化と災害時を想定した複数水源の確保とのバランスを確保していく」と答えるにとどまりました。
田村氏は、水道法改正案が現行法の「水道事業の保護育成」などを削除し、「基盤強化」の名で広域化を自治体に迫っている問題も指摘。「人員削減など『保護育成』を怠ってきたのは国の責任だ。本末転倒だ」と批判しました。
(しんぶん赤旗 2017年4月14日)